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[最期の対談]大塚隆史×長谷川博史

3月7日、長谷川博史さんが亡くなる直前に大塚隆史(タック)さんと行なっていた対談の映像が公開されました。70年代のリアリティやゲイシーンのあれこれを体験してきたレジェンドによる対談、とても興味深いです

[最期の対談]大塚隆史×長谷川博史

 2022年3月7日に急逝した長谷川博史さんが、亡くなる直前に大塚隆史(タック)さんと行なっていた対談(プライドハウス東京「文化・歴史・アーカイブ」チームによる企画)の映像が、3月7日の命日に公開されました。
 前編は、性の目覚めのことが中心で、タックさんが小学校に上がるか上がらないかという頃から「うゆうゆ」をしていたのとは対照的に、意外にも長谷川さんは中学時代と遅くて、ゲイであるということも高校生になるまではっきりとはわからなくて、でも、からかったりせずに見守ってくれた高校の同級生のおかげでホモフォビアに直面することなく受容できた、といったお話が興味深かったです。
 後編はゲイ雑誌やタックさんのスネークマンショーのお話が中心です。タックさんが『MLMW(ムルム)』という70年代のオシャレ系ゲイ雑誌の編集に携わっていたお話や、長谷川さんが『バディ』や『G-men』の立ち上げにどんな思いを抱いていたかといったお話、『薔薇族』の内部事情なども語られています。

 お話はとても興味深いく、楽しかったのですが、長谷川さんの最期の姿を収めた映像なので、やはり手を合わせるような気持ちにさせられます。本当はこの後も、いろんなテーマで対談する予定だったのではないかと思うのですが、途中になってしまったようで、残念です。

 たいへんハイクオリティな映像で、字幕もついています(聞こえない人もお楽しみいただけます)。必要な用語に注釈が入っているのも親切です。
 前編、後編、合わせて2時間近くあるので、お時間あるときにでもぜひご覧ください。



【追記】
 JaNP+公式サイトの「故・長谷川博史さん 追悼メッセージ&思い出エピソード」でタックさんが、収録を終えて新宿駅で長谷川さんと別れた(それが最後のお別れとなった)ときのことを綴っています。地下鉄の中でゴボウのささがきの話をして、新宿駅で長谷川さんが降りて、タックさんはそのまま乗ってて、ホームの長谷川さんに手を振ると、とても優しい笑顔で手を振り返してくれて、「僕の脳裏に焼き付いた最後のイメージが、このなんとも言えない優しい笑顔だったのが僕には素晴らしい贈り物に」なったそうです。長谷川さんの人柄が偲ばれます。

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