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二丁目で香港ワッフルのお店を営むJeffさんへのインタビュー
二丁目で香港ワッフルのお店を営む香港出身のJeffさんは、日本人のパートナーの方と5年間おつきあいしていますが、日本の在留資格制度の不平等ゆえに、いつまで日本に居られるかわからない…という不安を抱えています。お話をお聞きしました。
香港出身のJeffさんは日本に来て5年になり、日本人の同性パートナーの方と一緒に暮らしていますが、以下にお伝えするように、日本でも香港でも同性婚が認められていないため、配偶者ビザ(在留資格)が得られず、日本で行なっているビジネスでの在留資格が認められなくなると香港に帰らなければいけません。現在、在留資格の更新の時期ですが、申請が通らなければ、離れ離れになってしまう…という不安な日々を過ごしています。Jeffさんへのインタビューをお届けします。(聞き手:後藤純一)
国際同性カップルの在留資格についての現状
外国人と日本人の同性カップルが日本で共に暮らし続けたいと思ったとき、日本では同性婚が認められていないがゆえに配偶者在留資格が付与されません。それゆえ、多くの国際同性カップルが、異性カップルと平等の待遇を求め、声を上げてきました(ご参考:シンポジウム「同性国際カップルの在留資格をめぐって」レポート)。2019年には、20年以上にわたって日本人ゲイ男性との間でパートナーシップを築いてきた台湾の男性が起こしていた裁判の結果、在留特別許可が下りました(詳細はこちら)。同年、在留資格がないまま日本人の男性のパートナーと17年間暮らしてきた東南アジア出身のトランス女性(法的にはお二人は同性カップルと見なされます)に在留特別許可が下りました(詳細はこちら)。同年、日本人の同性パートナーと15年近く連れ添い、米国で法的に結婚しているにも関わらず、日本での事業が傾いたことでビジネスの在留資格が得られなくなった方が、在留資格を求めて裁判を起こしています(詳細はこちら)
今年5月、本国で同性婚が認められている外国人と日本人の同性カップルについて、外国人パートナーに「特定活動」の在留資格を付与する方向で政府が検討に入ったと報じられました(詳細はこちら)。あくまでも「特定活動」という資格であって配偶者扱いではないのですが、それでも、少しずつ在留資格の範囲が広がってきたことは、喜ばしいことです。
しかし、台湾を除くアジア諸国の方と日本人の方とのカップルの場合、依然として「特定活動」も認められず、ビジネス分野などの在留資格がないと日本への滞在が認められないという現状です。
<パートナーが同性である外国籍の方の在留資格>
◎双方の本国で同性婚が認められている外国人どうしの同性カップル:
いずれかがビジネス分野などの在留資格を持つ場合、パートナーに「特定活動」の在留資格が付与されます
◎本国で同性婚が認められている外国人と日本人の同性カップル:
外国人パートナーに「特定活動」の在留資格を付与する方向で検討されています
◎上記以外の同性カップル:
「特定活動」の在留資格は付与されず、ビジネス分野などの在留資格がないと、日本への滞在が認められません
(ただし、上記のように特例で認められる場合もあります)
Jeffさんへのインタビュー
Jeffさんは5年前に来日し、パートナーの雄太さんとは約4年間いっしょに暮らしています。現在、二丁目で週末、香港のお茶やコーヒーが楽しめる「CAFE STANLEY」というお店を営業しています。
6月6日にオンライン開催された「Not Alone Cafe」(海外から日本に来て間もないゲイ・バイセクシュアル男性等の方に安全な居場所を提供するためのカフェ・イベント)にトークゲストとして出演していましたが、その関係で(ぷれいす東京の生島さんのご紹介で)今回、ZOOMでインタビューをさせていただけることになりました(Jeffさんの横に雄太さんもいらっしゃいました)
――Jeffさんがゲイだと自覚したのはいつ頃ですか?
13歳、中学2年の頃です。
――香港では、ゲイであることで奇異の目で見られたりする感じでしょうか。それともあまり関係なく、受け入れられる感じ?
あまり関係なかったですね。それに、私は16歳から10年間、英国に行っていたので、ゲイであることで悩むことはありませんでした。
――英国に留学というか、勉強しに行っていたんですね。
そうです。大学院までいました。IT関係のことを学んでいました。
――英国で10年勉強して、香港に帰ってから就職を?
