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「結婚の自由をすべての人に」九州訴訟が結審、来年6月8日に判決

2022年12月10日

 「結婚の自由をすべての人に」九州訴訟が8日、結審しました。判決は来年6月8日に言い渡される予定で、2019年に始まった一連の裁判の中で最後に出される一審の司法判断となります。


 戸籍上同性どうしのカップルの結婚が認められないのは、婚姻の自由や法の下の平等などを定める憲法に違反するとして国に賠償を求める「結婚の自由をすべての人に」訴訟は2019年、北海道、東京、愛知、関西、九州の全国5ヵ所で起こされていて(東京ではトランスジェンダーの原告の方なども含めた二次訴訟が2021年に始まっています)、福岡地方裁判所では、福岡市に住む男性2人など3組のカップルが原告になっています。
 
 8日に福岡地裁で行なわれた最後の期日では、まさひろさん、こうぞうさん、ゆうたさん、ミコさんの4人の原告と森あい弁護士が法廷で意見陳述を行ないました。たくさんの方が傍聴を求めて福岡地裁に詰めかけ、抽選となったそうです。
 福岡市在住のまさひろさんは、自身がゲイだと父親に直接話すことができなかったと、性的少数者が周囲にうそをつき続けたり、家族が葛藤を抱えたりする現状はおかしいと語り、「同性どうしの結婚を法制化しても、傷つく人は一人もいません。好きな人と一緒になるという当たり前の権利を奪われている人がいなくなるだけです」「社会を変えるきっかけを与えられるのが裁判所だと思います。未来に希望を持てる人生を送れるように力を貸してください」と語りました。
 熊本市在住のこうぞうさんは法廷で「いま私たちはこの国で一方的に排斥され、未来の選択肢を奪われ続けている。求めているのは婚姻の平等であり他の特別な制度ではない」「私たちとこれから生まれる当事者にとって救いとなる判決を願う」と語りました。また、熊本朝日放送の取材に対して「今ある婚姻制度を、大切な人が同性であっても使える状況を一日も早く作ってほしい」と、記者会見では「365日同性婚のことを考えない日はない。法律上も家族になりたいんだということを諦めずにしっかりと伝えていきたい」と語りました。
 こうぞうさんのパートナーであるゆうたさんは、法廷で「目に見える形で同性カップルの家族が認知され社会の理解を増進する助けになる」と語りました。記者会見では「『別の制度でもいいじゃない』という人に対して、何で同じじゃいけないの?と聞きたい。別制度は話が違うと私は思っています」「ここにいる皆さん、ここにはいないけれど全国で待ち望んでいる皆さんと一緒に喜べるような判決を期待したいと思っています」と語りました。
(意見陳述の内容はこちらからご覧いただけます。「その他」の【九州・第11回】のところです)
 
 「結婚の自由をすべての人に」九州訴訟はこの日結審し、判決は来年6月8日に言い渡されることになりました。
 全国5ヵ所で起こされている一連の裁判では、これまでに札幌地裁が14条に反する(違憲である)と判断し、大阪地裁は合憲であると、そして先日の東京地裁では24条2項に反する(違憲である)との判断が示されています(メディアの記事では「合憲」とされているものもありますが、違憲です。こちらの木村草太氏の解説をご参照ください)
 来年5月30日には名古屋地裁で判決が予定されていて、その10日後の6月8日に最後の一審判決として福岡地裁での司法判断が示されることとなります。プライド月間ということもあり、大きな注目が集まりそうです。
 
 
 

参考記事:
同性婚めぐる裁判が結審 判決は来年6月 福岡地裁(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/fukuoka-news/20221208/5010018401.html
「家族になりたい」同性婚訴訟 原告が最後の訴え(KAB熊本朝日放送)
https://www.kab.co.jp/news/?NewsData=202212086114.php&path=video/202212086114.mp4&mode=1
「同性婚認めないのは違憲」九州訴訟が結審【熊本】(くまもと県民テレビ)
https://www.kkt.jp/nnn/news1005or1zv987i9tfamr.html
福岡の同性婚訴訟が結審、判決は来年6月(共同通信)
https://nordot.app/973495241673523200?c=581736863522489441
同性婚訴訟結審 来年6月に判決 福岡地裁/福岡(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20221210/ddl/k40/040/230000c

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