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アイルランドで初めて閣僚としてカミングアウトしたレオ・バラッカー氏が、同国初のゲイの首相となる見通しに

2017年06月04日

 6月2日、ダブリンで実施された与党・統一アイルランド党の党首選で、オープンリー・ゲイのレオ・バラッカー社会保護相(38)が初当選し、史上最年少かつアイルランド初のゲイの首相となる見通しとなりました。
 党首選は、議員や一般党員らの投票で行われ、バラッカー氏が約60%の票を獲得し、コベニー地方自治相を破りました。今月中旬に招集される国会で正式に首相就任が承認される予定です。
 
 バラッカー氏はアイルランドの保健相だった2015年1月、閣僚として初めてゲイであることをカミングアウトし、同性婚推進を表明しました。その4ヵ月後、同性婚の是非をめぐる国民投票が行われ、アイルランドは世界で初めて国民投票で憲法を改正して結婚の平等(同性婚)を認める国になりました
 また、バラッカー氏はインド出身の医師の父親とアイルランド人の母親の間に生まれた方で、アイルランド初の非白人系首相ともなります。

 バラッカー氏は当選を受けて、このように演説しました。
「私が選ばれたことに意味があるとすれば、それはこの国で偏見は支持されないとはっきり示したことです」
「私の父は、新しい家庭をつくるために5000マイル離れたアイルランドにやってきました。その時、自分の息子がこの国のリーダーになるとは、夢にも思わなかったでしょう。また、周りとは違う息子が、生まれではなく行動で判断されるとも考えていなかったと思います」
「アイルランドでは、子どもたちはどんな夢をみることも可能なのです」

 アイルランドはもともとカトリックの影響が強い国で(映画『あなたを抱きしめる日まで』で、未婚の母になるという「罪」を犯した女性が無理やり修道院に入れられ、息子を取り上げられ、アメリカに養子に出されてしまったという史実が描かれています)、欧州でも保守色が濃い国と言われ、同性愛は1993年まで違法でした。しかし、2010年には国会でシビルユニオンが合法化され、2015年には同性婚が合法化されました。たった22年で同性婚が合法化され、24年でゲイの首相が誕生することになったのです。
 昨年の東京レインボープライドのステージでアイルランド大使のAnne Barringtonさんはこのようにスピーチしています。「今から25年前は、アイルランドでLGBTの権利について語られるとは思いもしませんでした。本や法律がLGBTを差別していました。2010年にシビルユニオンが合法化されてから、セクシュアリティに基づく差別はなくなってきています。そして昨年、世界で初めて憲法改正によって同性婚を認めたことを誇りに思っています。その人がその人らしくあること、誰を愛するかは関係なく生きていけるようになるべきです」

 レオ・バラッカー次期首相は、アイスランドのヨハンナ・シグルザルドッティル元首相、ベルギーのエリオ・ディルポ前首相、そしてルクセンブルグのグザヴィエ・ベッテル首相に続く、4人目の同性愛者であることをオープンにした首相となります。

 2014年のギャラップ社調査による「同性愛者が最も住みやすい国ランキング」で、アイルランドは世界第6位にランクインしています(日本は50位でした)
 
 



アイルランド与党党首に同性愛者 首相選出へ(共同通信)
https://this.kiji.is/243551958280046073?c=110564226228225532

バラッカー氏、新首相選出へ=最年少、同性愛公表-アイルランド(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017060300210&g=int

同性愛を公表、初の首相誕生へ…アイルランド(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/20170603-OYT1T50094.html

アイルランドで同性愛首相が誕生へ カトリック大半の同国で初(産経新聞)
http://www.sankei.com/world/news/170603/wor1706030071-n1.html

アイルランド、新首相誕生へ 初の同性愛者にして史上最年少(CNN)
https://www.cnn.co.jp/world/35102201.html

アイルランド初、同性愛公表の首相誕生へ(AFP)
http://www.afpbb.com/articles/-/3130664

ゲイで、移民の子供で、わずか38歳の首相。アイルランドで誕生へ(ハフィントンポスト)
http://www.huffingtonpost.jp/2017/06/05/leo-varadkar-becomes-irish-prime-minister-elect_n_16950960.html

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