REVIEW
ドラマ『おっさんずラブ-in the sky-』
11月2日、新シリーズ『おっさんずラブ-in the sky-』がついに始まりました。これまでとは全く別の世界で新たに始まる物語です。レビューをお届けします。

11月2日(土)、大勢を熱狂させた「おっさんずラブ」の新シリーズ『おっさんずラブ-in the sky-』がついに始まりました。これまでとは全く別の世界で新たに始まる物語です。春田は果たして、誰を選ぶのか、あるいは選ばないのか…。第1話「アテンションプリーズ」のレビューをお届けします。
<あらすじ>
バカでまっすぐでお人よしで情にあつい、独身ポンコツダメ男・春田創一は、35歳にして突然リストラ!? 途方に暮れていたところを、高校時代の後輩に救われ、空の仕事に転職。ピカピカのアラフォー男性CAとして、女の園に放り込まれ、新生活がスタートする。しかし、初日から大波乱が…
いやあ、面白かったです。声出して笑いました。
ドタバタあり。どんでん返しあり。今後に期待させる終わり方。こなれてきた感があります。
それでいて、春田のいい人エピソードがちゃんと描かれているので、そりゃあ惚れるよね、っていう説得力がありますよね。
不動産屋よりも航空業界のほうが、ゲイ的には見てて楽しいっていうのもあるかもしれません。そこはかとない「スチュワーデス物語」感…。
肝心の恋愛模様について、ですが、機長の黒澤武蔵(吉田鋼太郎さん)、副操縦士の成瀬竜(千葉雄大さん)、整備士の四宮要(戸次重幸さん)が新米CAの春田(田中圭さん)をめぐって「恋の乱気流」を巻き起こすというのは最初からわかっていたので(そうじゃないと「おっさんずラブ」が成立しないですよね)、誰がどのように告るのか、そして春田は誰を選ぶのか?というところが見どころになると思います。
予告編で、千葉雄大さんがはるたんにキスするシーンがあるので、てっきり黒澤部長…じゃなかった機長を差し置いて真っ先に告るのかと思いきや、そうではなく、予想を裏切られました。
成瀬(千葉雄大さん)は甘いマスクで女をたぶらかすようなキャラなのかと思って見ていたら…ああ、そういうことか、と(上手い見せ方ですね)。それはそれとして、ネットでは「ツンデレ」「ドS」などと書かれていますが、彼のキャラはツンデレっていう範疇を超えて、性格に難あり、イヤな奴じゃんって思います、今のところ。牧のように応援したくはならないかな…
対照的に、見た目は美形ではないかもしれないけど、四宮(戸次重幸さん)の方が、すごくいい人だし、幸せになってほしいなぁと思う人が多かったのでは? 寮に帰るとシノが料理を作ってて、はるたんそれに食いついて、ちょっとじゃれたりしつつ、仲良くご飯を食べるというシーンがありましたが、絶対これ『きのう何食べた』を意識してると思いました。
今のところ、前作で黒澤部長が大きな花束を抱えて「つきあってください!」と叫ぶシーンのような感動はないです。いろいろ見せ方が上手くなってる分、直球で不器用な純愛だからこその感動がなくなってしまっているのではないかという一抹の不安がよぎります…そうならないことを祈ります。
今までとは全く別の、新しい世界での物語。だからこそ、面白い部分もあるのかもしれませんが、去年のドラマ、そしてその延長線上にある今年の劇場版(映画)が本当によかっただけに、牧や、「チーン」っていうあの職場の独特な女性(伊藤修子さん)や、居酒屋の荒井兄妹(アンジャッシュ児嶋さん&内田理央さん)や、黒澤部長の奥さん(大塚寧々さん)がいないのが寂しい気もします。
全国のファンがこの新シリーズを待ちわびていたと見えて、Twitterでは放送前から「おっさんずラブinthesky」がトレンド入りし、ドラマ中盤で日本のトレンド1位を獲得、放送後の深夜0:20頃には世界のトレンド3位にまで急上昇したそうです。
数時間で5万件もの夥しいツイートがありました。「シノさんを応援したい」「牧がいないから見ない」「成瀬(千葉雄大)は冷めたキャラだけど、春田の人柄に触れて、本気で人を愛せるようになっていく過程が描かれるのではないか」「武蔵の心の声、最高」「千葉雄大はゲイのリアル小悪魔的な部分をうまく演じてると思う」「千葉くんが勝手にキスするのは、男だから許されるの?(セクハラじゃないの?)」などなど、ウンウンそうだよね、と共感するコメントもあれば、なるほど〜と感心させられるコメントもありました。
ともあれ、第2話以降も見守っていこうと思います。
もし第1話を見逃した!見たい!という方は、こちらでどうぞ。9日までだそうです。
土曜ナイトドラマ『おっさんずラブ-in the sky-』
テレビ朝日系
11月2日(土)〜
毎週土曜夜11時15分~0時5分
INDEX
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- 人間の「尊厳」と「愛」を問う濃密な舞台:PLAY/GROUND Creation『The Pride』
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- 近未来の台北・西門を舞台にしたポップでクィアでヅカ風味なシェイクスピア:映画『ロザリンドとオーランドー』(レインボー・リール東京2022)
- 獄中という極限状況でのゲイの純愛を描いた映画『大いなる自由』(レインボー・リール東京2022)
- トランスジェンダーの歴史とその語られ方について再考を迫るドキュメンタリー映画『アグネスを語ること』(レインボー・リール東京2022)
- 「第三の性」「文化の盗用」そして…1秒たりとも目が離せない映画『フィンランディア』(レインボー・リール東京2022)
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- 地下鉄で捨てられていた赤ちゃんを見つけ、家族として迎え入れることを決意したゲイカップルの実話を描いた絵本『ぼくらのサブウェイベイビー』
SCHEDULE
- 01.23LADY GAGA NIGHT







