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ゲイ用語の基礎知識

Living Together(リビング・トゥギャザー)

 最近まで世間で「エイズ撲滅」という言葉が頻繁に用いられていたように、HIV/エイズにはどこか「かかったらおしまい」といったイメージがつきまとっており、HIV予防啓発にもそのような意味合いの標語が数多く見られました。
 しかし、恐怖心を植え付けるだけでは予防は決して成功しない(検査に行く人も決して増えない)という海外の研究結果もあり、HIV陽性者が数多く暮らしているゲイコミュニティの中で、もっとHIV陽性者への共感を示しながら予防啓発のメッセージを打ち出すことはできないか、ということで、2004年頃からぷれいす東京とRainbow Ringが共同で生み出したのが「Living Together」というプロジェクトです。

 「Living Together」の手法は、(まだまだ偏見が根強いため)顔出しで語ることの難しいHIV陽性者に代わり、彼らが書いた手記を集め、その友人たちが代わりに手記を朗読するというもの。陽性者のリアルな体験や思いを聞くことで、HIV陽性者が身近にたくさんいること、決して他人事ではないということを感じてもらい、同時に陽性者への共感を導き、ひいては予防にもつながるような、素晴らしい発明でした。
 二丁目のクラブで手記リーディングのイベント「Living Together Lounge」が定期的に開催されるようになり、やがてTOKYO FM主催で有名人が陽性者の手記を朗読するイベントなども行われるようになり、第20回日本エイズ学会のテーマが「Living Together」になり、Yahoo!の世界エイズデー特集でも取り上げられ…といったように、二丁目発の「Living Together」は今や、世間にも広がりを見せています。

 「Living Together」は今後、HIV予防啓発のグローバルスタンダードにもなりうる、とも言われています。

 

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