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レポート:GRANDECO RAINBOW WEEKEND 2017

3月11日〜12日に福島・裏磐梯のグランデコスノーリゾートで開催された「GRANDECO RAINBOW WEEKEND 2017」。今年で3回目を迎えますが、参加者が倍々で増えて、今年は120名超の方がゲイナイト状態のパーティを楽しみました。東北からの胸熱レポートをお届けします。

レポート:GRANDECO RAINBOW WEEKEND 2017

2017年3月11日(土)~12日(日)の2日間、福島は裏磐梯のグランデコスノーリゾートで第3回を数える「GRANDECO RAINBOW WEEKEND 2017」が開催されました。参加者が倍々で増えて、今年は120名超の方がスキーやスノボー、ゲイナイト状態のパーティ、プールパーティ、露天風呂などを満喫しました。東北の皆さんの温かさに胸が熱くなりつつ、本当に楽しく過ごせた2日間のレポートをお届けします。(後藤純一)

 グランデコの金光弦太さんへのインタビューでもご紹介しましたが、この「GRANDECO RAINBOW WEEKEND」はもともと、3.11の後、(裏磐梯は特に大きな被害はなかったにもかかわらず)風評被害でお客さんが誰も来なくなったという苦い経験を経て、LGBTの方たちに足を運んでいただけないかということでIGLTA(国際ゲイ&レズビアン旅行協会)に加盟し、金光さんが台湾プライドツアーに参加して勉強したり、様々な準備を経て、Out Asia Travelとタッグを組んで実現したイベントでした。第1回はMEN ONLYで、グランデコの奥の宴会場を使って開催、第2回はLGBT MIXでスキーセンターのレストランで開催、今年も同様にスキーセンターのレストランで開催されました(会場が手狭だったため、レストランをエリア分けしていた仕切り板を撤去する工事をして、フロアを広くしてくださったそうです…このイベントのために)。そして今回はドラァグクィーンが3名、GOGO BOY2名、DJ2名という豪華キャストで、グランデコだけでなく裏磐梯ロイヤルホテルも使用して2会場からプランをいろいろ選べるようになり、また(例年の郡山からの送迎バスだけでなく)新宿からのチャーターバスもツアーに盛り込むなど、より大仕掛けで豪華なイベントになりました。
 

 新宿からのチャーターバス(クイーンさんやGOGOさんも乗っていました)は、Out Asia Travelさんがガイド役をつとめ、参加者の皆さんの自己紹介タイムもあって、アットホームな雰囲気でした。お昼頃にグランデコに到着し、パウダースノーのゲレンデに出てスキーやスノーボードを楽しみました(そして14時46分には黙祷)。今回は台湾など海外からのお客様もいらっしゃいましたが、スキーが初めてという方もインストラクター(英語対応)のレッスンで滑れるようになっていました。そして、レインボー3500というコースでは、コスプレイベントと合体させた「レインボートレイン」というイベントで大勢の方がレインボーフラッグを持って滑走し、楽しんでいらっしゃいました。

 18時からはスキーセンター内のレストランでゲイナイトチックなパーティがスタート。開場前から受付に長蛇の列ができていて、主催者の方が目を潤ませていました(全部で120名超の方が参加してくださったそうです)。toHruさん&Asakoさんのプレイするゴキゲンな音楽を聴きながら、洋食系から中華、カレー、デザートまで取り揃えたビュッフェ(バイキング)スタイルのディナーに舌鼓を打ちました。ドリンクも種類がたくさんあって(ソフトは飲み放題)、バーカウンター前は大にぎわいでした。
 19時にはショータイムがスタート。去年より会場を広く使い(100人ノっても大丈夫)、ステージも横に大きくなり、大勢が楽しめるようになっていました。トップバッターはGyuqoさん(曲はダイアナ・ロスの「The Boss」。個人的に大好きな曲なので、感激しました)。続いてPink Grapefruitさんの箸ショー(The Pussycat Dollsの「Hush Hush」に乗せて)。ヤンヤの喝采を浴びていました。KE1さん&SHUさんのGOGO BOYSショーには(おそらくGOGOを初めて見たのでしょう)女性の方たちも喜んで、盛んにチップをあげていました。
 踊って汗をかいた頃、仙台の「やろっこ」提供のタオルが配られました。20時のショータイムではプロメテウス・メーテルさんがクラシック・ゴージャスなショーで美しくステージを彩り、最後にGyuqoさんがライブっぽいショーを披露し、皆さんタオルを振り回してライブさながらの盛り上がりとなりました。
 それからゲイもレズビアンもストレートも、外国人の方や(今年はイギリス、オーストラリア、アメリカ、台湾、中国、インドネシアからも来られたそうです)裏磐梯観光協会の方など、実に多様な方たちが入り乱れて、中にはステージに上がっちゃう方もいたりして(とあるノンケ男性の方がシャツを脱いで踊っていたのですが、背中に「35億」と書いてあって、ウケました)盛り上がり、21時にフィナーレを迎え、全員(写ってよい方)で集合写真を撮って、熱気冷めやらぬなか、楽しいパーティはお開きとなりました。
 