はい。香港ではIT関係の仕事をしていました。
――では、日本に来ることになったきっかけを教えてください。
もともと日本の文化に興味がありましたので、5年前、日本語の勉強をしに日本に来ることを決めました。日本にあまり知り合いもいなくて心細かったので、ネットワークを広げようと思ってFacebookを見たりするようになったのですが、そこで雄太さんと知り合いました。
――なるほど。いつ頃から一緒に暮らすようになったのですか?
4年前からです。つきあって1年も経たないうちに一緒に生活するようになりました。
――それだけ熱い恋だったということですね。わかります。
はい(笑)
――日本語の勉強をして、彼氏さんもできたので、じゃあ日本で働こうと思って、働きはじめた感じ?
そうですね、2年間日本語の勉強をしました。それから、2018年に新宿4丁目に香港で人気のローカルスイーツ「エッグワッフル」の専門店「Café Stanley」を立ち上げ、ビジネスビザで在留資格を取得しました。お店はメディアにも取り上げられたりして、順調にやってこれたのですが、昨年からのコロナ禍の影響で、新宿4丁目の店舗を続けることが難しくなってしまいました。
――そうでしたか…。今は松中権さんが引き継いだ二丁目の「洋チャンち」で営業してるんですよね?
はい、今年の4月から、ご厚意で、そちらを使わせていただけるようになって、週末の昼間に営業しています。
――「エッグワッフル」の魅力、セールスポイントを教えてください。
外はパリパリ、中はモチモチで、日本にはないタイプのワッフルだと思います。ぜひ食べてみてください。
――Jeffさんは現状、パートナーシップのビザは認められず、ビジネスでのビザがないと日本に居られない…という状況だと思います。たぶんビザ(在留資格)についてあまり知らない人も多いと思うのですが、ビジネス関係のビザの更新について、どのような審査があるのか、もし審査ではねられたらどうなるのか、教えてください。
「経営・管理」というビジネスのビザで、毎年申請が必要です。今がちょうど更新のタイミングで、先日申請を出し、審査に約2ヶ月かかるので、8月までドキドキしながら待ちます。売上げが出てないと更新が難しいです。もし申請して審査が通らなければ、日本にいられなくなります。
――心配ですね…無事に審査が通るといいのですが…。先日、オンライン開催の「Not Alone Cafe」に出演していたと思います。いかがでした?
よかったです。みなさん、話を聞いてくださって、応援しますよと言ってくださって、実際に何人もお店に来てくださいました。ありがたいです。
――よかったですね。ちなみに二丁目のゲイコミュニティにはこれまで関わってきたのでしょうか?
お酒が飲めないので、あまり二丁目には行ってなかったです。でも今回、「Not Alone Cafe」に参加して、みんな優しいと感じました。これからはもっと関わりたいと思います。
――もしよろしければ、雄太さん、何かひとことお願いいたします。
外国人どうしだと同性カップルでも「特定活動」のビザが出るけど、片方が日本人だと出ないという話で、裁判をやっていると思います。私たちと同じような状況で悩んでいる人がほかにもいると思いますが、こうして取材を受けることで、状況が変わっていけばいいかなと思いました。
――おととし、25年日本人と連れ添った台湾人ゲイの方が裁判で、在留が認められてから、少しずつ変わってきましたが、まだまだ道のりは長いですね…。
裁判を起こさないと、というのは、ものすごく労力と時間がかかることですから、そうじゃなくても認められるようになってほしいですね。
――本当にそうですね。では、Jeffさん、最後にひとこと、メッセージをお願いします。
男女間の結婚と同じように、男どうしでも平等に権利があってほしいです。
――そうなる日が早く来てほしいですね。どうもありがとうございました!
Jeffさんのお店
「Café Stanley」
営業時間:土日14:00-18:00
場所:新宿区新宿2-18-10 新千鳥街1F 『洋チャンち』
NOT ALONE CAFE
日本に来てまもないゲイ・バイセクシュアル男性のためのカフェ・スペース
開催日時:毎月第1日曜日 午後2時-5時
入場無料
@Dragon Men
(※現在はコロナ禍の影響でオンライン開催になっています)
INDEX
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