COLUMN
コラム:セクシュアルヘルス 2026年夏
8月第2週に開催される「AIDS文化フォーラム in 横浜」のことを中心に、流行が懸念されるA型肝炎のことや、全国各地のコミュニティセンターの催しなどをご紹介します

AIDS文化フォーラム in 横浜 2026
1994年に横浜エイズ国際会議が開催された際、市民が気軽に参加できるような草の根の市民版エイズフォーラムとして「AIDS文化フォーラム」が立ち上げられ、講演会や交流会、陽性者のパフォーマンスなどが行なわれました。これ以降、AIDS文化フォーラムin横浜は毎年開催され続け(コロナ禍の間も)、今年で33回目を迎えます。誰もが参加でき、セクシュアリティ、依存症、教育、国際など、多様なテーマで発表・展示・交流が行なわれるオープンマインドでカジュアルな「文化」イベントです。HIVに関するイベントの常として、ゲイの方たちもたくさん登場します。
AIDS文化フォーラム in 横浜 2026
日程:2026年8月7日(金)~9日(日)
会場:かながわ県民センター(JR横浜駅西口より徒歩5分)
参加無料 
以下、主な催しをピックアップしてご紹介します(7日はドラァグのお話もドラッグのお話もあります。面白いですね)
★8/7 13:00- @303号室
ドラァグクイーンに学ぶ『自分を大事にする』おはなし
「ハジける個性とメイクで変身! ドラァグクイーン直伝・ブレない私の見つけ方」というキャッチコピーのトーク企画。ラビアナ・ラベイジャさんが講師をつとめます。
※要事前予約(予約はこちらから)
★8/7 13:00- @305号室
依存症とカミングアウト
ドラッグ、アルコール、窃盗…多様な依存の当事者がカミングアウトのいらない社会についてトークします。『カミングアウトジャーニー』の福正大輔さん、元ドラッグユーザーの随筆家でパンセクシュアルの風間暁さん、摂食障害・クレプトマニア(窃盗症)当事者でFtXの高橋悠さんが登壇します。
★8/7 15:30- @2Fホール
薬物・依存症の「文化」を考える
AIDS文化フォーラム in 横浜では長年、薬物依存症、薬物使用の問題を考えてきました。啓発で「ダメ絶対」が当たり前のように繰り返されていますが、それでは「ダメ」ということも学んできました。当初から大切にしてきた「文化」という視点で、あらためて薬物のみならず様々な依存症について考えます。精神科医の松本俊彦さん、元NHKアナウンサーの塚本堅一さん、医師のピースさん、運営の岩室紳也さんが登壇します。(2020年にこの場で行なわれた「私たちを分断する様々な「ダメ。ゼッタイ。」」をレポートしています。ご参考になさってください)
★8/8 15:30- @2Fホール
映画「じぶん、まる! いっぽのはなし」
セクシュアルマイノリティとされている子どもたちと、すべての子どもたちに「じぶん、まる!」を届ける活動を続ける田中一歩さんを追ったドキュメンタリー映画です。上映後、NPO法人SHIPの星野慎二さんが日頃の活動と子どもたちの現状についてお話してくださいます。(無料ですが、座席に限りがございます。満席の場合は入場できませんので、予めご了承ください。なお、ご予約は受け付けておりません)
★8/8 15:30- @303号室
HIV陽性者の老後とお金と法律のこと
長期延命時代に、HIV陽性者も、パートナーも、支援者も、老後・法律・お金のいま知っておきたいこと。NPO法人パープル・ハンズがお届けします。
A型肝炎の流行が懸念されています
HIVマップに掲載された「A型肝炎が性感染症だって知ってますか?男性同士のセックスで、国内外で繰り返し大流行が起きている!」によると、昨年から今年にかけて台湾でA型肝炎の流行が起きていて、約10年前のA型肝炎の流行(2015年~2017年にかけて台湾のMSMの間でA型肝炎の大流行があり、日本でも2018年に大流行しました)の流れからすると今後日本でも流行する可能性が…ということで、注意が必要な状況にあると考えられています(今年に入って日本での感染報告が増加しており、その多くが男性間の性的接触によるものだそうです)
A型肝炎は「糞口感染」します。アナルリミング(ケツ舐め)や、肛門に触れたたペニスをなめる、肛門に触れた指をなめる、などがあると感染します。A型肝炎ウイルスは感染力が高いため、肛門から、手・指・ペニスなどを通して、ほんの微量の便が口に入っただけで感染が成立します。
予防には、①ワクチンを接種する、②衛生的なセックスをこころがける、の2つが重要です。
梅毒が依然として流行中
数年前から流行している梅毒ですが、依然として流行が続いています。東京都では、国立競技場や繁華街のデジタルビジョンで啓発を行なったり、団体や都内保健所と連携してポスターを掲出するなどして普及啓発を行なっています。(東京都の昨年の梅毒集中啓発の取組みについてのニュースはこちら)
なお、梅毒はPrEPでは防げませんが、Doxy-PEP(ドキシペップ)という予防法によってかなりの確率で防ぐことができます。こちらの動画をご覧ください。
【追悼】長年HIV診療に携わってきた根岸昌功さん
前都立駒込病院感染症科部長/ねぎし内科診療所院長の根岸昌功(ねぎしまさよし)さんが6月23日、がんで亡くなりました。83歳でした。
