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レポート:金沢プライドウィーク2026

2026年10月2日〜4日に金沢で開催された金沢プライドウィーク2026のレポートをお届けします

レポート:金沢プライドウィーク2026

 金沢のプライドイベントが素敵なのは、小京都的な街の観光やゲイバーでのひとときなども楽しみつつ、伝統産業とコラボしたさまざまな催しも楽しめたり、豪華ゲストが出演するトークイベント(前夜祭)やパレードなど、3日間にわたって様々な催しを満喫できることです。駅前のハイアットさんが協力してくれて豪華な会場でのイベントが楽しめますし、金沢という街の特性を最大限に活かしたエンタメ感のあるプライドイベントになっています。そんな金沢プライドウィーク、今年はなんと、2023年に開催されたHIV予防啓発のGAY MIXクラブパーティ『UPDATE!?』も開催され、いつも以上にお楽しみがギュッと詰まった3日間になりました。レポートをお届けします。

<参考記事>
金沢プライドウィーク(1)パレード前日のイベント
https://gladxx.jp/features/2021/scene/7445.html
レポート:金沢プライドウィーク(2)プライドパレード
https://gladxx.jp/features/2021/scene/7446.html
レポート:金沢プライドウィーク2022(1)豪華ゲストのトークイベント
https://gladxx.jp/features/2022/scene/8108.html
金沢プライドウィーク2022(2)素晴らしかったパレード
https://gladxx.jp/features/2022/scene/8112.html
レポート:金沢プライドウィーク2022(3)金沢の伝統文化を楽しむ体験・ツアー
https://gladxx.jp/features/2022/scene/8113.html
レポート:金沢プライドウィーク2023(1)パレード前夜祭
https://gladxx.jp/features/2023/scene/8981.html
レポート:金沢プライドウィーク2023(2)プライドパレード
https://gladxx.jp/features/2023/scene/8983.html
レポート:金沢プライドウィーク(1)石川でも「結婚の平等にYES!」
https://gladxx.jp/features/2024/scene/9746.html
レポート:金沢プライドウィーク(2)金沢プライドパレード
https://gladxx.jp/features/2024/scene/9760.html
レポート:金沢のクラブパーティ『UPDATE!?』
https://gladxx.jp/features/2023/scene/8442.html
ゲイ旅コラム:金沢
https://gladxx.jp/travel/2021/7528.html



10月2日(金)
UPDATE!?

 3年前に初開催されたHIV/STI啓発を趣旨としたGAY MIXクラブパーティ『UPDATE!?』の第2弾が、今年の金沢プライドウィークのオープニング的なイベントになりました。
 東京から素晴らしいゲストの方たちが集結し、地元・金沢のゲイバー「POWER BOMB」のスタッフさんによるダンスパフォーマンスなども披露され、金沢でのひさしぶりのGAY MIXクラブイベントとしてたいへん盛り上がりました。ぷれいす東京の生島さんとジョソラジのみなさんがPrEPなど今のHIV予防のトピックについてお話するなど、予防啓発の時間も盛り込まれました。
(こちらのイベントについては、改めて別記事で詳しくレポートします)
 

10月3日(土)
結婚の平等にYES!トークイベント

 昼間は金沢21世紀美術館・松濤庵で招待制の「金沢レインボー茶会」が開かれ、ブルボンヌさんらも参加しました(その様子はこちら)
 記者会見では、プログレスプライドフラッグについて説明され、11色の加賀友禅の着物を着た11人の方たちが並びました。共同代表の松中さんは「北陸は、性的マイノリティに対する差別偏見が色濃く残っている」「さまざまな入り口を準備して楽しんでいただきながら、性の多様性を学んでいただけるようなウィークに出来れば」と語りました(こちらの報道より)

 そして17時半からは金沢駅西口の「ハイアット ハウス 金沢 3F Hレストラン」で「結婚の平等にYES!トークイベント」が開催されました。会場には大きなレインボーフラッグが掲示されていたり、「結婚の平等にYES!」パネル展も行なわれていたりしました。最初の30分で、司会の小島慶子さん、共同代表の松中さんやダイアナさんの方から、この日の昼間のお茶会や記者会見のこと、今年の金沢プライドウィークのテーマについてのお話がありました。

 ジョソラジのイベントを終えたブルボンヌさんが到着し、3組のトークイベントがスタート。1組目は金沢が生んだレズビアン界の大御所・小川チガさんと、レズビアンとカムアウトして2025年ミス中央コンテストでグランプリを獲った松沢海優さんという、新旧の(40歳くらいの歳の差がある)お二人によるトークでした。松沢海優さんが「上の方々のおかげで生きづらさ感じたことはなかった」と、先人たちに敬意を表し、チガさんもうれしそうに笑みをこぼしたり、世代が変わっても変わらない生きづらさというか社会の問題について話し合われたりして、とても有意義なお話になりました。

