REVIEW
ryuchellさんについて語り合う、涙、涙の番組『ボクらの時代 peco×SHELLY×ぺえ』
pecoさんが、あのこと以来初めてテレビに登場し、ryuchellさんへの思いを語りました。10月1日放送のフジテレビ「ボクらの時代」に出演し、ぺえさん、SHELLYさんといっしょに語り合いました。ryuchellさんがどんなに素晴らしい方だったかということも改めて、ひしひしと伝わってきましたし、ぺえさんの思いの熱さにも泣かされましたし、いろんな意味ですごい番組でした

10月1日に放送されたフジテレビの『ボクらの時代』という番組でpecoさん、ぺえさん、SHELLYさんが語り合いました。「ryuchellのことがあって、それ以来初めてテレビに出させていただく」というpecoさんの「私も大好きで、ryuchellも大好きでお世話になった2人」というリクエストで、今回の鼎談が実現したそうです。
X(twitter)でも話題になっていましたし、pecoさんの語りをしっかり受け止めようという気持ちで観たのですが、意外なところで…ぺえさんの、同じセクマイとしての語り、ryuchellさんが最後まで(LGBTQのことなどを)発信していたのに、自分はある時点からあきらめてしまっていたという後悔や、ryuchellさんへの思いを号泣しながら語る場面に、思わずもらい泣きしてしまいました。
もちろん、pecoさんが、りゅうちぇるさんがどんなに素晴らしい父親だったかということや、息子さんが今どんなふうにりゅうちぇるさんのいい部分を受け継いで、とてもいい子に育ったかということも語ってくれたことにも泣かされましたし、希望を感じさせました。
そして、SHELLYさんのLGBTQへの理解というか入れ込みようの強さ、深さに感嘆させられました。教育的な意味でも、すごい番組でした。
3人で、まるで世間話でもしているかのような空気感で始まったのに、本当に中身の濃い番組で、こんなに意味のある、すごい番組ってそうそうないだろうなと思いました。
ryuchellさんがなぜ亡くなってしまったのかということを深追いするのではなく、お通夜のようになったり、アンチの人々を恨んだりするのでもなく。「連帯」という言葉すら感じられるような、本当に素敵な3人の「友情」と、ryuchellさんへの愛でいっぱいな30分でした。
これ以上ないくらい素晴らしい人の突然の死というあまりにも深い喪失から立ち直るために、それぞれにとって必要な時間だったと思うのですが、人間らしさの回復と言いますか、LGBTQのことも大事なんだけど、もっと人として大事なことを伝えてくれるようなお話を、テレビの番組として見せてくれたこと、本当に感謝です。拍手。
こちらにも内容が詳しく掲載されていますが、ぜひ映像でご覧ください。TVerで8日朝まで配信中です。
INDEX
- 「すべての愛は気色悪い」下ネタ満載の抱腹絶倒ゲイ映画『ディックス!! ザ・ミュージカル』
- 『ボーイフレンド』のダイ(中井大)さんが出演した『日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった』第2話
- 安堂ホセさんの芥川賞受賞作品『DTOPIA』
- これまでにないクオリティの王道ゲイドラマ『あのときの僕らはまだ。』
- まるでゲイカップルのようだと評判と感動を呼んでいる映画『ロボット・ドリームズ』
- 多様な人たちが助け合って暮らす団地を描き、世の中捨てたもんじゃないと思えるほのぼのドラマ『団地のふたり』
- 夜の街に生きる女性たちへの讃歌であり、しっかりクィア映画でもある短編映画『Colors Under the Streetlights』
- シンディ・ローパーがなぜあんなに熱心にゲイを支援してきたかということがよくわかる胸熱ドキュメンタリー映画『シンディ・ローパー:レット・ザ・カナリア・シング』
- 映画上映会レポート:【赤色で思い出す…】Day With(out) Art 2024
- 心からの感謝を込めて――【スピンオフ】シンバシコイ物語 –少しだけその先へ−
- 劇団フライングステージ第50回公演『贋作・十二夜』@座・高円寺
- トランス男性を主演に迎え、当事者の日常や親子関係をリアルに描いた画期的な映画『息子と呼ぶ日まで』
- 最高!に素晴らしい多様性エンターテイメント映画「まつりのあとのあとのまつり『まぜこぜ一座殺人事件』」
- カンヌのクィア・パルムに輝いた名作映画『ジョイランド わたしの願い』
- 依存症の問題の深刻さをひしひしと感じさせる映画『ジョン・ガリアーノ 世界一愚かな天才デザイナー』
- アート展レポート:ジルとジョナ
- 一人のゲイの「虎語り」――性的マイノリティの視点から振り返る『虎に翼』
- アート展レポート:西瓜姉妹@六本木アートナイト
- ラベンダー狩りからエイズ禍まで…激動の時代の中で愛し合ったゲイたちを描いたドラマ『フェロー・トラベラーズ』
- 女性やクィアのために戦い、極悪人に正義の鉄槌を下すヒーローに快哉を叫びたくなる映画『モンキーマン』