PEOPLE
「Love on the Lake」を主催する末継佳大さんへのインタビュー
関西初?のLGBTクルーズ「Love on the Lake」を主催する末継佳大さんに、これを企画した理由や気持ちをお聞きしました。

おそらく関西では初となるLGBTパーティクルーズ「Love on the Lake」を主催する末継佳大さん。ストレート・アライの方ですが、LGBTのためにという純粋な気持ちで、ある意味赤字覚悟で、これを企画してくれました。その理由や気持ちについてお話をお聞きしました。

ーーまず、末継さんが所属しているトラベル京都という会社は、どんな会社ですか?
トラベル京都は主に京都へのインバウンド(訪日旅行)の旅行商品をオンラインで販売する会社です。あわせて、富裕層向け個人旅行のプランニングなども行っています。
ーートラベル京都はIGLTA(国際ゲイ&レズビアン旅行協会)にも加盟しているとお聞きしました。日本ではまだまだIGLTAに加盟している旅行会社は多くはありませんが、なぜ加盟することにしたのでしょうか?
LGBTフレンドリーであるという意思表示のためです。もともとホテルグランヴィア京都の池内さん(※京都の春光院と連携して仏式の同性結婚式をプランニングし、内外で話題になり、IGLTAのアンバサダーもつとめるようになった方)とおつきあいがあり、今回もアドバイザーとして関わっていただいておりますので、そういった経緯もあります。
ちなみに私はRaf Graph(ラフグラフ)という個人事業の代表で、トラベル京都へはフォトコーディネーターとしてパートナー企業というかたちで関わっております。
ーーRaf Graphの公式サイトを拝見したところ、京都で結婚写真を撮れるというコンセプトだと思いますが、同性カップルの写真もたくさん載っていて、わー素敵!と思いました。
実はウエディングのカメラマンをしておりまして、同性婚の写真を撮るようになったことが、LGBTの方との関わりが生まれたキッカケです。
ーー末継さん自身の、LGBTへの思いを聞かせてください。たとえば堂山のゲイシーンだったり、レインボーフェスタだったり、関西のLGBTとふれあう機会があったりしました?
最近は忙しくてあまり行けてないですが、京都や堂山のゲイバーにはたまに行きます。ごくごく稀に、出張で東京に行った時は、二丁目にも行きます。
私は自分たちの時代よりもこの先の時代が少しでも良くなれば…と思っています。いま一生懸命動いても、時代をすぐに変えるのは難しいので…。現在も性自認や性的指向がマイノリティであるということで悩んでいる子どもたちがいるわけですが、そういった子どもたちが大人になった時に生きやすい社会であれば、またその先はさらに良くなるかなと…そういうふうにつながっていけば、いつかは優しい社会になるかな、と。未来のことを考えて、いま何ができるかを考えて実行していこうと思っています。
ーー今回のLGBTクルーズを企画した経緯を教えていただきたいと思います。
昨年12月に滋賀県大津市が「おおつレインボー支援宣言」を宣言したんですね。そのことがきっかけです。大津市、やるな、盛り上げていかなあかんな、という気持ちがありました。
私も勉強を始めてまだ1年くらいしか経っていないですが、LGBTセミナーを受けたり、コミュニティに関わりをもってきたなかで感じたことがありまして、慈善事業では啓発の進み具合や広がる範囲に限界があるな、ということでした。地域の方々に観光産業として参画してもらい、巻き込むことで、人との関わりのなかでLGBTのことも実感として感じてもらえるし、啓発の推進の後押しにもなるな、と思ったんです。
あと、これがいちばん大事だと思うのが、確かに知識などは必要ですが、やっぱりいちばん大事なのはコミュニケーションだということです。そういう場をまず作ることが大事だと思っています。
ーーおっしゃること、よくわかります…知識だけではなく、ふれあう機会もすごく大事ですよね。私も福島のグランデコのスノーリゾートイベントにかかわってきましたが、現地のみなさんのあたたかさに触れて、逆に自分の中に「東北の人は男尊女卑でLGBTを受け入れない」みたいな偏見があったなぁ…と反省しました。実際にふれあってみると、お互いにわかりあえたり、感動があったりしますよね。
観光業は「社会を平和にする」とよく言われていて、その考えに私自身すごく共感しており、「心からのおもてなし=多様性の受入れ=平和」だと考えています。例えば、どんなに言葉や文化を学んで(それも当然大事ですが)コミュニケーションをしても、心から受け入れることができないと本当のおもてなしとは言えないと思っていて、その気持ちって偏見や差別をなくすということにすごく通じていると思っています。
ーー大津市はLGBT支援宣言と同時に、同性パートナーシップ証明制度の導入も検討すると発表してましたね。そんな大津を盛り上げるには、琵琶湖を生かしたイベント、琵琶湖クルーズだということですね。
琵琶湖は日本屈指の観光資源で、これを活用しない手はない、と。レインボーカラーかどうかはまだわかりませんが、琵琶湖は色とりどりのライトアップで魅せる「花噴水」という国内最大のライトアップ噴水ショーをやってまして、そちらもぜひ、楽しんでいただきたいです。