 2組目は、モンキー高野さんと高島由美子さんのカップル。28年前、それこそチガさんが主催するクラブイベント「GOLD FINGER」で出会った(高野さんが猛アタックした)そうで、高野さんのご両親はとても理解がある方たちでしたが、高島さんのお母さんは最初は認めてくれず、しかし世田谷区のパートナーシップ宣誓第1号となったお二人がテレビに出たりするようになったら認めてくれるようになったとか、高野さんは胸がぺったんこなので手術が必要なかったとか、夫婦漫才のようにいろんなお話をしてくれました。特に素敵だったのは、手術要件が撤廃されて高野さんが性別を変更しやすくなり、そうすると二人が結婚することもできるが、私たちは仲間のゲイの友人たちと一緒に同性婚実現を祝いたいので、このままにしているというお話でした。

 3組目は、金沢が誇るドラァグクイーン・阿武虎さんと、『ボーイフレンド2』に出演したフーウェイさん。フーウェイさんがアジア大会で柔道のタイ代表として団体戦に出場することになり、現地入りが間に合わず、オンラインでの対面となったのですが、最初は「恋愛なんて」と嘯いていた阿武虎さんが、フーウェイさんを見て急に「好き」と言い始めたのが面白かったです。フーウェイさんは、タイの同性婚について、民法の結婚の規定を同性パートナーにも開いたというより、民法自体をアップデートして、恋愛でなくてもケアの関係として登録できるようになった、それは異性愛の人たちにもメリットがある改修だったと話してくれて、興味深かったです。タイでは2010年以降に民主化運動が大きくなり、婚姻平等=民主主義だと認識されるようになったが、日本の今の状況と似てるのではないか、とも。そして最後にフーウェイさんは、結婚できるとしたら恋愛して結婚したいが、友達どうしで家族になってもいい、とも話していました。
 とても実りの多い、充実したトークイベントになりました。




10月4日(日)
金沢プライドパレード

 今年も石川県政記念しいのき迎賓館に隣接する広場(しいのき緑地)で金沢プライドパレードが開催されました。この場所で開催されるようになったのは2回目からですが、金沢市内でこうしたイベントが開ける広場の中でも最も高級感のある素敵な場所です。トイレやコインロッカー、喫煙所などもありますし、水が流れているので暑いときなどは足をつけて休んだりもできます。今年は無料で傘を借りることができて、とても助かりました(まさか雨になるとは思っておらず、雨具を持ってなかったので)

 天気予報は曇りとなってましたが、まさかあんなにザーザー降りになるとは…。晴れやかにゴージャスに開催されてきた金沢プライドウィークのフィナーレでありメインイベントである金沢プライドパレードは、みんなの「パレードに雨を降らせないで」という願いにもかかわらず、あいにくの雨模様でした。
 
 10時半からのオープニングで共同代表の松中さんとダイアナさんがご挨拶しました。ダイアナさんは、金沢レインボープライドは誰一人取り残さないあたたかさがいい、今日はみんなのパワーを集めて太陽が照るようにしましょう、と語りました。司会のブルボンヌさんは、金曜日から楽しかったけどとても疲れました!と本音を漏らしていて、ウケつつも苦労をねぎらいたくなりました(ドラァグメイクって1時間以上かかるので早朝から活動するのって本当に大変なんですよね…)


 ステージパフォーマンスのトップバッターは「ノスタルジー」と「をかし」という石川と福井のアカペラグループ2組でした。尾崎紀世彦さんの「また逢う日まで」や、AIさんの「アルデバラン」などの選曲も素敵でしたし、ハーモニーもとてもきれいでした。


 すっかりレギュラーとなっている「BLUE AREA」のお二人のライブ。ボーカルの方がMCで、パートナーがトランス男性だったおかげで自分自身がパンセクシュアルであることに気づけた、この歌がセクシュアリティで悩んでる方に届きますように、と語っていて素敵でした。オリジナルの「虹」「ダーリン」「BLUE AREA」という歌を披露してくれました。

 八方不美人のエスムラルダさんとちあきホイみさんが夏を感じさせる爽やかな衣装で登場し、「地べたの天使たち」など数曲を披露してくれました。『UPDATE!?』でもそうでしたが(思わず見とれてしまいましたが)、恋愛と失恋を経験したホイみさんが、ますます妖艶さを増し、歌声にも磨きがかかっているように感じました。ドラァグって「生き様」なんですよね。

 天道清貴さんのライブ。雨のときも、どんなときも、最高の歌を聴かせてくれる清貴さん。今回も素晴らしかったです。たとえパレードが雨でも、そのあとにきっと虹がかかると思わせてくれました。

