REVIEW
ファッションだけじゃない! リトル・モンスターはマスト! 女性とゲイに捧げられた奇跡の名作:映画『プラダを着た悪魔2』
5月1日、『プラダを着た悪魔2』が公開されました! 前作を観てない方でも十分、楽しめます。ファッション好きなみなさんはもちろん、レディ・ガガのファンの方はマスト!です。最速レビューをお届けします

ファッション界のレジェンド、アナ・ウィンター(『VOGUE』誌の伝説的な編集長)をモデルとした映画で、鬼編集長・ミランダ(メリル・ストリープ)に容赦なくシゴかれる新人アシスタント(アン・ハサウェイ)の悲哀やミランダの右腕であるゲイのナイジェル(スタンリー・トゥッチ)の存在感が世界中のゲイの琴線に触れまくり、たいへんな話題を呼んだ2006年の映画『プラダを着た悪魔』の20年ぶりとなる続編『プラダを着た悪魔2』がいよいよ劇場公開されました! 最速レビューをお届けします!
<あらすじ>
ニューヨークの一流ファッション誌「ランウェイ」のカリスマ編集長として、ファッション業界の頂点に君臨するミランダ。かつてそのアシスタントに採用され、厳しく完璧主義な彼女のもとで奮闘する日々を過ごしたアンドレアは、現在は報道記者として活躍していた。そんなある日、ミランダとその右腕ナイジェルが危機に直面していることを知ったアンドレアは、特集エディターとして「ランウェイ」編集部に舞い戻る。さらに、アシスタント時代の同僚エミリーとも再会するが、彼女はラグジュアリーブランドの幹部として「ランウェイ」存続の鍵を握る存在となっていた。それぞれの夢と野望がぶつかり合うなか、事態は思わぬ方向へと展開していく。




本当に月並みな感想ですが、「すっごいよかった」です。拍手!
前作の『プラダを着た悪魔』をご覧になった方やファッションが好きな方が楽しめるのは当然として、特筆すべきはレディ・ガガです。あまり詳しくは書きませんが、劇中最もエキサイティングなシーンで「Runway」が流れ、なるほどこの場面のためにこの曲があったのか!と頭をブンブン振ってうなずきまくったあと、素敵なサプライズに興奮…。リトルモンスターのみなさんは必見!です。(世界最高峰のスターであるレディ・ガガが時間を割いてあそこまでやってくれるというのは『プラダを着た悪魔』のゲイコミュニティへの姿勢に共鳴したからなんだろうな、と思いました)
主要キャストはそのままに20年もの時を経て続編が作られたというだけでもスゴいのに、前作を上回るような素敵さ、大人の成熟や深み、感動がありました。素直に「観てよかった」と思えたし、完成度の高い名作だと感じました。
最前線で活躍する女性たち、仕事と私生活の両立、素敵な男性との出会い…SATCにも通じるテーマですが、全体がファッション業界のお話なので、とにかくすべてがゴージャスで、ウットリしまくりです。NYのメトロポリタン美術館で開催される世紀のファッションイベント「METガラ」のシーンとか、エンパイアステートビルが見える5番街沿いのオフィスとかアッパー・イースト・サイド(セントラルパークの東側の高級住宅街)とか、ミラノのあれこれとか、クルーザーとかヘリとか別荘とか…夢のようでした。
ミランダ(メリル・ストリープ)の毒舌や鬼っぷり、かつて『Runway』誌で一緒にアシスタントをしていたライバルのエミリーのビッチさが相変わらずなのもよかったです。でも、女どうしのドロドロな闘いに終始するのではなく、確執を超えて、もっと大きな、『Runway』誌が築いてきたファッション界への貢献というレガシーや、その象徴であるミランダへのリスペクトというところでタッグを組んで(まさにSATCがそうであるように)女どうしの友情が生まれるところも素敵でした。
ゲイだからどうこうということはないのですが、ナイジェルへのスポットライトの当て方もジーンときました(ほかにも、当然のようにゲイじゃないかと思われるような方たちがあちこちに登場します)。また、新たに登場したキャストが人種的マイノリティで、特にルーシー・リュウをはじめアジア人女性がフィーチャーされていたのがよかったです。
