REVIEW
アート展レポート:2人展 男たちの昼と夜
ホリムラシンジさんとSIN5さんの「2人展」が新宿眼科画廊で開催中。ホリムラシンジさんは「はたらくおっさん入門編」、SIN5さんは「TOKYO CRUISING HERO」。男たちの昼と夜を表現したセクシーな展覧会です

「MASURAO GIGA -益荒男戯画展-」のときに同じスペースで作品を展示されていたホリムラシンジさんとSIN5さんが、あのときと同じ新宿眼科画廊で「2人展」を開催しています。「昭和によくあった映画の同時上映的なノリで、同じ空間に二つの個展が存在するような「豪華大出血二本立て」。対照的なおっさんの昼と夜をお楽しみください」との触れ込みでした。お二方ともとても好きなので、迷わず観に行きました。
「MASURAO GIGA -益荒男戯画展-では祭りに参加する男たちや六尺&緊縛の様子などの作品を展示していたホリムラシンジさん。最近は「働く男」シリーズとして、主に現場系・肉体労働者系の男性を描いています(「美男画展」でもそんな現場の若者を描いた作品を出展していました)。今回は「はたらくおっさん入門編」と題し、工事現場や工場で働く方だったりレスキュー隊や警察官だったりお医者さんだったり、いろんな働くおじさんを描いた作品がズラリと並んでいました。真剣に、額に汗して働く男性ってとても素敵でセクシーですよね。そんなおじさんたちの姿を(時には本当に働いている方の写真も撮らせてもらったりしながら)愛を込めて描いていました。まだ下書きの段階の作品なども展示されていたのですが、その中に仕事着を脱いでる(パンツがアンダーアーマーの)ガチムチな男性の絵もあって、「次回はぜひこの絵の完成版を」とリクエストさせていただきました。



以前からマッチョ、ガチムチ、ベアー系男子の肉体美を力強い線と印象的な色彩で描いてこられ、「MASURAO GIGA -益荒男戯画展-」ではさらにハッテンして、よりダイレクトに様々なSEXを描いていたSIN5さん。今回は「TOKYO CRUISING HERO」と題して、レザーやラバーに身を包んだ肉厚系な男性だったり、緊縛されたMさんだったり、ニッカポッカ姿の方たちだったり、いろんなタイプの「CRUISING HERO」を描いていました。個人的には、ごく小さめのシンプルな作品を並べたコーナーの、パンツを脱いでる太め男性を後ろから描いた作品や、天使の羽根を背負って男性器に向かって祈るようなポーズをしている男性、黒いレオタードに赤いヒールを合わせた熊さんなどの絵がとても好きでした。天使の羽根シリーズはとてもよかったです(90年代に南智子さんがゲイイベントで「ゲイの方には翼が生えていると思います」と語ったのを思い出しました)。鎖を首に巻いたバルクマッチョの着ている服に細かい写真や絵がたくさんコラージュされている作品は、よく見るとSIN5さん自身がいたり、「HAPPY PRIDE」の文字があったりするので、探してみてください。



ホリムラさんが描いた昼間一生懸命働いている男性たちが、もしかしたら夜になるとSIN5さんの絵のような「CRUISING HERO」になってるかもしれないし(ノンケとは限らないですからね)、ニッカポッカ姿のおじさんの絵が、昼間の仕事のようにも見えるし夜のコスプレとも受け取れるというのも面白いな、と思ったりしました。
いろんな想像力をかきたてる2人展でした。
「はたらくおっさん入門編」ホリムラシンジ
「TOKYO CRUISING HERO」SIN5
会期:6月12日(金)〜17日(水)、19日(金)〜24日(水)
会場:新宿眼科画廊スペースO
開館時間:12:00-20:00 ※水曜は17:00まで
INDEX
- M検のエロティシズムや切ない男の恋心を描いたヒューマニズムあふれる傑作短編映画『帰り道』
- 『グリーンブック』でゲイを守る用心棒を演じたヴィゴ・モーテンセンが、自らゲイの役を演じた映画『フォーリング 50年間の想い出』
- ショーや遊興の旅一座として暮らすクィアの生き様を描ききったベトナム映画『フウン姉さんの最後の旅路』
- 鬼才ライナー・ベルナー・ファスビンダー監督の愛と性をリアルに描いた映画『異端児ファスビンダー』
- ぜひ映画館で「歴史」を目撃してください――マーベル映画初のゲイのスーパーヒーローが登場する『エターナルズ』
- 等身大のゲイの恋愛を魅力的なキャストで描いたラブリーな映画『クロスローズ』
- リアルなゲイたちの愛や喜び、苦悩、希望、PRIDEに寄り添う、心揺さぶる舞台『すこたん!』
- 愛と笑顔のハッピームービー『沖縄カミングアウト物語〜かつきママのハグ×2珍道中!〜』
- ムーミンの作者、トーベ・ヤンソンの同性愛をありのままに描いた映画『TOVE/トーベ』
- 伝説のデザイナーのゲイライフに光を当てたドラマ『HALSTON/ホルストン』
- 幾多の困難を乗り越えてドラァグクイーンを目指すゲイの男の子の実話に基づいた感動のミュージカル映画『Everybody’s Talking About Jamie ~ジェイミー~』
- ドラァグクイーンに憧れる男の子のミュージカル『Everybody's Talking About Jamie』
- LGBTQ版「チャーリーズ・エンジェル」的な傑作アニメ『Qフォース』がNetflixで配信されました
- 今こそ観たい、『It's a sin』のラッセル・T・デイヴィスが手がけたドラマ『英国スキャンダル〜セックスと陰謀のソープ事件』
- 美しい少年たちのひと夏の恋と永遠の別れを描いた青春映画――『Summer of 85』
- 80年代UKのゲイたちの光と影:ドラマ『IT’S A SIN 哀しみの天使たち』
- 映画『日常対話』の監督が綴った自らの家族の真実――『筆録 日常対話 私と同性を愛する母と』
- "LGBT"以前の時代に愛し合い、生き延びてきた女性たち――映画『日常対話』
- 映画『世紀の終わり』(レインボー・リール東京2021)
- 映画『叔・叔(スク・スク)』(レインボー・リール東京2021)
SCHEDULE
記事はありません。





