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中国当局がアップルにゲイアプリ削除を指示、取締り強化の懸念

2025年11月12日

 中国で人気の2つのゲイ向け出会い系アプリがApp Storeから姿を消しました。アップルが11日、中国当局から削除を命じられたことを明らかにしました。中国でのネット上のコンテンツに対する取締りの強化が懸念されています。
 
 
 日本では「ポッキーの日」としてセクシーな画像が飛び交っていた11月11日、中国のApp Storeから「Blued」と「Finka」が姿を消し、アンドロイド端末向けの国内プラットフォームからも削除されました(「Grindr」も2022年に削除されているそうです)。中国では当局が説明なしにコンテンツを規制することが常態化しているそうで、今回のゲイアプリの削除についても公式発表がありませんでした。米アップル社が11日、中国のサイバースペース管理局(CAC)の要請に基づいてアプリを削除したと公表し、これが当局の検閲であったことが明らかになりました。
 
 CNNによると、中国は世界でも屈指の厳格なネット検閲と監視体制を敷いており、検閲の対象にはポップカルチャーにおけるクィアな表現(耽美=BL娘炮=男の娘)なども含まれています。
 ここ10年でプライドイベントの中止団体の活動停止をはじめ、同性愛をテーマにした映画やテレビ番組の禁止、LGBTQ関連のSNSアカウントの閉鎖など、LGBTQへの締付けがどんどん強まってきています。2021年には当局がゲーム会社に「女々しい」コンテンツの削除を命令したり、「フェミニンな男性アイドルの登場を制限する」通達を発するなどして、性表現やジェンダー的多様性に対する規制が加速されました。
 今年に入ってからはBL作家が200人超、一斉摘発されています。cokiによると、多くは若い女性の作家たちで、BL小説の投稿で得た利益は極めて小さいにもかかわらず、警察が全国規模で動員され、大規模な取締りが行われた背景には、単なる法執行を超えた「価値観統制」の意図が透けて見える、とされています。CNNは「当局は西洋の価値観の不当な影響とみなすものに対する統制を強化している」と指摘しています。
 
 これらのアプリを利用していたジャオさん(仮名。30歳)はCNNに対し、今回削除された2つのアプリは、ゲイが集まる場がほとんどない地方で友達を見つけるツールになっていたと語りました。「そもそも、ゲイコミュニティのためのオフラインの空間があまりなかったと感じている。今、オンライン空間も制限されているので、コミュニティの空間はますます狭まっているように感じる」
 
 中国では市民レベルではLGBTQへの理解が進んでいるとの報道も過去には見られましたが、2021年に中国で最も有名な女子サッカー選手である李影選手がレズビアンであることをカムアウトした際は、ホモフォビックなコメントが多数寄せられ、わずか1日でこの投稿が削除されています。当局がLGBTQの運動や同性愛やクィアな表現を逮捕までして規制している以上、社会の理解が進むとは考えにくいです。
 
 同性愛やジェンダークィアな表現を“西洋の価値観の不当な影響”とみなし、統制するというのは、中国だけでなく、ロシアハンガリーなどもそうです。独裁的、強権的な専制国家はそうやってLGBTQをスケープゴートにし、排除・弾圧することで国民の不満をそらし、政権の維持を図ろうとしてきました。
 まさかとは思いますが、日本がそういう国にならないことを切に願います。ナイモンが使えなくなるなんて、考えたくもないですよね…。台湾やカナダやオーストラリアや西欧・北欧諸国のような人権を重んじる民主国家では性的な自由も花開いてきましたが(台湾、どんどん自由になってきてますよね)、日本もそちら側に居続けてほしいです。
 
 
 
参考記事:
中国、同性愛者向け出会い系アプリ削除を命令 アップル確認(AFP=時事通信)
https://www.afpbb.com/articles/-/3608198
同性愛者向け出会い系アプリ二つが姿消す、取り締まり強化の懸念強まる 中国(CNN)
https://www.cnn.co.jp/tech/35240361.html

中国「BL作家」取り締まりの「真の目的」とは?...背景の「もっと深い闇」を西側は見逃している(Newsweek)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/culture/2025/08/563630_1.php
中国、BL作家を200人超一斉摘発 女性の自己表現が「国家の脅威」になるとき(coki)
https://coki.jp/article/column/55719/

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