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アメリカの最高裁が同性婚についての最終判断を下すことになりました

2015年01月18日
 米連邦最高裁判所は1月16日、長年におよぶ同性婚の合憲性をめぐる問題について4月に審理を開始すると発表し、この問題について最終的な結論を出す姿勢を示しました。


 2013年6月26日、連邦最高裁は「結婚を男女のものとする」という結婚防衛法を違憲とする判決を下し、州が同性婚を認めれば国も認めるよ、という形になりました。それ以降、ユタ州をはじめ全国各地で同性婚を禁じる州法が違憲だと訴える裁判が起こされ、連邦地方裁判所は最高裁の判決に基づく形で同性婚を禁じる州法の無効を宣言してきました。が、州側が控訴し、さらに連邦高裁も同性婚禁止は違憲だと判決を下し、さらに州側が上告、2014年10月には最高裁がこうした5つの州からの上告を棄却し(詳しくはこちら)、一気に30州以上で同性婚が認められるようになりました。
 しかし、昨年11月、オハイオ州シンシナティの第6巡回控訴裁判所(連邦高裁)が、オハイオ、ミシガン、テネシー、ケンタッキーの4州において同性婚を禁止した州法を支持する判決を下しました。ブッシュ大統領が任命した2人の判事が下した判決は、連邦高裁が同性婚禁止法を支持した初めての事例でした。それまで連邦最高裁は州ごとに定められた同性婚の合憲性を判断することを避けていたのですが、これによって連邦高裁の判断が分かれたため、最高裁が是非を決定せざるをえない状態となったのです。

 連邦最高裁の9人の裁判官は1月16日、第6巡回控訴裁で下された同性婚禁止を支持する判決の再審理を決めました。 
 審理では、州は合衆国憲法によって同性婚を認可することを義務付けられているかどうか、また、州外での同性婚を承認することを義務付けられているかどうかということが争点となると見られています。
 最高裁がこの2つの争点について州に義務があると判断した場合、同性婚がさらに14州で認められ、全米50州で合法となります。この審理は4月に開始され、6月遅くまでには判決が下される予定です(2011年のニューヨーク州の同性婚成立、2013年の最高裁による結婚防衛法撤廃も6月末でしたが、これは単なる偶然でしょうか? 6月はプライド月間であり、6月末には各地でパレードが開催されます。2015年6月、アメリカ全土で結婚の平等が達成されるという世紀の瞬間が訪れ、全米で祝賀ムードのパレードが催される光景が目に見えるようです)

『ニューヨーク・タイムズ』(電子版)は判決の見通しについて「ほとんどの識者が、最高裁は同性婚をすべての州で憲法上の権利だと認める判決を下すと見ている」と論評。同時に「最高裁は同性婚について慎重な態度をとってきた」とも指摘しており、判決の行方は不透明です。

 結婚の平等の実現を求める団体「Freedom to Marry 」のエバン・ウルフソン代表は「今日の最高裁の決定は全国での同性婚の実現を勝ち取るためのわれわれのキャンペーンの最終章の始まりとなることを望む」と語っています。



米最高裁、同性婚の是非判断へ 6月末までに結論(日経新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG17H1M_X10C15A1000000/

同性婚、米最高裁が判断へ 下級審は「禁止は違憲」(朝日新聞)
http://www.asahi.com/articles/ASH1K1W66H1KUHBI004.html

米全州で同性婚は認められるか 連邦最高裁、審理へ 6月にも歴史的判決(産経ニュース)
http://www.sankei.com/world/news/150117/wor1501170007-n1.html

同性婚をアメリカ全州で認めるか審理 連邦最高裁が6月に世紀の判決へ(HuffingtonPost)
http://www.huffingtonpost.jp/2015/01/16/supreme-court-gay-marriage_n_6491140.html

米最高裁、同性婚について最終判断へ 4月に審理開始(AFP)
http://www.afpbb.com/articles/-/3036765

米連邦最高裁、同性婚の合法化検討で合意-6月にも判断へ(ブルームバーグ)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NIAFQB6VDKHS01.html

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