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マドンナがサンクトペテルブルグの反同性愛条例を批判

2012年03月23日

 以前のニュースでお伝えしたように、ロシアのサンクトペテルブルグで、市議会が公共の場で同性愛者であることを表明する行為に対して罰金を科す条例案を審議していましたが、世界中から人権侵害だと反対する署名が集まっていたにもかかわらず賛成多数で可決されました。この条例に違反すると3,000~5,000ルーブル(97~162ドル)の罰金が科されるほか、同性愛に関する活動に従事した団体も最大50,000ルーブル(1,620ドル)の罰金が科されることになります。これにより、毎年恒例のプライドパレードが法的に禁じられるだけでなく、HIV予防啓発活動にも影響が及んだり、ゲイやレズビアンの人々の生命も脅かされることになります。
 条例案を起草した与党・統一ロシア(党首はウラジーミル・プーチン首相)のビタリー・ミロノフ議員は、「性的逸脱の人気の高まりが、われわれの子供に悪い影響を与えている」などと述べています。
 ロシアでは北西部のアルハンゲリスクで9月に同様の条例が成立しており、ほかにも西部リャザン州が2006年、類似した禁止令を施行しているそうです。
 モスクワのパレードも以前から暴力的に弾圧され、流血した活動家の写真が衝撃を与えていました。

 これに対し、ロシアと米国の国籍を持つジャーナリストのマーシャ・ゲッセン氏は、ニューヨーク・タイムズの自身のブログで、外国のアーティストやビジネスマンらにロシア第二の都市サンクトペテルブルクをボイコットするよう呼びかけました。特に、ゲイへの支援で有名な歌手マドンナに対し、サンクトペテルブルグで予定されているコンサートを中止するよう勧めました。

 そして、この呼びかけに応じてマドンナは、サンクトペテルブルグの反同性愛条例を「ばかげた非道行為」だと批判しました。22日、ロイターが伝えたニュースによると、マドンナは自身のFacebookで「同性愛コミュニティを支援するためにサンクトペテルブルクに行く」「この問題をコンサートで取り上げ、反対を訴える」とコメントしました。
 すでにドイツのロックグループ「ラムシュタイン」がサンクトペテルブルグで2月に開いたコンサートで同性愛を支持したことに対して罰金を課す動きがあるそうですが、たとえマドンナほど影響力のある人物であったとしても、現地で同性愛者支援を訴えた場合、条例違反で罰せられる可能性があります(それ以前に当局から妨害されるかもしれません)。そうした危険も承知のうえで、マドンナはサンクトペテルブルグに乗り込むと宣言したのです。


サンクトペテルブルク市、同性愛者に罰金へ(NNA.EU)
http://news.nna.jp/free_eu/news/20111118rur608A.html

サンクトペテルブルグの「反同性愛」法に抗議 マドンナにコンサート中止を呼びかけ(Voice Of Russia)
http://japanese.ruvr.ru/2012_03_21/69098142/

マドンナがロシアの反同性愛条例を批判、「ばかげた非道行為」(ロイター)
http://jp.reuters.com/article/entertainmentNews/idJPTYE82M01U20120323

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