REVIEW
アート展レポート:第七回美男画展
美男をテーマにたくさんの作家さんが1点ずつ作品を展示する「美男画展」のレポートをお届けします。多彩な美男の作品を楽しめますし、ギャラリーがあんなに熱い雰囲気で賑わっているのは珍しいと思いました

美男をテーマにたくさんの作家さんが1点ずつ作品を展示する銀座のぎゃらりぃ朋の「美男画展」。今回ですでに7回を数えるそうですが、お伺いしたのは初めてでした。
銀座という場所にあるギャラリーながら、高級で静謐な空間というイメージとは異なり、今までのどんなギャラリーよりもお客さんがたくさんいて、活気に満ちた、独特の熱気を感じさせる展覧会場でした。
なんとなく女性の作家さんがいかにもな美男子を描いた作品が多いのかなと思っていたのですが(実際、そういう絵もあったのですが)、そんなに若くなかったり、外国人だったり(例えばスティングを描いた作品とか)、男っぽい感じの男性の絵もあって、意外と多彩でよかったです。
個人的に目を引いたのはやはり、六原さん、奥津さん、林さんのゲイテイストな作品でした。
1点、ストレートの男性の作家さんが描いたレインボーな作品もあって(プライド月間ですものね)、感謝したい気持ちになりました。
会場に奥津さんがいらして、日本には昔から筋骨隆々な男性の肉体美を描いた絵画がほとんどなかった、という話から、その場にいたお客さんやギャラリーの方も加わって、それは西洋と日本の文化の違いなのではないか、というよりむしろ宗教の違いが大きいのではないか、といった話で盛り上がったりして、とても楽しかったです。
あまり長くはいなかったのですが、充実した時間を過ごせました。
みなさんもぜひ、ギャラリーに足を運んで、お気に入りの作品を見つけてみてください。今週末の土曜までです。
第7回美男画展
会期:2024年6月8日(土)~6月15日(土)
会場:ぎゃらりぃ朋(東京都中央区銀座1-5-1 HOLON GINZA II(旧第三太陽ビル)204)
開館時間:12:00-18:00(最終日17:00)
日曜休廊
出展者:浅沼明子、上杉尚、大貫一則、奥津直道、片塩広子、黒川晄、塩崎顕、竹淵直美、多田圭輝、津田やよい、中森惠子、西牟禮あやめ、林克彦、深澤健作、村社由起、山田りえ、山本磨理、六原龍(五十音順)
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