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昨年のHIV新規感染報告数が870人で過去最少を記録しました

2023年03月23日

 厚生労働省のエイズ動向委員会は22日、昨年1年間の新規HIV感染者およびエイズ患者の報告数(速報値)を発表しました。新たにHIVに感染した方は625名、新たにエイズを発症した方は245人名で、合計870名となりました。過去20年で最も少なかったことになります。
 同性間性的接触による感染は、新規HIV感染者で437名(全体の69.9%)、新規エイズ患者で121名(49.4%)でした。

 コロナ禍の間、保健所が新型コロナウイルスの対応に追われ、HIV検査を中止するところが相次いだため、HIV検査の件数の減少が続いていましたが、昨年は全体で7万3104件となり、前年比25.6%増となりました。ただし、流行前の2019年と比べ半分程度の水準に落ち込んだままです。
 厚労省エイズ動向委員会の白阪琢磨委員長は「検査控えなどの影響で感染者を十分に把握できていない可能性もある。早い段階で治療を始めればエイズの発症を抑えることができるほか、感染を広げるリスクも減らすことができる。保健所や医療機関での検査を積極的に利用してほしい」と話しました。
 
 2020年、2021年とHIV検査数が激減し、HIV感染報告数も減りましたが、2022年は検査数が前年よりも25.6%増えたにもかかわらず、2021年(1023名)よりもさらに減って、過去最少を記録しました(1000名を下回るとか、初めて見ました)。ずっと1000名〜1200名くらいで推移してきたのが、ここに来てガクンと減ったのは、やはりPrEPの効果もあるのではないかと推測されます。(同性間性的接触が全体に占める割合が下がっていることも、PrEPが広まったMSMの間での感染が減っていることを示しているのではないでしょうか)

 国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センターの岡慎一センター長は、「首都圏の新規HIV感染者ゼロを目指して」と題した記事で、保健所での検査以外の検査方法のオプションを広げていくことの重要性を訴えるとともに、SH外来の研究について「パイロット研究でもPrEPの有効率は素晴らしく、PrEPを受けた方からのHIV感染はゼロであった」と述べています。「したがって、東京近郊で14,000人のMSMにPrEPが提供できれば、新規感染者はゼロに近づく計算である」
(PrEPをこれから始めたい、興味があるという方はぜひ、コラム「PrEPユーザーのリアリティ――2022年の現在地」や、数日前にYouTubeに上がった動画「PrEP薬服用者、看護師、HIV陽性者と語る手記集「わたしとPrEP」」などをご覧いただければと思います)

 なお、HIV感染が減っているのは喜ばしいことですが、全国的に梅毒の感染が過去最多レベルで増えていることや、MPOX(サル痘)の感染も広がりつつあることには留意が必要かと思います。
 梅毒についてはaktaの特設サイトをご覧いただき、ぜひ検査を(東京都新宿東口検査・相談室でHIVとセットで受けられます)。MPOX(サル痘)についてはぜひこちらのコラムをご覧ください。

 


参考記事:
去年 国内でHIVへの感染確認870人 過去20年で最少 厚労省(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230322/k10014016511000.html
エイズ発症者数、HIV感染報告数が過去20年で最少に 新型コロナ影響で検査機会減少(日テレNEWS)
https://news.ntv.co.jp/category/society/3d893af99ba642ff9f4a2de9cc098f00
エイズ感染、6年連続で減少 検査数増加も低水準(共同通信)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/239528
HIV報告、過去20年で最少 検査数増もコロナ前の半数―厚労省(時事メディカル)
https://medical-tribune.co.jp/news/2023/0323556067/
HIV新規感染者が6年連続減少…コロナ禍で検査件数半減の影響か(読売新聞)
https://www.yomiuri.co.jp/medical/20230323-OYT1T50110/

首都圏の新規HIV感染者ゼロを目指して(ぷれいす東京)
https://ptokyo.org/column/post/15628

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