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中国で高齢のゲイカップルが結婚宣言

2013年01月29日

 1月25日、中国のマイクロブログ「微博」で同性婚宣言したゲイカップルが話題になっています。

「老人二人の愛」というアカウント名のマイクロブログには、二人の愛の歴史がつづられています。一人は元教師で、もう一人は水を運ぶ労働者。知り合ったきっかけは、元教師の住まいへ、もう一人が水を運んだことからでした。ブログに公開された写真にはウエディングドレス姿の男性とスーツを着た男性の姿が写っています。二人はお互いを「小宝(シャオバオ)」「大宝(ダーバオ)」と呼び合っているそうです。
 彼らの愛は、とても困難なものでした。周囲で二人のことを認めてくれるのは数人の友人だけ。子どもも口をきいてくれないといいます。それでも二人は、この1月末に結婚式を挙げることを決意しました。その様子もマイクロブログに公開されるそうです。
「私たちは死んでも離れないと決めた。どんな困難が待ち受けていても闘ってみせる」
「老人二人の愛」は大人気で、フォロワーはすでに5000人を突破しました。

 中国では日本と同様、近世までは同性愛は当たり前のものでした。が、中華民国以降の近代化により違法化され、以降、2001年に中国精神医学協会が「同性愛を精神疾患に分類することをやめる」と公式に発表するまで、同性愛は「病気」として扱われていました。1950年代には、同性愛者は「堕落した者」として刑務所に入るか、電気ショックやホルモン注射で「治療」されていたそうです。さらに文化大革命の期間中は、知識分子や教師、宗教家と同じように「少数派」として激しい迫害を受けました。しかし、1990年代以降は改革開放と経済発展の影響を受け、同性愛は少しずつ人々に受け入れられるようになっていきました。
 現在、中国には約3000〜4000万人の同性愛者がいると言われています(Record Chinaによると、そのうち1600万人以上のゲイ男性が家族からの圧力によって女性と結婚しているそうです)。ゲイバーもでき、クラブパーティ(日本からも呼ばれたりしています)も行われるなど、ゲイシーンも成熟してきています。

 簡単に2001年以降の出来事を振り返ってみましょう。
 2001年、北京で初めてジェンダーやセクシュアリティをテーマとした映画祭が開催されました。
 2009年、上海で初のLGBTイベント「上海プライド」が開催されました。また、ロウ・イエ監督による男どうしのせつない恋の映像詩『スプリング・フィーバー』が、カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞しました。また、バレンタインデーには天安門広場近くで同性婚を求めるパフォーマンスが行われました。
 2010年には「偽娘」と呼ばれる女装のアイドルがブレイクしました。(トランスジェンダーについて言うと、この頃すでに性別適合手術が認められるようになっています)
 そして昨年、ゲイカップルが公開結婚式を挙げたことがニュースになりました(詳しくはこちら
 まだパレードも開催されていませんし、北京ではさまざまなゲイイベントが規制を受けるなど、厳しい状況もありますが、今回のお二人のようなネット上でのアピールが、中国社会に素敵な虹色の波紋を投げかけたのではないでしょうか。


高齢のゲイカップル、マイクロブログで堂々の結婚宣言―中国(LivedoorNews)
http://news.livedoor.com/article/detail/7352628/

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