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【追悼】『キンキーブーツ』でのドラァグクイーン役が素晴らしかった三浦春馬さん

2020年07月18日

 三浦春馬さんの訃報に驚き、たくさんの方がSNSに追悼のコメントを、特に『キンキーブーツ』でのドラァグクイーン役がいかに素晴らしかったかということを書いていらっしゃいます。


 『キンキーブーツ』は、イギリスの老舗紳士靴メーカーがドラァグクィーン用のブーツを製作して経営を立ち直らせたという実話に基づいた映画(2005年)を、より華やかにしたブロードウェイ・ミュージカルです。HIVチャリティのためにミュージカルのスターが文字通り一肌脱ぐ「Broadway Bares」を製作しているジェリー・ミッチェル(ゲイの方です)、映画『トーチソング・トリロジー』で主人公のドラァグクィーン、アーノルドを演じていたハーヴェイ・ファイアスタイン(ゲイでドラァグクイーンの方です)、長年にわたってゲイコミュニティを支援してきたシンディ・ローパーが魂を込めて作り上げた作品で、本当に感動的で素晴らしい作品です。初演時にドラァグクイーンのローラを演じたビリー・ポーターはトニー賞を受賞しました。
 ブロードウェイで大ヒットした『キンキーブーツ』の日本版が、本場ブロードウェイのプロデューサーで『キンキーブーツ』にも携わっていた川名康浩さんによって制作され、三浦春馬さんがローラを、小池徹平さんが工場の社長を演じるかたちで2016年に上演されました(三浦さんは読売演劇大賞優秀男優賞と杉村春子賞を受賞しています)。2019年にも再演されています。きっとご覧になった方も多いと思います(東京のドラァグクイーンのみなさんによる応援キャンペーンもありました)

 多くの人が、三浦さんはドラァグクイーンのローラという役に真摯に向き合い、努力を惜しまなかった、素晴らしかったと賞賛しています。「ローラの登場シーンで客席から歓声が上がって鳥肌が立った瞬間が忘れられない」「並大抵の努力じゃない」「本当にすごかった」「研ぎ澄まされた表現」「プロフェッショナル」「美しくて、強くて、大好きだった」「今でもキンキーブーツの音楽聞きながら生活しています」「ローラに会えたのは一生の宝」「日本でローラを演じられるのはあなただけだよ…」などなど。
 また、ゲネプロ後の囲み取材のときに記者が「女装」について興味本位な質問をしたり笑いを誘おうとしたが、三浦さんは真面目に答えていてうれしかった、と語る方もいらっしゃいました。(こちらの記事によると、三浦さんが「今回は『美』を追求しました」と語ったことに対し、記者団から笑いが起こり、小池鉄平さんが「何がおかしいんですか」と諌めたそうです)



 今年の6月28日、ニューヨークプライドが開催したオンラインイベントで、ビリー・ポーターがサンフランシスコのエイズ基金とロサンゼルスのLGBTQセンターへのチャリティとして『キンキーブーツ』の元キャストたちを集めて特別なオンラインコンサートを行った際、日本から三浦春馬さん、小池徹平さん、ソニンさんも参加していました。
 


 トニー賞を2度受賞しているブロードウェイの舞台演出家/振付家で『キンキーブーツ』の日本版も手がけていたジェリー・ミッチェル氏(ゲイの方です)も、自身のインスタグラムで「親愛なるハルマの家族、友人、ファンとキンキーブーツチームに私の全ての愛と追悼の意を送ります。安らかに眠れ、ハルマ・ミウラ」との追悼コメントを投稿しました(詳細はこちら

 三浦春馬さんは2007年からチャリティイベント「Act Against AIDS」にも取り組んでこられました。間違いなく、ゲイにとって、素敵!と思えるようなことをしてくれた、応援してくれた、勇気を与えてくれた方だったと思います。本当にありがとうございます。感謝申し上げます。

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