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東京都が「性自認及び性的指向に関する調査」の結果を公表し、「都パートナーシップ宣誓制度」素案への意見募集を4/11まで延長しました

2022年03月31日

 東京都が「都パートナーシップ宣誓制度」の素案を発表、みなさんからの意見も募集中ですとのニュースを先月お伝えしましたが、3/31までとされていた意見募集が4月11日(月)10時まで延長されることになりました。


 東京都は3月30日、都が実施した「性自認及び性的指向に関する調査」の結果を公表し、「本調査の結果等も踏まえて御意見をいただくことを目的として」同制度の素案への意見募集の期限を4月11日(月)10時まで延長すると発表しました。
 この「性自認及び性的指向に関する調査」は、2019年12月に策定された「東京都性自認及び性的指向に関する基本計画」の見直しや同性パートナーシップ証明制度の検討などの基礎資料とするため、現状を把握することを目的として20歳~69歳の東京都在住・在勤・在学者に対して無記名式のWebアンケート調査として実施されたものです。約16万人の事前調査から同性愛者、バイセクシュアル、トランスジェンダー、その他の性的マイノリティ、非当事者それぞれ250人ずつを抽出して本調査を実施しています。
 事前調査では、「言葉の認知度」として「性同一性」(95.5%)、「LGBT(LGBTQなど)」(90.8%)、「SOGI」(18.1%)、「アライ」(11.0%)などの認知度が明らかになるとともに、「LGBT等・性的少数者に対しての施策の必要性」として「相談窓口(電話)」(73.1%)、「窓口対応する職員への研修・教育」(72.6%)、「相談窓口(SNS)」(71.6%)、「LGBT等・性的少数者に対する不当な差別を禁止する規定の整備(条例等)」(70.2%)、「パートナーシップ制度」(66.2%)が求められていることがわかりました。
 本調査の結果は、以下の通りです。
◎困難な経験 
・経験率
 LGBTQ層全体で33%の方がこれまでに困難な経験をしたことがあると回答
・経験内容
1.周囲のリテラシー不足によって引き起こされる問題
「相談相手の不在」、「親の無理解」、「差別・いじめ」、「職場でのハラスメント」
2.パートナーと法的な家族になれないことで生じる問題
「職場で法的な家族と同様の福利厚生が受けられない」、「社会保障上の家族扱いを受けられないことによる不都合」
3.戸籍性で区分されることによる問題
「トイレや更衣室の利用で望む性で施設を利用できない」、「宿泊を伴う行事で望む性での区分けをしてもらえない」、「望む性の制服を着ることができない」、「性別記載欄で選択すべき性に戸惑いを感じた」
・困難度
 周囲の無理解等により引き起こされる問題については困難度が高い傾向
◎行政により実施されている施策への評価
・評価できる施策
「パートナーシップ制度」(49.1%)、「相談窓口(電話)」(42.6%)、「相談窓口(SNS)」(37.3%)
・評価できる理由
「世間の理解が広まる」、「制度から整えていくのは良い」、「自治体・行政が率先して行うことが良い」
・実施すべき施策
「婚姻関係の承認・合法化」、「誰にでも平等な権利の獲得」、「パートナーシップ制度導入・拡大」(同性愛者や両性愛者の方から多かった意見)
「法整備」、「書類の性別記入欄の配慮」(トランスジェンダーの方から多かった意見)
「理解・相互理解」、「差別偏見を持たない」、「配慮・寄り添い・思いやり」
◎居住自治体のパートナーシップ制度
・導入状況の認知
 自身が住む自治体でパートナーシップ制度が導入されているかが「わからない」と回答している割合が全体で半数超
・制度の活用状況
 自身が住んでいる自治体にパートナーシップ制度が導入されていると回答した方の中で、実際に制度を活用していると回答した方は2割程度
・パートナーシップ制度の長所と短所
(長所)「社会に認められる」、「存在が公的に認められる」
(短所)「結婚と同等の権利は得られない」、「法的根拠がない」、「効力不明」
(調査結果報告の全文はこちら。PDFです)


 今回公表された調査結果を踏まえたうえで、すでに意見を送った方も改めて意見を送ってもよいと思いますし、まだ送っていないという方も、4月11日までに延長されましたので、送ってみてはいかがでしょうか。
 例えば、LGBTQの3人に1人がこれまでに困難な経験をしたことがあると回答している、その内容は「差別・いじめ」「職場でのハラスメント」であったりする、「周囲の無理解等により引き起こされる問題については困難度が高い傾向」にあるといったことが明らかになったわけですから、「都パートナーシップ宣誓制度」の導入にあたっては、制度さえ導入すればよいということではなく、LGBTQへの理解・支援が進むような施策を都としてさらに進め、市区町村にも求めていただきたい、という意見もあるでしょう。◎困難な経験の2で「職場で法的な家族と同様の福利厚生が受けられない」とありますが、まさに同性パートナーを持つ都職員が置かれている状況であり、都はこうした都職員の待遇の平等化を進めていただきたい、ということも言えるでしょう。
 直接制度に関係なさそうに思えることでも、これを機に、日々感じていることや困りごと(病院で家族として扱ってもらえなかったとか、不動産屋で断られたとか、同性婚を実現してほしいとか、職場でSOGIハラやアウティングが横行しているとか、メンタルヘルスやHIVに関することなど)を送ってみてもよいと思います(「その他」という項目があります)
 

「東京都パートナーシップ宣誓制度」素案へのパブリックコメント(意見募集)フォーム
https://1faa0661.form.kintoneapp.com/public/00077d0517bfffafc8f8c3722bc0b7327bd9c3953b4ae76314122ea1c82e7985

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