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レポート:明石プライドパレード2020
2020年11月15日(日)、兵庫県明石市で開催された明石プライドパレード2020のレポートをお届けします。
![レポート:明石プライドパレード2020 レポート:明石プライドパレード2020](assets/images/NEWS2020/Japan/Akashi/akashi_parade2.jpg)
2020年11月15日(日)、兵庫県明石市で第2回明石プライドパレードが開催され、青空の下、県内外から68名の方が参加しました。出発前にはLGBT支援に力を入れている泉市長もご来場し、参加者のみなさんに向けてご挨拶しました。今年リアル開催される貴重なパレードとなりました。レポートをお届けします。(後藤純一)
明石市では昨年11月、市が同性パートナーシップ証明制度の導入を発表したことを受けて、明石市や姫路市の団体が共同で明石プライドパレードを初開催し(詳細はこちら)、県内外から約90名が参加しました。泉房穂市長から祝辞が寄せられ、全文が読み上げられました。パレードを「歴史的に大きな一歩」と位置づけ、「課題を整理し、来年度中には新たな制度の創設につなげたい」とのメッセージでした。
その後、明石市は全国で初めてLGBT支援の専門職員を公募することを発表し、今年4月から「ソラニジ・アカシ」前代表の高橋朗(あき)さんと、LGBT法連合会事務局長代理などを務めてきた増原裕子さんが就任しました。
そして今年9月、パレード開催がアナウンスされました。コロナ禍で全国のほとんどのパレードが中止またはオンライン開催となってきましたが、「今コロナ禍にあって、孤独を耐えている人たちがたくさんいます。社会の中で、常に差別や偏見に耐えて生きているLGBTQ+の多くは一層不安を感じる日々が続いているのではないかと思います」との思いで、明石・姫路のコミュニティのみなさんは、コロナ感染予防の対策をとりながらの開催を決めたのでした(9月時点で明石市はほとんど感染が広がっていなかったことや、おそらくは市長さんの後押しもあってのことではないかと思われます)
仕事の都合で今年、札幌のパレードに行けなかった私は、このままだと2020年、1つもパレードに参加せずに終わってしまう、明石にはぜひ行きたい、という思いと、姫路の友人が始めたコミュニティスペース「そらにじひめじ」にもこの機会に行きたい(行くなら今だ)という思いと、たまたま10月末で有効期限を迎えるマイルがあったので使ってしまいたい(これはきっと神様が行けと言ってるに違いない)、今年は旅行もずっと自粛してたけどパレードだけはいいよね?といった思いの交錯の結果、行くことを決めました。
パレード当日は、ちょっと暑いくらいの晴天。絶好のパレード日和でした。
偶然(奇跡的に)新快速に乗り合わせたVENさんと、有名な明石焼きのお店で玉子焼(という名の明石焼)とおでんをいただき、意気揚々と明石公園に向かいました。
屋外イベントではありますが、マスク着用、ソーシャルディスタンスのほか、兵庫県新型コロナ追跡システムのLINE登録が求められるなど、徹底した感染対策がとられていました。
出発に先立ち、来年4月4日に京都でのパレード開催を決定した「そらにじ京都」の方がスピーチしたり、サプライズでそらにじ青森のお二人が電話でメッセージを話したりしました。そこに明石市の泉市長もご来場しました(ピンクのネクタイを締めていました。LGBTQにとってのピンクの意味を学んでいたのでしょう)。昨年はメッセージの代読でしたが、今年は自ら会場に足を運んでくれたのです。
泉市長は「本日お集まりいただいたみなさんに、心からの敬意を表し、お礼を申し上げます」とご挨拶しました。
「明石市パートナーシップ制度を来年1月の導入に向けて最終的な調整をしているところであります。全国に広がっており、決して早い方ではありませんが、強い思いをこめてしっかりやっていきたいと思っております。その際、特に意識したいことのひとつは、少数者の人権にとどまることではなくて、すべての人の生き方の問題につながる、自らをどのようにしていくのか、自らをどのように表現していくのか、誰を好きになるのか、ならないのか、そういう生き方が問われる問題だと思っております」(「好きにならない」という言葉にアセクシュアルの方への配慮も感じられ、素晴らしいと思いました)
さすがはLGBT支援の専門職員を公募するだけのことはある、本気さが伝わってくるようなメッセージでした。
間隔をあけて整列した後、13時半、「そらにじひめじ」のだいすけさんが背負っているスピーカーからアリアナ・グランデの「Break Free」が流れ、明石プライドパレードが出発しました(近くでダンスの練習をしていた小学生たちがワーッ!と歓声をあげていました)
主催のソラニジ・アカシさんがメッセージを読み上げ、大きなフラッグを掲げて歩く方や、レインボーカラーのマスクをしている方や(「そらにじひめじ」の方たちのレインボーマスクには大坂なおみさんのような、アメリカの亡くなった黒人の方のお名前が刺繍されていて、素晴らしいと思いました)、車椅子の方や、いろんな方が、駅前や商店街を数kmにわたって行進しました(音楽はレディ・ガガの「Born this way」になったり、リアーナの「We Found Love」になったり。あとDoja Catの「Say So」とか。好きな曲ばかりでアガりました)
車道ではなく、歩道を歩くかたちでしたが(それでも警察官の方が何人も交通整理に当たっていました)、とにかく天気がよかったので、気持ちよく、晴れやかな気持ちで歩けました。明石公園に戻ったあと、密を避けるため、集合写真は撮らずに解散となりました(来年は集合写真が撮れるといいですね)
コロナ禍以降、世界的に、リアル開催のパレードはほとんどなくなりましたが、さっぽろレインボープライド、宮崎レインボーパレードに続き、こうして今回の明石プライドパレードが奇跡的に開催され、パレードの灯が絶えたりせず、希望がつながったこと、本当によかったと思います。参加した全国のパレードファンの方たちからも、感謝の声が聞こえてきました。
主催者のみなさん、おつかれさまでした。ありがとうございました。
★明石プライドパレード2020のフォトアルバムはこちら
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