 しかし、パーティはこれで終わりではありません。グランデコのホテルの中にある温水プールで恒例のプールパーティが開催されました。今年はLED照明が追加され、よりカラフルな空間に。Asakoさん制作の人気曲満載なHOUSE MIXを聴きながら、巨大なボールで遊んだり。今回素晴らしく楽しかったのは、みんなで一斉に同じ方向に歩く「流れるプール」をやったこと。浮いてるだけでどんどん進んでいく感覚が最高!でした。あったかいジャグジーも大にぎわいで、ガタイのいい方たちが密着するSEXY ZONEになっていました。
 とはいえプールにずっといるとさすがにちょっと寒くなってくるので、プールパーティ終了後はすぐ隣りの温泉露天風呂に移動し、体を温めました。露天風呂では雪見酒を楽しむ人たちもいて、周りの方たちにも振る舞ったりして、素敵な交流が生まれていました(個人的には、台湾のイケメンさんが露天風呂を満喫している姿が眼福でした。友人も同じだったようで、おかげでずっとお風呂につかっててのぼせそうになったと言ってました。笑)
 
 翌日は晴天に恵まれ(数日ぶりの快晴だったそうです)、皆さん、朝からゲレンデに出て、澄み渡る青空のもと、スキーやスノボーを楽しみました。たくさんのレインボーフラッグがたなびきました。
 帰りのバスでは酒盛りが始まり、宴会状態でとてもにぎやかな雰囲気でした。たとえ一人で来ていても友達ができたりしそうです。また参加したい!という声も多数(来年の日程はまだ決まっていませんが、すでに予約が入っているとのこと)でした。

 昨年のレポートでお伝えしたように、グランデコのスタッフの方たちが本当に快く迎えてくれて、まるで「おかえりなさい」と言っていただいているようなアットホームさでした。また、そんなスタッフの方たちが心からパーティを楽しんでいたのもうれしかったです。ドラァグクィーンやGOGO BOYが出演するクラブパーティというゲイカルチャーから「楽しい!」という実感を通じてフレンドリーな輪が広がっていく様は本当に素晴らしく、こんなに素敵なことはないと思いました。
 グランデコの金光さんのコメントをご紹介します。
「グランデコのスタッフも今回で3回目であることから、スムーズに打ち合わせや準備が進み、担当スタッフの数も増えて、屋外の雪像作りやキャンドル点灯においては駐車場のおじさんスタッフたちも「今夜なんかイベントあるんだべ?」と言いながら一生懸命手伝ってくれましたし、レストランスタッフは平日の日中から時間があるときに風船を膨らませてアーチを作ってくれたり、イベント会場のバーはホテルのレストランスタッフが担当し、昼間の屋外イベントはレンタルスタッフが担当し、リゾートあげてのイベントとなってきていることは何よりうれしいことです。そんなスタッフの中には、レインボーフラッグを上下逆につけたりで叱られる者もいましたが、スタッフ間でも徐々にこのイベントが毎年の普通のことになってきていることがよくわかりました(レインボーカラー逆になっている写真がありましたら許してください!)」
 ほかにも、このイベントのタイミングでゲイだとカミングアウトしたスタッフの方がいらっしゃいました。地元の若い方で、誰もゲイだと気づいてなかったみたいなのですが、勇気を出して。当日、彼はとても生き生きと楽しんでいました。それから、やはりグランデコのスタッフの方が、彼はストレートなのですが、LGBTの方がたくさん来られるのなら、と、女装?コスプレ?して参加していて、微笑ましかったです。

 もともと有名なスノーリゾートであるグランデコがこういうイベントをやるようになったのは、3.11の後、福島だというだけで誰も来なくなったという苦い経験からです。しかし、手探りでスタートして、LGBTフレンドリーですよと言ってもそうそう来てくれるわけではなく(初開催時は数十人規模…それでもとても楽しかったです)、上からNGが出たりもしたそうで、苦労があったのですが、3回目にして、こんなにたくさんの人が来てくれるようになったのは、感無量だと思います。
 金光さんからのコメントをさらにご紹介します。
「震災で痛手を負った東北の中の福島県ですが、この元気なイベントが年を重ねて大きく成長してきていることをうれしく思うと同時に、来年は冬期オリンピックの年ですので、スキー場で開催するレインボーイベントがもっと意味を持ってくると信じています。さらなる飛躍になればと思います。来年はぜひ200人入場を目指して準備をしていきたいと思います(来年の日程はまだ決まっていませんが、すでに予約をいただいている状況も初めてのことです)」
 
 読者の皆さんには、夏だけでなく、冬にもこういうお楽しみイベントがあるということをぜひ知っていただければと思います。普通にスキーに行くよりは、ゲイだらけのパーティなども楽しめた方がお得感がありますよね(しかも東北の復興支援のお役にも立てます)。来年はぜひ、参加してみてください。

☆GRANDECO RAINBOW WEEKEND 2017のフォトアルバムもご覧ください