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抗議集会の主催者が、差別的な冊子の内容の否定を求める要望書を提出しました

2022年07月11日

 「神社本庁」を母体とする政治団体「神道政治連盟」や自民党の国会議員による「神道政治連盟国会議員懇談会」の6月の会合で「同性愛は精神障害で依存症」「LGBTの自殺率が高いのは、社会の差別が原因ではない」などと非科学的で差別的な内容の冊子が配布されていた問題で、4日に抗議デモを開催した方たちが7月7日、冊子の内容を明確に否定することと、勉強会などを通じてLGBTQに対する正しい理解を党内に広めていくことの明言を求め、自民党宛てに要望書を提出しました。
 
 
 要望書を提出したのは、自民党本部前での4日の抗議デモ「Stand for LGBTQ+ Life」を主催したアンドロメダさんと、職場の同僚のワインさんです。要望書では冊子について、「LGBTQ+当事者に対する差別を助長する内容であることは明白」「当事者への社会的尊厳を失墜させている」などと批判し、自民党に対して次のことを求めました。
・LGBTQ+に対する差別冊子の内容を明確に否定すること
・LGBTQ+に対する正しい理解を当事者や有識者から学ぶ勉強会等を通して、自民党内で広めていくことを明言すること
 
 アンドロメダさんたちは併せて、要望書に対する党の見解も求めましたが、受け取った党本部の建物を管理している法人の職員は、自民党は冊子の発行元ではないので回答できず、神道政治連盟に問い合わせてもらった方がよいなどと話しました(※TBSのニュースによると、会合では司会の議員が「読んでほしい」と呼びかけて配布されています)。要望書は党側に渡すとしています。

 提出を終え、ワインさんは取材に「発行元でなくても、冊子を配布された議員が所属する党側として、内容を否定してほしいという気持ちは変わらない。議員も党内から行動できるはずです」と語りました。「デモに参加できない人がレインボーのバッジをつけて気持ちを示すように、小さなことでも一般市民はできる。議員の方も党内から変えていくことはできるはずです」

 4日の抗議活動ではのべ約700人が現地で参加し、約300人がインスタグラムのライブ配信を視聴しました。その後、同じく声を上げたいというメッセージが寄せられ、8日に沖縄、9日に北海道でも抗議活動が行なわれます。
 アンドロメダさんは「小さなアクションから全国に広がり、声を上げる人が増えていることに希望を感じます」と語ります。「私たちだけでできることはすごく小さい。けれど、多くの人が参加することで、想像以上の変化を起こせると思っています」

 
 冊子の内容をめぐっては、kemioさん、Mattさんら多くの著名人が抗議しているほか、Change.orgで自民党に明確な否定を求める署名運動が行なわれており、3万7千人以上が賛同しています(7月7日現在)
 LGBT法連合会も声明を発表し、「こうした言説自体が人権侵害であるのみならず、極めて非科学的な事実誤認」と抗議しています(詳細はこちら
 また、ピンクドット沖縄も声明を発表し、「同性愛を『精神障害』や『依存症』と位置づけ、LGBTの自殺率が高いのは社会の差別が原因ではなく、本人自身の問題だという誤った認識が議員連盟の参加者に広がるのは世界的な世論に逆行する極めて危険な問題」だとしています(詳細はこちら
  
 
参考記事:
自民党議員の会合で配布のLGBT差別冊子 抗議の要望書を提出(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20220707/k00/00m/040/168000c
自民会合のLGBTQ差別冊子、当事者ら要望書を提出。内容の否定を求める(ハフポスト日本版)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_62c69a7ee4b0d740197f723d
「LGBTへの正しい理解を」市民団体が自民党に要望(琉球新報)
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1547565.html
「LGBTへの誤った認識を拡大」自民の差別文書に抗議 ピンクドット沖縄が声明(琉球新報)
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1547563.html


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