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明日の「結婚の自由をすべての人に」訴訟の東京地裁判決を前に、前夜祭イベントが開催されました

2022年11月29日

 11月30日の「結婚の自由をすべての人に」訴訟東京地裁判決に向けて前夜からイベントが開催とのニュースでお伝えしたように、いよいよ明日の14時、「結婚の自由をすべての人に」東京訴訟の判決が東京地裁で下されます。2019年のバレンタインデーの日に全国で一斉に始まった婚姻平等訴訟ですが、コロナ禍での遅滞もあり、3年9ヶ月という歳月を経て、ようやく東京地裁の判決が出ることに。世界的にも注目が集まるなか、東京地裁が札幌地裁と同様、同性婚を認めないのは違憲であるとの判断を示してくれるよう、期待が高まります。
 そんななか、WeWork城山トラストタワーとオンラインで、前夜祭イベントがハイブリッド開催されました。簡単にレポートをお届けします。

 最初は、原稿の方たちや永野弁護士などの熱いメッセージやトークが届けられ、チャット欄では「みなさんのビデオメッセージ、泣いちゃう」「明日、郁さんが必ず力をくれると思います」といったたくさんのコメントが寄せられていました。

 それから、司会のブルボンヌさんが登場し、東京弁護団の一員であり「結婚の自由をすべての人に」訴訟の代表でもある寺原弁護士、原告のただしさん、東京都にパートナーシップ制度を求める会の山本そよか代表、KANE&KOTFEさん、原告で元東京レインボープライド共同代表の山縣さんが登壇し、トークイベントが行なわれました。
 ブルボンヌさんはまず、社長さんが突然事故に遭い、その長年のパートナーの方が病院で家族と認められなかったことに触れ、同性婚のことが本当に自分事として感じられたという話をして、共感を呼びました。それから、ゲストの方にお話を(笑いを交えながら)聞いていきました。
 おそらく「Marriage For All Japan -結婚の自由をすべての人に(以下MFAJ)」のイベントに登場するのは初めてとなるKANE&KOTFEさん。KOTFEさんは、11年つきあっていて、10年の節目で世田谷区でパートナーシップ宣誓をしたことや、東京都のパートナーシップ宣誓もしたこと(病院などでより認められやすくなるとの考えから)、昨年3月まではクローゼットだったが、それぞれ消防士・警官の職を辞してから、改めて、やっぱり同性婚が必要だと感じ、活動してきたこと、先日は模擬結婚式も挙げた、といったことをお話しました。KANEさんは、なぜここにいるかというと、世田谷に引っ越して、同性婚訴訟原告の小野春さん&西川麻実さんと知り合い、素敵なお二人がすごいことをされてると知って、そこから訴訟を応援するようになった、自分もわからないことがあるが、勉強しながら応援したいと語りました。
 東京都にパートナーシップ制度を求める会の山本そよかさんは、10年くらいパートナーシップを築いているが、東京都で制度が認められない、誰もやらないなら自分がやろうと思った、若いとき、同性を好きになって苦しかった、10年前、小野春さんなどの活動を見ていて、同性婚を実現させたいと強く思っていた、裁判はすごいことだし、原告のみなさんに感謝している、と語りました。「SOGIにかかわらず不当な扱いを受けないこと」を目標として活動しているため、今後も活動を続けていくそうです。
 元TRP共同代表の山縣さんは、25年くらいのパートナーがいて、つきあいはじめた90年代末は、同性で結婚なんて考えられない時代だったが、いま、こうして裁判が起こっていること自体がすごい、若い方が運動を広げていってくれてる状況には隔世の感を覚える、大きな流れはできてると感じる、と語りました。
 寺原弁護士は、いろんなシーンで活動している方がいて感動を覚える、この訴訟を通じて、婚姻を求めている方たちと知り合い、自分も勇気をもらっている、10年前までは、女性問題には取り組んでいたものの、LGBTQイシューには無関心だったが、2011年にゲイの弁護士と話す機会があり、雷に打たれたような衝撃を受け、完全に人生が変わった、今は性的マイノリティの人権にのめり込むようになった、8割MFAJのことをやり、残りの2割の仕事で生活している状況だと語りました(これにはブルボンヌさんも「超スーパーアライですね」との賛辞を送っていました)。札幌地裁では原告や弁護団の方もそうだけど、何十年も前から個々に頑張ってくれていた方たちのおかげでもあると感じた、東京も明日いい判決が出たとして、それはみなさんのおかげです、と語っていました。
 原告のただしさんは、ひっそりと生きていきたい人で、最初はとても怖いと感じていたと、しかし、もし自分が若い時に結婚できていたらどうだっただろうなと考えた、周囲に結婚を祝ってもらえたり、マイホームを持ったり、子どもも育てたりという希望が持てたはずで、絶対にそうなった方がいい、一日でも早い方がいい、それが実現できるんだったらという思いで引き受けることにしたと語りました。兄弟や友人の結婚式に参加してきたが、自分のは想像したことなかった、もし祝ってもらえたら嬉しいと思う、とも。
 その後、参加者や視聴者の方からの「法整備がされたら即婚姻届を出しますか?」「医療の現場でできることは?」「アライに求めることは何ですか?」といった質問に答えました。寺原弁護士が、この裁判は必ず最高裁に行く(負けた方が控訴するが、たとえ国が一審・二審で負けても必ず控訴・上告するので)、もし最高裁で違憲判決が出たとしても、法的に自動的に同性婚できるようになるわけではないが、これまで11の違憲判決が出た訴訟に関してはいずれも、きちんと国会が法律を変えているので、きっと国会の中で議連ができて、具体的にどういう法律にするかという話し合いがなされるはずだと述べて、とても勉強になったのですが、そのあと、ブルボンヌさんが「必ず最高裁まで行くということはわかりましたが、一審、二審の判決で勝つこと(違憲判決が出ること)はどれくらい意味があるのでしょうか?」という鋭い質問をしていて、寺原さんは、「地裁で違憲判決、高裁で違憲判決が出た場合、それなりの説得力ある論旨が示されます。最高裁がそれを覆すのは、ハードルが高いこと」だと解説してくれました。なので、明日の東京地裁で違憲判決が出たら、それはとても意味があることだというわけです。逆に、一審、二審で負けても(違憲ではないとの裁定が下っても)最高裁で逆転違憲判決が出ることもあるので、希望は捨てないで、とのことでした。
 最後にブルボンヌさんは、1994年に初めてパレードが開催された際、正直、大手を振って公道を歩くなんて「正気の沙汰じゃない」と思ったが、気になって(明子ねえちゃんのように)そっと見ていたら、知った顔もいて、結構楽しそうだった、パレードいいかも、って思って、翌年はフロートまで出して参加したというエピソードを紹介し、人も世の中も変わる、と語りました。

 前夜祭に続き、2019年に婚姻の平等が実現するに至った台湾の3組のカップルをフィーチャーしたドキュメンタリー映画『愛で家族に~同性婚への道のり~』の上映会も開催されました。
 
 きっと勝訴(違憲判決)だと信じ、願う方々の声があちこちでこだまし、婚姻平等への思いがあふれているのを感じられる前夜となりました。
 明日は幸い、雨もやみ、比較的暖かい日になりそうです。傍聴や報告会イベント等に行かれる方もいらっしゃるかと思います。勝訴の喜びを分かち合いたいですね。

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