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劇作家・活動家のラリー・クレイマーが78歳で同性婚

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右がラリー・クレイマー、左がパートナー
のデヴィッド・ウェブスター
 HIVウィルスが猛威を振るい始めた1980年代のニューヨークのゲイコミュニティを描く自伝的作品『The Normal Heart』を著した劇作家のラリー・クレイマーが、長年のパートナー、デヴィッド・ウェブスターと同性結婚しました。

 『The Normal Heart』は、1985年にオフブロードウェイで初演されてヒットしましたが、その後も幾度かリバイバル上演され、2011年にはブロードウェイにデビューし、同年のトニー賞最優秀リバイバル作品賞に輝きました。そして、『glee』のライアン・マーフィが昨年、この作品の映画化権を獲得し、現在、マーク・ラファロ(『キッズ・オールライト』)、ジュリア・ロバーツ、アレック・ボールドウィン、マット・ボマー、ジム・パーソンズらの出演が決定しています(製作にはもう少し時間がかかりそうです)。なお、この映画のためにクレイマー自身が脚本を執筆したそうです。

 また、ラリー・クレイマーは、1987年4月、「ニューヨークのような街で今、エイズが若い男女の最大の死亡原因になっているというのに、政府も社会も何もしようとしない。街頭で警鐘を鳴らすのを手伝ってほしい」と渾身の演説を行い、多くの人々の心を奮い立たせ、HIV/AIDSのことをダイレクトに社会に訴える団体「ACT UP(アクトアップ)」を立ち上げました。結成から2週間後、彼らはウォール街で、高額だったエイズ治療薬やアメリカ食品医薬品局に対する抗議運動を行い、それはアメリカのメディアに広く取り上げられ、「ACT UP」はサンフランシスコなどの国内各都市、さらには世界へと広がっていきました(映画祭でもドキュメンタリーが上映されたヴィト・ルッソも「ACT UP」で活躍しました)。そして、HIV陽性者、HIV/AIDS研究、そして大手製薬会社の関係を変え、さらにはエイズ患者と医療従事者の関係をも変える、重要な功績を残し、米国国立衛生研究所に対してエイズ研究にもっと投資するよう働きかけ、この結果、エイズ治療薬の認可が加速されることとなりました(1990年代半ばにはHAART という画期的な治療法が確立し、陽性者が生き延びることができるようになりました)

 このように、ラリー・クレイマーは、自身もHIV陽性者でありながら、たくさんの友人たちがエイズで亡くなっていくのを黙って見ていられず、何とか命を救いたいという一心で、舞台作品を書き上げ、仲間たちに呼びかけ、アメリカ社会(というより世界)を変えていった方です。彼は生きる「伝説」であり(『OUT』誌の2011年の「OUT100」特集号で「THE LEGEND」として表紙を飾っています)、現存する最も偉大なHIV活動家の一人なのです。

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 そんなラリー・クレイマーは1935年生まれで、御年78歳です。1970年代に建築事務所社長のデヴィッド・ウェブスターと出会い、90年代半ばからパートナーシップを続けてきました。
 クレイマーは2011年、ニューヨーク州で同性婚が認められたとき、「結婚防衛法がある限り、同性カップルはたとえ結婚してもわずかな権利しか得られず、それは『結婚ごっこ』のようなものにとどまる」と述べていました。が、今年6月、連邦最高裁が結婚防衛法を撤廃させるや「今こそ結婚するべき時だ」と決意したそうです。
 7月26日、『ニューヨークタイムズ』の結婚欄に、二人の写真が載りました(写真右上)。しかしそれは、タキシードを着てニッコリ微笑む典型的な結婚写真ではなく、病室のベッドに横たわり、鼻にチューブが刺さったラリーに、デヴィッドがキスしている、結婚欄としてはショッキングなものでした。
 二人は7月にグリニッジ・ヴィレッジのアパートの屋上で結婚式を行う予定でしたが、クレイマーが突然危篤となり、延期を余儀なくされていました。
「ラリーが入院したとき、私は旅行に行ってたんだ。私が戻って、彼が話せるようになったとき、彼は私に20人の人々をICUに招待したから、と言った。彼のベッドの横で小さなパーティをやることになったんだ」と、ウェブスターは『ニューヨークタイムズ』に語りました。二人はカルティエの指輪を交換し、お決まりの誓いの言葉の代わりに、心からの気持ちを語ったといいます。「ラリーに台本なんて必要あるかい?」


Larry Kramer & David Webster Married(OUT.com)
http://www.out.com/out-exclusives/wedding-guide/vows/2013/07/29/larry-kramer-david-webster-married

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