カメオ出演の面々にも要注目です。ドナテラ・ヴェルサーチェだったりシアラだったり…思わず手を叩きたくなるような豪華なセレブがいろんな場面で登場してます(ドナテラの出演シーン、え?ここなの?って感じの意外性。素敵でした)。セレブに詳しい方は何倍にも楽しめると思います。
映画公開を前に『Out』誌のインタビューに応じたメリル・ストリープは「LGBTQコミュニティなしにファッションはありえない」と語り、アン・ハサウェイも「撮影中、ずっとクィアコミュニティのことが頭にあった」とか「法の平等が実現しなければ意味がないし、私もそのために闘うつもり」などと語っています(ちなみにアン・ハサウェイは兄がゲイだとカムアウトしたのを受けてカトリック信者をやめ、また、結婚式の記念写真の売上から得た利益をLGBTQコミュニティに寄付するなど、アライとして活動してきた方です)。ナイジェル役のスタンリー・トゥッチは今作だけでなく『スーパーノヴァ』にもゲイの役で出演し、心に残る演技を見せてくれています。主要キャストがそんな感じなので、めっちゃゲイを意識して作られてます。女性とゲイのための映画だと言っても過言ではないでしょう(そこもSATCと同様です)
このGWはぜひ、映画館で『プラダを着た悪魔2』をご覧ください。
プラダを着た悪魔2
原題:The Devil Wears Prada 2
2026年製作/アメリカ/119分/G/監督:デヴィッド・フランケル/出演:メリル・ストリープ、アン・ハサウェイ、エミリー・ブラント、スタンリー・トゥッチ、ルーシー・リューほか
5月1日よりロードショー公開
INDEX
- 日本で子育てをしていたり、子どもを授かりたいと望む4組の同性カップルのリアリティを映し出した感動のドキュメンタリー映画『ふたりのまま』
- 手に汗握る迫真のドキュメンタリー『ジャシー・スモレットの不可解な真実』
- 休日課長さんがゲイ役をつとめたドラマ『FOGDOG』第4話「泣きっ面に熊」
- 長年のパートナーががんを患っていることがわかり…涙なしに観ることができない、実話に基づくゲイのラブコメ映画『スポイラー・アラート 君と過ごした13年と最後の11か月』
- 驚愕のクオリティ、全編泣ける究極のゲイドラマ『Ours』
- 女子はスラックスOKで男子はスカート禁止の“ジェンダーレス制服”をめぐるすったもんだが興味深いドラマ『僕達はまだその星の校則を知らない』
- 恋愛指向の人がマイノリティである世界を描いた社会実験的ドラマ「もしも世界に 『レンアイ』がなかったら」
- 田亀源五郎さんの新連載『雪はともえに』
- 世界が認めたシスター・バイオレンス・アクション小説:王谷晶『ババヤガの夜』
- 映画『チャクチャク・ベイビー』(レインボー・リール東京2025)
- 映画『嬉しくて死にそう』(レインボー・リール東京2025)
- 映画『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』
- アート展レポート:TORAJIRO個展「Boys Just Want to Have Fun」
- 掛け値なしに素晴らしい、涙の乾く暇がない、絶対に観てほしい名作映画『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』
- 映画『満ち汐』(レインボー・リール東京2025)
- 映画『カシミールのふたり ファヒームとカルン』(レインボー・リール東京2025)
- ブリティッシュ・カウンシル+BFIセレクション:トランスジェンダー短編集+『5時のチャイム』上映(レインボー・リール東京2025)
- 映画『ドラマクイーン・ポップスター』(レインボー・リール東京2025)
- アート展レポート:『Home Pleasure|居家娛樂』 MANBO KEY SOLO EXHIBITION
- アート展レポート:Queer Art Exhibition 2025
SCHEDULE
記事はありません。