 続いてブース紹介の時間です。
 東京レインボープライドの最初期から協賛してくれているだけでなく全国のプライドイベントにも協賛しているチェリオさん。社長の菅大介さんがご挨拶し、プライドでは他の飲料メーカーとも一緒に取り組んだりしているとお話していました。

 のうか不動産のみなさん。大家さんに働きかけて二人部屋は全て同性カップルOKにしているという取組み(素晴らしい!)を紹介してくれました。

 金沢のまちづくりコンサルタント、計画情報研究所の方(金沢レインボープライドのスタッフでもあります)。実はHIV予防啓発の情報なども発信しているそうです。

 Marriage For All Japan、LGBT法連合会、LGBT支援北陸信越地方団体会議、大学コンソーシアム石川のみなさん。それぞれの活動について一言ずつお話してました。

 今回のゲストのお二人、松沢海優さんとフーウェイさんが登場しました。フーウェイさんはアジア大会に出場していた関係で前夜のトークイベントはオンラインだったのですが、パレードには間に合いました。生フーウェイさんを間近で見られて感激した方もいらしたのでは?


 そして同じくゲストのモンキー高野さん&高島由美子さんカップル。朝からとっても元気でした。

 チガさん率いるGOLD FINGERのみなさん。カッコいい! DJで盛り上げたりもしてくれました。

 いよいよパレード出発に向けて整列、ということになったのですが、雨具なしでは厳しいくらい雨が降っていて…。前日に金沢でイベントを開催していたちくわフィルムのみなさんなども、受付の登録はしたものの、歩くのは断念したと言ってましたし、東京から来ていたジョソラジファンの友人も、傘は持ってるんだけどパレードは傘さし禁止なので歩くのは難しい、と言ってて…もし雨じゃなかったら歩いてたという方、たくさんいたと思います。残念です。
 それでも、雨にも負けず、雨合羽を着てパレードに参加した方たちが400人もいらっしゃいました。






 ブルボンヌさん、エスムラルダさん、ちあきホイみさんが乗ったDJフロートに先導されたパレード参加者のみなさんは、しいのき緑地を出発し、金沢城と兼六園の間の道を進み、百万石通りを橋場町へと進み、金沢文芸館の角を左折し、近江町市場の角を回って香林坊へと向かいました。高級なショップが軒を連ねる香林坊の辺りでは観光客もたくさんいて、手を振ってくれる方もいたりして、パレードは最高潮に。約1時間のコースを歩ききりました。







★パレードのフォトアルバムはこちら

 帰着後、出演者の方たちがステージに上がり、感想を語ったり。清貴さんはワンフレーズアカペラで歌ってくれたりもして、盛り上げてくれました。
 最後に参加者のみなさんで記念の集合写真を撮りました(フレームに収まりきれていないのですが、ご容赦ください)



 イベント終了後も、あちこちで写真を撮ったり団らんしたり、DJのゴキゲンな音楽やビールを楽しんだりする方もたくさんいました。




 
金沢プライドウィークを振り返って

 今や全国40箇所近くの街でプライドパレードが開催されるようになっていますが、金沢レインボープライドは地元の伝統産業の方たちとコラボしたり、金沢でも有数の高級ホテルがイベント会場を提供してくれたり、毎年豪華ゲストがパレードに参加したりというところが本当にスゴいです。ある意味、唯一無二だと思います。

 今回は前夜祭的にHIV予防啓発のクラブイベントも開催されて、とても楽しかったです(非公認ではありますが、ちくわフィルムのイベントもありました。いろんなイベントがあるのはいいことです)。数年ぶりの参加でしたが、おかげで3日間を十二分に満喫できました。これからもそういうふうになると、全国からもっとたくさんの方が集まったりということになっていくのではないでしょうか(かつてのレインボーマーチ札幌がそうであったように)
 
 クラブイベントに地元の「POWER BOMB」の方たちが出演したり、トークイベントに「パンテーラ」の阿武虎さんが出演したり、地元のゲイコミュニティの方たちが参加していたのもすごく大事なこと。地方だとパレード会場には行きづらいと感じる方も多いと思うのですが、そうやってゲイバーの方たちが参加することで、少しでもハードルが下がるといいなと思います(実際、初めてパレード会場に来て、歩こうかどうしようかと迷ってた方もいらっしゃいました。がちむち系のモテ筋さんでした)

 今年で6回目になりますが、こうしてずっと続けてきたことで、少しずつ新たな参加者が増えたり、輪が広がったりしました。素晴らしいことです。実行委員やボランティアスタッフのみなさんの尽力に頭が下がります。そんなみなさんの頑張りに共感し、ハードスケジュールにもかかわらず心意気で参加してくださっているブルボンヌさんをはじめゲストのみなさんにも拍手!です。本当におつかれさまでした。
 またお伺いできる日を楽しみにしています。来年こそは晴れるといいですね!

(後藤純一)

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