REVIEW
ドラマ「娼婦と淑女」
安達祐実主演のドロドロ傑作昼ドラ「娼婦と淑女」。息をもつかせぬストーリー展開と登場人物のキャラの濃さには目が釘付け。昼ドラと侮ることなかれ。

大金持ちの清瀬家の跡継ぎ争いに巻き込まれて暗殺されてしまう凛子と瓜二つだったため、凛子になりすます、貧乏ですれっからしな紅子(安達祐実)を主人公とした昼ドラです。
この安達祐実の演技、『ガラスの仮面』の北島マヤ(1997~1998 テレビ朝日)と同じじゃん…と思ったら、脚本家が『ガラスの仮面』と同じ野依美幸さんでした(てっきり『牡丹と薔薇』の中島丈博さんかと思ってました)。でもこれ、『真珠夫人』や『牡丹と薔薇』をヒットさせた東海テレビが自信を持って世に送り出した、王道のドロドロ愛憎劇系昼ドラなのです。
娼婦と淑女、対照的なキャラを演じ分ける安達祐実も素敵ですが(最近になってさらに新しいキャラも!なんと…男性です)、そんな紅子を守る真彦役を鳥羽潤が演じていて、なかなかカッコいいです。が、何と言っても見所は、この家を取り仕切る大おば様(赤座美代子)とお母様(越智静香)のトゥーマッチさ。裏で暗躍する執事(石川伸一郎)の不気味さ、そして最近になって登場した久我山大佐(野村宏伸)の狂気じみた雰囲気など、脇役も相当濃い人たちで固めています。
半分素人みたいな俳優たちの「ヤスさ爆発」な昼ドラではなく、ちゃんとドロドロ(ちゃんとって言うのもヘンですが)しつつ、夜9時台のドラマ並みの作りこみがなされていて、本当に見応え十分。
ちょっと目を離すとすぐに新しい展開になりますので、録画してぜひキャッチアップを!
(後藤純一)
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- 05.19SWITCH