根岸先生は、1985年という初期の頃から都立駒込病院でHIV診療に携わるようになり(ゲイ・バイセクシュアル男性のHIV陽性者で根岸さんにお世話になった方も多いのではないでしょうか)、それだけでなくNPO法人エイズ&ソサエティ研究会議の代表や認定NPO法人ぷれいす東京の理事として、HIV陽性者に対するスティグマと差別の解消に向けた啓発活動や政策提言なども積極的に行なってきました。駒込病院を退職した後に自身で診療所を開設したのも、HIV陽性者が働きながら治療を続けられるよう土日に診察を受けられる条件を整えるのが目的でした。
ぷれいす東京の公式サイトに開設された歴史アーカイブプロジェクトには、昨年収録された根岸先生のインタビュー動画「HIV/エイズ医療現場の最前線で活動してきたことを振り返って」が公開されています。
(東京都エイズ通信第228号「TOP-HAT News」より)
HIV陽性者のための老後準備ガイド
8月29日(土)、名古屋医療センターで「HIV陽性者のための老後準備ガイド」という勉強会が開催されます(オンライン配信もあり)。65歳で大慌てしたおひとりさまHIV陽性者ゲイの『介護・医療制度』乗り越え記~親の介護・看取りそして相続、年金受給と同時にやってきた制度変更の嵐まで、僕のリアルな10年~というオープニングトーク、「『HIV+高齢者』のQOL(生活の質)を高める:生活習慣病管理から介護の視点まで」「50代以上のゲイ・バイセクシュアル男性の高齢期の不安、希望する介護サービス 2025年調査から」など、たいへん興味深い、ためになりそうな内容です。HIV陽性者、医療従事者・支援者のみなさん、ぜひご参加ください。
10年後、20年後の自分を支える。~HIV陽性者のための老後準備ガイド~
ハイブリッド開催
日時:2026年8月29日(土)14:00-17:00
会場:名古屋医療センター | YouTube LIVE配信(限定公開)
対象:HIV陽性者、医療従事者・支援者
無料
詳細・申込みはこちら
主催:HIV陽性者支援団体LIFE東海
共催:認定NPO法人ぷれいす東京
協力:日本HIV陽性者ネットワーク・ジャンププラス
全国各地のトピック
全国各地のコミュニティセンターや団体の、この8月の動きやトピックをご紹介します。
★ZEL(仙台)
8月のコミュニティセンターZELは花火見物、アンダーウェアパーティ、おやつを食べる会など、楽しそうなイベントが盛りだくさんです。また、8月1日からHIV・梅毒郵送検査キットの無料配布を行ないます(詳細はこちら)
★akta(二丁目)
毎週いろんなイベントが開催されています!(詳細はこちら)
★rise(名古屋)
8月のJOINT→は「ゲイナイトへ行こう」です。risesに集合してみんなで「Gay Spiral」へ行きます。
★dista(大阪)
ウリ専など、セックスワークをテーマにした展示会「PINK!」が開催中です。働き方・悩み・たのしみ・性の健康まで、当事者のリアルな声を展示します(詳細はこちら)
★カラフルドットライフSH部門(中四国)
中四国在住のゲイ・バイセクシュアル男性やトランスジェンダーを対象としたゆうそう検査キャンペーンがスタートしました。アンケートに回答してくださった方に無料で配布します(詳細はこちら)
★haco(福岡)
8月は「モヤとる会」というかき氷パーティなど、いろんなイベントが開催されます。北九州市でHIV/梅毒の郵送検査がスタートしたそうです。詳しくはhacoの公式サイトをご覧ください。
★mabui(沖縄)
HIV&梅毒の検査キットが550円で受けとれるキャンペーンが実施中です(詳細はこちら)
INDEX
- コラム:セクシュアルヘルス 2026年夏
- 2026年6月のHIV検査キャンペーン
- 4月から上京するみなさんに贈る言葉
- 世界エイズデー2025のキャンペーン
- 差別について考える――自分自身が加担してしまわないように
- ゲイの孤独と「社会的健康」
- 2025年6月のHIV検査キャンペーン
- 教えて先生! 実践的SAFER SEX(1)セックスその前に
- 2024年を振り返る(3)海外の動き
- 2024年を振り返って(2)実はいろいろあったスゴいこと
- 2024年を振り返って(1)同性婚実現への希望
- 世界エイズデー2024のキャンペーン
- ゲイの世界におけるルッキズムとは?
- 2024年6月のHIV検査キャンペーン
- TVドラマ史上最もLGBTQが花盛りだった2024年1月クールを振り返って
- 2023年の世界エイズデーキャンペーン
- エムポックス(サル痘)のワクチン接種について
- 2023年6月のHIV検査キャンペーン
- サル痘(mpox)が感染拡大しています。予防に努め、みんなで力を合わせて感染拡大を防いでいきましょう
- PrEPユーザーのリアリティ――2022年の現在地
SCHEDULE
- 08.01SPARTANS TOKYO
- 08.01なまってナイト -BON DANCE-
- 08.01REAL TIME vol.2
- 08.02Miss International Queen Japan






