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TRPが「Tokyo Pride」にリニューアル、来年の代々木公園でのプライドパレード&フェスティバルは6月7日・8日に開催

2024年11月28日

 先月、TPRの杉山文野さんが共同代表を退き、新体制となることが発表されましたが、このたび、TRPなどのイベント、コンテンツの総称を「Tokyo Pride(トウキョウプライド)」に改め、2025年6月に開催することがアナウンスされました。プライドパレード&フェスティバルは2025年6月7日(土)・8日(日)に代々木公園で開催予定です。日本のプライド30周年を経て、改めて名称や開催形式、時期などを見直し、世界的なプライド月間の時期にLGBTQ+への理解と人権を考える多彩なイベント等を開催していく、とのことです。特定非営利活動法人東京レインボープライドという団体名はそのままだそうです。以下、プレスリリースよりお伝えしていきます。

「Tokyo Pride 2025」開催の背景(名称等の変更の趣旨)
 東京レインボープライドは、LGBTQ+の当事者および支援者(アライ)とともに、“性”と“生”の多様性を祝福し、つながる“場”を提供することを目的に、2012年より代々木公園を中心にTRPのプライドパレード&フェスを開催してきました。2012年には4,500人が参加し、年々規模を拡大、2024年4月には過去最多の27万人が参加しました。
 さらに、当事者個人だけでなく、LGBTQ+のコミュニティ団体はもちろん、国内外の企業、行政、政治家、各国の駐日公館、メディア、アーティスト、市民団体など、さまざまな支援者が関わり、ムーブメントは大きく成長しました。この間にLGBTQ+に対する社会認識は大きく変わり、可視化が進みました。
 一方で、LGBTQ+が直面する困難や課題は依然として多く残っており、課題の可視化と解決に向けた取組みを、さらに強化していく必要があります。
 このような背景を踏まえ、東京レインボープライドは、LGBTQ+コミュニティの課題と文化をより深く理解し、具体的な課題解決につながる機会として「Tokyo Pride」を開催していきます。東京レインボープライドが団体として発信するイベント等のコンテンツを多様化し、より包括的なアプローチができるように名称を変更しました。この変更により、国内外から多くの人々が参加しやすいイベント等へと進化することを目指しています。
 「Tokyo Pride 2025」では、法整備や人権、エクイティの問題に焦点を当て、SOGIEだけでなく、インターセクショナルな課題にも取り組んでいきます。
 
「Tokyo Pride 2025」開催概要
開催時期:2025年6月
開催場所:東京都内(詳細会場は後日発表)
内容:Tokyo Pride 2025では、6月のプライドマンスに合わせて、1ヵ月間にわたってLGBTQ+関連の多彩なイベントやコンテンツを提供する予定です。代々木公園でのプライドパレード&フェスティバルに加え、ユース世代を対象としたイベントやアート関連イベント、人権について考えるHuman Rightsカンファレンス、教育系YouTube番組など、さまざまな形でLGBTQ+コミュニティの課題と文化を深く理解し、具体的な課題解決につながるための機会を提供します。

「Tokyo Pride Parade & Festival」
日程:2025年6月7日(土)・8日(日)
会場:代々木公園(東京都渋谷区) 

公式ティザーサイト:
https://pride.tokyo
※公式サイトの開設は、2025年2月頃を予定
※ボランティアの一般募集は、2025年3月頃を予定
※その他の詳細については、今後のプレスリリース、Tokyo Prideの公式サイトやSNSで随時お知らせします

「Tokyo Pride 2025 テーマ&ステートメント」
Same Life, Same Rights

生まれてから大人になり、老いて人生を終えるまで
わたしたちには人生の中で様々な選択をする権利がある。

しかし、LGBTQ+であることや、
ジェンダー、人種、民族、宗教、出生、障害、経済的背景などの違いにより
「自分らしい人生を歩む権利」が平等に与えられず
人生の選択が奪われている人たちがいる。

