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レポート:GO 20’ Next!〜aktaのこれまで、これから展

二丁目のコミュニティセンターaktaで開催されている展覧会が素晴らしいです。立体作品で触って動かすこともできたり、コメントを書いて参加することもできたりします。ぜひaktaの20年のお祝いにご参加ください

レポート:GO 20’ Next!〜aktaのこれまで、これから展

コミュニティセンターaktaで3月31日まで「GO 20’ Next!〜aktaのこれまで、これから展」という、aktaの20年の歩みを、ゲイシーンや街の変化とともに振り返るような、そしてaktaの未来をも見据えるようなポップで楽しい展覧会が開催されています。レポートをお届けします。(文:後藤純一)






 otokonokotoさんがイラストを、「極私的梅毒展」のコケ丸さんが制作を担当していて、アート展としてのクオリティも素晴らしかったです。なかでも、出会い系アプリを模した、スマホでいろんなタイプの男性のプロフ画像をスワイプできる(うち1枚は鏡になっている)箱が秀逸です。自身の体験や、aktaでの思い出などを旗の形のメモに書いて立てることもできます。参加型アートです。

 少しakta以前の歴史を補足させていただくと、90年代末にも二丁目では、ぷれいす東京が啓発の冊子を制作したり、長谷川博史さんがゲイバーの方たちに呼びかけて「project.com」というコンドーム配布の活動を始めたり、MASH東京という団体が「九州男」で毎月「STD勉強会」というイベントを開催したり、AIDSケアプロジェクトが「GAMOS」で「GRATIA」というクラブイベントを開催したり、ぷれいす東京が新宿2丁目(新宿御苑前)のイベントスペースで「お楽しみ演芸会」というイベントを開催したり、様々な動きがありました。それでも、ゲイコミュニティ内でもまだまだHIV陽性者への偏見もあり、怖くて検査を受けられないような方もいました(世間のエイズフォビアは相当に根深いものがあり、コミュニティの人たちも恐怖心を払拭しきれずにいたのです)。2000年代に入って、どうしたらもっとコミュニティの人たちにメッセージを届けられるだろうか、というところで張由紀夫さんを中心にRainbow Ringという団体が立ち上げられ、aktaというコミュニティセンターができ、ゲイ雑誌で人気のモデルさんやクラブシーンで人気な方などを起用したポスターやパンフレット、目を引くデザインのコンドームなどがたくさん作られ、ツナギを着た男の子たちがゲイバーにコンドームを配り(彼らが『バディ』誌に載ったりもして)、楽しくカッコいいイメージのHIV予防啓発活動を展開していきました。そして2004〜2005年頃、ぷれいす東京と協働して「Living Together」という画期的な手法を生み出すことになったのです。
 今回の展覧会を見ると、Rainbow Ring/akta創世期の、ああでもないこうでもないと頭をひねったり熱く議論したりしていたあの頃の記憶がまざまざとよみがえりますし、ボランティアでかかわってくれたたくさんの人たちにあらためて感謝したい気持ちにもなりましたし、なんかあの頃は青春だったなぁと思いました。
 一時期はラウンジパーティとか、フリマとか、トークイベントとか、いろんなイベントもやっていましたし、aktaでの思い出がある方、とても多いと思うんですよね。この時、こんな出来事があったよ、とか、昔ボランティアしてました、とか、何かメモを残してみると、リアクションがあったりするかもしれません(掲示板的な)。20年経って「中の人」やなんかは変わったかもしれませんが、(バーやクラブがそうであるように)aktaという場所に、あの場所を作った人たちやそこに出入りして活動に携わった人たちの思いは息づいている――そんなことを感じさせてくれる展覧会でした。
 
 
GO 20’ Next!〜aktaのこれまで、これから展
会期:1月27日〜3月31日
会場:コミュニティセンターakta
開館時間:木~日曜 15-21時

※2月25日(日)17時〜は「Living Togetherbのど自慢」もありますので、ぜひ二丁目へ!

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