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「FIVE BIRDS」上映会@名古屋ちくわ映画祭

5月30日(土)31日(日)の2日間、名古屋ナディアパーク内の貸し会議室で開催された「名古屋ちくわ映画祭」の上映作品の中から、新作の特別上映となった「FIVE BIRDS」の上映会の模様をレポートします。SFチックで戦隊ヒーローオマージュな青春映画でした

「FIVE BIRDS」上映会@名古屋ちくわ映画祭

 映画『幸運の犬』がレインボー・リール東京で上映されたほか、一昨年、昨年と岡山レインボーフェスタに参加し、イベントを盛り上げてくれたちくわフィルムのみなさんが、満を持して今年のNLGR+に初参加しました。オヤジアイドルグループ「PON☆STAR」がNLGR+1日目のトリを飾り、全国から集まった大勢のファンのみなさんに見守られながら「HYPER LUCKY DADDY」「ULTRA MONSTER」「SNOW ROMANCE」「GOLDEN AGE」といったPON☆STARがこれまで発表してきた名曲の数々を披露し、その後、池田公園近くのTHROB BARで開催された「オジラブ」にも出演し、会場を盛り上げました。併せてNLGR+の土日の2日間、ナディアパーク内の貸し会議室で「名古屋ちくわ映画祭」やファンアート展を開催したりもしていました。おそらくこうしたちくわフィルムのみなさんの出演やイベントを目当てに名古屋に来られた方たちも多かったと思います。
(※ちくわフィルムやPON☆STARについてはこちらをご覧ください)
 私は「オジラブ」の取材の際に、まちょ監督から「FIVE BIRDS」をぜひ観てほしいとお声がけいただいていて、ちょうどその頃、池田公園で1時間くらいブレイクがあったので、「FIVE BIRDS」だけ観に行かせていただきました。上映会の模様のレポートをお届けします。
  
<あらすじ>
ショッピングモールで戦隊ヒーローショーに出演している5人は、最近すっかり人気が低迷し、悩んでいる。応援してくれてるのはヒゲポンだけ。ゲンキはそんなチームをなんとか盛り立てようとするが、事務所の社長から打ち切りを告げられ…。一方、宇宙の彼方から、気に入らない星を破壊する悪魔・ガラの乗った宇宙船が、地球に近づいてきていた。果たして地球の平和は守られるのか? ゲンキたちの明日はどっちだ?

 池田公園から大急ぎでナディアパーク(2階のアトリウムが2016年の虹色どまんなかパレードで使用されてました)に向かったのですが、会場の貸し会議室じゃないデザインセンターのほうに行ってしまったりして、遅れて到着。すると、会議室からPON☆STARのメンバーが出てこられて、上映前に何かアトラクションがあったのか…見れなくて残念、と思いました。映画の上映には間に合ったので、よかったです。

 「FIVE BIRDS」はちくわフィルムには珍しくSF要素満載な(こういう『スターウォーズ』みたいな感じって初めてでは?)戦隊ヒーローにオマージュを捧げた青春映画でした。GENKIMANさん(レッド)、YUTAさん(ブルー)、DEBUSSYさん(イエロー)、Agoさん(ブラック)、AYUさん(ピンク)の「FIVE BIRDS」は、町のショッピングモールとかでヒーローショーをやっているのですが、いまどきは子どもたちにも振り向いてもらえず、席はガラガラ。ヒゲポンさんだけが最前列で熱心に応援しています。リーダーのゲンキは事務所の社長から解雇を告げられ、メンバーに何と言えばよいか…と落ち込んでいます。一方、宇宙の彼方から、気に入らない星を次々に破壊してしまう悪魔の申し子・ガラを乗せた宇宙船が地球に近づいてきていて、地球が滅亡の危機に…。僕は5人が何かスーパーパワーを発揮してガラを撃退し、本物の正義のヒーローになるという展開を想像していたのですが、全く違っていて、実にちくわ的でゲイチック(ロマンチック?)でした。そして、果たして5人でヒーローショーを続けていけるのか?というテーマをめぐっては、超人的な解決法はなく、決してハッピーエンドとは言えない終わり方だったかもしれませんが、現実世界を生きるぼくらへの確かな愛のこもったメッセージが届けられていたと思います。
 GENKIMANさんお得意のピチピチ全身タイツのセクシーさ、5人のヒーローのうちのピンクをAYUさんが担当している素敵さ、GARAさんが俳優として一皮剥けたというか新境地を見せていたり、珍しくKOJIさんが悪役を演じていたり(見た目キャプテンハーロックみたいになってました)という、ファンの方たちが喜ぶ要素が満載な作品でした。

 30分ちょっとの短編でしたが、上映後、超満員の観客を前に、出演者の方たちが登場し(司会はマイクさん&チェンさん)、舞台挨拶が行なわれました。GENKIMANさんが潤んだ目で「永遠ってない。仲間とこうして楽しいことをやれる日々がいつ終わるかもわからない。だから一瞬一瞬を大切に生きよう」と語っていて、グッときました。(昨今、ゲイシーンでは長年活躍してきた方の引退が相次いでいますが)クラブイベントにしても何にしても、必ず終わる時が来るし、それはゲイの世界に限らずすべてに通じることで、オヤジ世代であればなおさらそういうことが身に沁みて切実に感じられます。だから仲間たちと一緒に今日を精一杯やろうというのは、本当にそうだな、と思います。
  
 2年前に岡山で『髭桜』上映会に参加して感じるようになったのは、ちくわのみなさんの「人情」とか、仲間への熱い思いでした。考えてみれば、映画も一貫して観客を勇気づけるような温かさを感じさせる作品でしたし、そこに出演してきた方たちも同じ思いを持っている様子が窺えました(GENKIMANさんがいつも泣いてる印象)。そもそもPON☆STARもオヤジ世代を勇気づけるアイドルですものね。映画にしてもライブにしても、一部、クオリティを揶揄するような声も聞こえてきますけれども、本質はそこじゃないというか、そう言う方はきっと、50代とかになって二丁目で相手にされなくなったり、彼氏ができなくて孤独を噛み締めたり、絶望して死にたいと思ったりした経験がない方なんだろうな…と思います。
 あまり俳優の方たちとちゃんとお話したことはないのですが、たぶんそういう同じゲイの仲間(特にオヤジ世代)にエールを送ろうとする姿勢や思いを同じくする方たちなんだと思います。なので、ちくわの俳優やアイドルのみなさんには、多少演技がまずくても、振付を間違えても、舌足らずでもいいから、一生懸命頑張る姿勢や、温かさや人情味こそを大事にしてほしいな、と思います(生意気かもしれませんが)。そういうところこそがみんなに「希望」を与えるんじゃないでしょうか。
 
 映画祭には1時間もいられなかったので、現場では見れなかったのですが、「FIVE BIRDS」の舞台挨拶の後、ちくわアカデミー賞授賞式があって、『幸運の犬』が「作品賞」「ベストシーン賞」に選ばれていました(「助演俳優賞」「主演俳優賞」もヒゲポンさんだったので、4冠(総なめ)ですね。おめでとうございます)
 今後もいい作品を期待します。ありがとうございます。

(後藤純一)

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