自分らしく学ぶ権利、働く権利、恋愛する権利、住む権利、健康を守る権利、結婚する権利、家族になる権利。

同じ命を持って生まれてきたわたしたちには
どんな属性であっても、平等に生きる権利があるはずだ。

その権利を取り戻すためには、法整備が必要となる。
構造的な差別や偏見がなくなり
同じ権利がすべての命に与えられ、守られる社会へ変わるまで、
私たちはSame Life, Same Rightsを訴え続ける。

 Tokyo Pride 2025のテーマ「Same Life, Same Rights(=同じ命、同じ権利)」は、LGBTQ+コミュニティをはじめ、すべての人々が平等・公平に生きる権利を持つというメッセージを強調しています。「自分らしい人生を歩む権利」が制限されることなく、誰もが「らしく、たのしく、ほこらしく」生きられる社会の実現を目指し、Tokyo Pride 2025を通じて、多様性を尊重し共生できる社会づくりを推進していきます。
(以上、プレスリリースより)



 2012年から一貫してGWの辺りに開催されてきたTRPが、新体制となったことをきっかけに、名称や開催時期の変更を行なうことになりました。
 少し東京のプライドパレードの歴史を補足すると、砂川英樹さんが2000年に始めた東京レズビアン&ゲイパレードが2007年に東京プライドパレード(TPP)と名称変更され(主催団体はTOKYO Pride)、2010年まで開催されました。ニューヨークのプライドパレードはニューヨークプライド(NYC Pride)、サンフランシスコのプライドパレードはサンフランシスコプライド(San Francisco Pride)ですから、東京プライドという名称は国際標準に即しています(「Pride」といえばLGBTQ+のプライドを意味しますので、本来は「レインボー」をつける必要はないのです)
 2000年代のパレードは(私も2001年に実行委員を務めましたが)一般企業の協賛もなく、行政などの支援も乏しく、実行委員やボランティアスタッフの負担が非常に大きく、消耗も激しく、それゆえに毎年実行委員長をはじめスタッフが大幅に交代したり、開催できない年が続いたり、様々な困難に直面していました。毎年安定してパレードを開催することが、東京のLGBTQコミュニティの大きな課題となっていました。その課題を解決しよう、毎年パレードを歩きたいというコミュニティの人たちの思いに応えようと2011年5月、新たに東京レインボープライドという団体が結成され(詳細はこちら)、2012年のGWに第1回のTRPを開催しました。
 東京レインボープライド(TRP)はこのような経緯で始まり、見事に毎年開催され続け、こんなにも大きく成長しました。
 初開催から12年(一回り)を経て、杉山さんが退団して新体制になり、改めて本来的な名称の「Tokyo Pride」を採用し、(もともと8月開催だったパレードがTRPによってGWに移ったのは気候がいいとか集まりやすいという理由だったと思いますが)世界的なプライド月間にパレードを開催しようとすることには正統的な意味があります。「レインボー」がなくなったからといって何かを捨てたというようなことにはならないはずです。
 また、海外では、シドニーの「Gay and Lesbian Mardi Gras」やメルボルンの「Midsumma Festival」などのように、パレードだけでなく1ヵ月にわたってLGBTQ関連のイベント(ピクニックなどのコミュニティイベント、映画祭、クラブパーティ、アート展、カンファレンスなど)が開催されるのはよくあるスタイルですので、プライド月間の1ヵ月間に様々なイベントを開催していこうとするのもスタンダードなあり方だと感じます。
 来年、新しくなった「Tokyo Pride 2025」のパレード&フェスティバルが、雨に降られず、晴れやかに開催されることを期待しますし、今後発表されるその他のコンテンツの続報も楽しみに待ちたいと思います。
 
(後藤純一)


 
出典:
NPO法人東京レインボープライド、2025年6月の世界的なプライドマンスに合わせ「Tokyo Pride 2025」の開催を決定!(東京レインボープライド)
https://tokyorainbowpride.org/news/20241128/3483/


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