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【米大統領選】28歳のアジア系ゲイ男子がハワイ州議会下院議員に初当選しました

2020年11月08日

 大統領選と同時に行われたハワイ州議会下院議員選で、28歳のゲイのエイドリアン・タム氏(民主党)がハワイ州22地区(ワイキキ、アラ・モアナを含む地域)選出の州下院議員に初当選し、同州で唯一のLGBTQの議員となりました。この22地区の選挙は、対抗馬が悪名高い「プラウド・ボーイズ」ハワイ代表のニック・オックス(共和党)で、「プラウド・ボーイズのボスを打ち負かした歴史的な選挙。最後に愛は憎悪に勝つ(love trumps hate)ことを証明した」と報じられました。

 
 2016年に設立されたプラウド・ボーイズは、公民権団体「南部貧困法律センター」から「ヘイトグループ」の指定を受け、FBIも「白人至上主義とつながりのある過激グループ」に分類していました。今年はBlack Lives Matter運動への攻撃も激化していました。9月29日の大統領選討論会でトランプ氏が「プラウド・ボーイズよ、身を引いて待機しておけ」と述べたことで、「民兵勢力に向かって『スタンバイしとけ』と言ったに等しい」と物議を醸していました。
 
 エイドリアン・タム氏はアジア系(たぶんベトナム系)の移民の子で、ペンシルベニア州立大学を卒業後、ハワイに戻り、ハワイ州上院議員のスタンリー・チャンのオフィスで働きながら、同州におけるコンバージョン・セラピーの禁止や、ゲイ・パニック・ディフェンスを認めない法律の成立に貢献しました。そして今回、初めて州下院議員選挙に臨みました。
 彼は「プラウド・ボーイズ」との戦いに際し、自身の身の危険については恐れていないものの「支持者やボランティアの身に何か起こったら…」と心配したそう。オクスはFワード(ゲイに対する非常に差別的な言葉)による中傷や攻撃を繰り返してきましたが、直接的な暴力にはあわなかったそうです。
「幸運にも、何も起こらなかった。私たちは人々から喜びと幸せをもって迎えられた」
「最初の立候補の時は、初めての人がみんなそうであるように、不安があった。勝利したことが本当に嬉しい。不安は消えた」
「私たちのメッセージが広まり、コミュニティが私を支持していくれたことを、本当に嬉しく思う」
「投票してくれた人たちによってこのような機会を与えられたことに、本当に感謝している。彼らのためにベストを尽くすことを約束する」
「これから忙しくなる」
 彼はホームレスのことや、公共の安全、住居問題、コロナ対策、経済問題について取り組んで行くそうです。
 
 ちなみにオクス陣営のFacebookの選挙キャンペーンサイトは、ガイドラインに違反しているとして9月に削除されていたそうです。

 今年10月、#ProudBoysのハッシュタグでゲイたちが大量にゲイゲイしい写真を投稿し、差別的なツイートを無効化したことが話題になりましたが、エイドリアン・タム氏は実際にプラウド・ボーイズを選挙で打ち負かしたゲイの候補者ともなりました。



参考記事:
Gay man makes history by beating Proud Boys boss in election race, proving once and for all that love trumps hate(Pink News)
https://www.pinknews.co.uk/2020/11/06/adrian-tam-hawaii-election-proud-boys-nick-ochs-gay-house-representatives/

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