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HIV検査が前年の約4分の1に激減。エイズを発症してわかる方が増えています

2020年09月16日

 厚生労働省のエイズ動向委員会は9月15日、今年4~6月のHIV検査件数が前年同期の約4分の1にとどまったと発表しました。
 同日、昨年1年間の新規感染報告数の確定値も公表されましたが、前年同期に比べて新規エイズ患者(発症してわかった方)が増えていることも明らかになりました。
 
 HIV検査・相談の件数や、新規感染報告数は四半期ごとに取りまとめられていますが、昨年4〜6月(第2四半期)のHIV検査数が35908件だったのに対し、今年4〜6月は9584件にとどまり、約4分の1に減少しました。相談の件数も32498件→11689件と、前年同期の約3分の1となりました(詳細はこちら)。新型コロナウイルス感染拡大の影響でHIV検査を中止している(手が回らない)保健所もあり、外出自粛で検査を受けに行くことを控える方も増えたことが影響しているとみられています。
 なお、9月15日には昨年の新規感染報告数の確定値も公表されましたが(詳細はこちら)、昨年の4〜6月(第2四半期)の新規HIV感染が295名(HIV陽性者217名、エイズ患者78名)だったのに対し、今年4〜6月の新規HIV感染は260名(HIV陽性者166名、エイズ患者94名)で、エイズを発症してわかった方の数は、むしろ増えています(上半期で比較しても、昨年147名→今年154名です)。検査を受ける機会が全体的に減ってしまったことで、早期発見につながる方が少なくなっている状況が浮き彫りになっていると言えそうです。
 エイズ動向委員会の白阪琢磨委員長は「新型コロナウイルス感染症の影響による検査数の変化等含め、このような状況を注視していく必要がある」「感染が疑われる人は積極的に検査を受けてほしい」とコメントしています。
 
 たとえHIVに感染していても、早めに検査を受けてわかれば、治療もしやすくなりますし、ずっと元気に暮らしていけるようになっています。しかし、発症してわかった方の場合、(今は亡くなるということはほとんどありませんが)治療が大変になるケースもあり、今後、新型コロナウイルス感染拡大がさらに進むと(冬季に大きな波がやってくることが懸念されています)、医療資源がそちらに取られてしまい、治療が遅れたり、本当は入院が必要なのにできなくなったり…という心配もあります。また、(HIV陽性だからといってCOVID-19の重症化リスクが高いわけではないことがわかっているとはいえ)エイズを発症し、免疫力が下がった状態で、万が一COVID-19も発症した場合、重症化のリスクが高くなる恐れもあるでしょう。 
 
 早期発見・早期治療できれば、HIVは決して恐れる必要のないものです。最近、検査受けてないなぁ…という方はぜひ、この機会に受けるようにしましょう。安心して受けられる最寄りの検査場のご案内はこちらです(※東京都ですと、南新宿検査・相談所は大丈夫ですが、保健所によってはコロナ対応でHIV検査が中止されている場合もあります。HIV検査を受けられる際には、自治体ホームページ等で事前に実施状況をご確認くださいますようお願いいたします)(クリニックで検査を受けたり、郵送検査を利用するという方法もあります)(なお、保健所等で行われている通常のスクリーニング検査は、思い当たる行為があってから4週間経過しないと判定ができませんが、最短の13日経過後から遺伝子検査が受けられるクリニックもあります)
 
 
 
参考記事:
エイズ検査、前年の4分の1に激減…保健所の検査中止・受診控えで(読売新聞)
https://www.yomiuri.co.jp/medical/20200916-OYT1T50182/

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