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TRPのパレードを歩いた米エマニュエル駐日大使「誰もが結婚の自由と平等を達成できるまで共に歩み続けよう」

2022年05月22日

 47NEWSに米国のエマニュエル駐日大使のアライとしての横顔にフォーカスした記事が掲載されていたので、ご紹介します。

 ラーム・エマニュエル氏は、クリントン政権の大統領上級顧問を経て2003~2009年に下院議員をつとめ、2009〜2010年にはオバマ前大統領の首席補佐官となり、2011〜2019年にはシカゴ市長をつとめました(エマニュエル市長の不出馬によって過去最多の新人14人の争いとなったシカゴ市長選を制したのが、オープンリー・レズビアンのローリ・ライトフット氏でした)
 そんなエマニュエル氏は、バイデン政権下で駐日大使に指名され、今年1月から着任していました。
 
 4月の東京レインボープライドでパレードを歩く姿も見られ、参加者へのあいさつでは「誰もが結婚の自由と平等を達成できるまで共に歩み続けよう」「ジェンダーや性的指向に関係なく愛する人と共にいるという選択は、誰もが尊重すべきことだ」と語っていました。

 エマニュエル駐日大使は、共同通信の取材に対し、世界がウクライナ危機をはじめとする多くの困難に直面する中、より身近な課題である性的少数者の人権擁護に目を向けることも重要だと語りました。
「私にとって性的マイノリティの権利擁護は、公私にわたってずっと大事なテーマだ。ウクライナとロシアの紛争、食料安全保障、所得格差など、世界には深刻な問題が山積している。だが、愛し合う者どうしが愛情を自由に表現できる権利を守るのも重要なことだ」
「性的マイノリティは個人的にも大事な存在。とてもパーソナルな思いがある」 
「私と妻にとって大の親友でゲイの男性がいる。私たちが結婚した1994年の挙式にも参列し、新郎付添人として祝福してくれた。私のいとこは他界してしまったが、同性愛者だった」 
 公職に就いてからもシカゴでLGBTQが多く暮らす地域の発展に尽力し、「下院議員や市長としてみんなと一緒に行進し、連帯を示した」といいます。市長時代は、イリノイ州の同性婚法案を後押しし、2013年に成立、米国で同性婚を承認した15番目の州になりました。
 エマニュエル氏は、日本での地方発の同性パートナーシップ証明制度について「米国でこの10年間に起きたことと同じ流れだ」と歓迎し、「ボトムアップの政治変化はさらに広がり、全国で変化を感じられるようになるだろう」と期待感を示しました。「性的マイノリティは誰かのおばであり、おじであり、きょうだいだ。医者や警察官、教師、看護師などとして地域を引っ張っている。われわれの社会の一部である人々を、性的指向を理由に排除してはならない」 
 エマニュエル氏は、「愛し合う者どうしが愛情あふれる家庭をつくろうとするのは、伝統的な価値観だ。決して過激なものではない」「多様性を受け入れ、誰もが社会に貢献できると信じる米国の価値観を示したい」と語り、「結婚を同性婚と異性婚に区別せずに語れる日が来ることを心に思い描いている」と笑顔を見せたそうです。


 米国大使館はオバマ政権時代、2012年からプライド月間を祝うレセプションパーティを開き、LGBTQコミュニティの方々を招待してくれたほか、2016年にはキャロライン・ケネディ氏が駐日米国大使として初めてプライドイベントに登壇し、「駐日米大使として初めて参加できたことを誇りに思う」「米国で、日本で、世界で、多くのLGBTの子どもがいじめにあい、大人が差別されている。私たちは偏狭さや冷酷さと戦っていく」「誰もが愛する人と結婚できるようになるべきだ」とスピーチし、会場から大きな拍手を浴びていました。しかし、トランプ政権が誕生すると事情は一変し、プライド月間にレインボーフラッグを掲げることすら禁止されるようになりました。バイデン政権になって、再びLGBTQフレンドリーな米国大使館に戻っただけでなく、ラーム・エマニュエル氏という素晴らしい方が大使として来てくださったことはとても喜ばしいことです。日本でのLGBT差別禁止法の制定や結婚の平等の実現にも好い影響があるいいですね。


参考記事:
「性的少数者の権利擁護に目を向けよう」米国のエマニュエル駐日大使が訴える、多様性ある社会とは(47NEWS)
https://nordot.app/897773721099632640?c=39546741839462401

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