ーー京都に住んでいた頃、琵琶湖に湖水浴に行って、海じゃないので波がほとんどなくておだやかで、ぷかーって浮いてるだけでとても気持ちよくて、琵琶湖いいじゃん!って思った記憶があります。船酔いが気になるような方も、湖なら大丈夫、とオススメできると思います。琵琶湖クルーズについて、特に強調したい、魅力はこれだ!みたいなところがあれば、教えてください。
いま申し上げた「花噴水」も見どころですし、楽しんでいただけるような仕組みをたくさん考えていますが、何よりも、キャストが最高です! ドラァグクイーンの「神」的存在のシモーヌ深雪さん、そしてシモーヌさんが京都で長年開催してきている「Diamonds are forever」のクイーンのみなさんが来られます! DJさんもGOGO BOYさんも、ボーイレスク&バーレスクも、本当に素晴らしい方たちにご出演いただいています。「各方面のトップが出過ぎていて方向性がよくわからない」と言われたりもしていますが、この組み合わせは今までなかったと思いますし、前代未聞のイベントを楽しみに来てください!
ーー確かに関西を代表する方たちが集結してる感、ありますね。たいへん豪華なキャスティングになっておりますが、出演者のみなさんへのオファーは、ご自身で?
まず、僕が池内さんから関東、関西、それぞれ1名ずつをご紹介いただきました。そこからのつながりでキャストの皆さんが決まりました。ただ、シモーヌさんは僕からのリクエストでした。本当にみなさんには感謝しどおしです。
ーーイベントのサイトに載っていないようなことで、何かみなさんにお伝えしておきたいことはありますか?
イベントの終わりが21時なので、おそらく物足りなさが残るのではないかと思います。なので、アフターパーティを考えたのですが、それよりも京都や堂山(いま、大津市も探しています)に飲みに行っていただいたほうがいいのかな、と思い、バーマップを作る予定でおります。お店の方々とお話をして、ご協力いただけることがあるかどうか、聞いたりなどしている最中です。
ーーそれはおつかれさまです。最後に、何かひとこと、お願いします。
きっと今まで体験したことがない楽しさを味わっていただけると思いますので、ぜひぜひ来てください! よろしくお願いします!
INDEX
- トークセッション「ダイアモンドは永遠に――日本におけるドラァグクイーン・パーティーの起源」
- RAINBOW FESTA!2018事務局長・桜井秀人さんへのインタビュー
- 『BANDAI LAKESIDE GUESTHOUSE』を経営するGENTAさんへのインタビュー
- レインボーとしまの会 代表理事の小吹文紀さんへのインタビュー
- 「Love on the Lake」を主催する末継佳大さんへのインタビュー
- 東京レインボープライドに出演してくださった中島美嘉さん
- 「レインボーパレードくまもと2016」共同代表の川口弘蔵さん
- ホテルパームロイヤルNAHA代表取締役総支配人・高倉直久さんにお話をお聞きしました
- 弁護士の永野靖さんへのインタビュー
- 「横浜レインボーフェスタ2015」代表のSASUKE KIMURAさんにインタビュー
- オンタリオ州観光局の方にインタビュー
- コミュニティセンター「haco」の方にインタビュー
- グランデコスノーリゾートの金光弦太さんにお話を聞きました
- 虹色ダイバーシティの代表・村木真紀さん
- 中野区議・石坂わたる氏にインタビュー
- ウェスティンホテルで結婚式を挙げたあいけんさん&brassさんにインタビュー
- 札幌のケンタさんにインタビュー
- 「akta」のジャンジさんへのインタビュー
- 「DOCK」の吉野さんへのインタビュー
- 尾辻かな子参議院議員へのインタビュー
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