g-lad xx

NEWS

浅沼智也さんが無罪確定したのに「性暴力疑惑」発言を撤回しない杉並区と区議を提訴しました

2026年08月04日

 2025年1月、青森県内に住む知人の女性に東京都内のホテルで抱きついたとして強制わいせつの疑いで2024年に逮捕・勾留されながらも無罪が確定した元TransgenderJapan共同代表・浅沼智也さんが、無罪であることが確定したにもかかわらず、当時の杉並区議会での「性暴力疑惑」に関する田中裕太郎区議の発言がいまだに区の公式サイト上に載っていることについて、人格権に基づく妨害排除請求として関連する記載や動画の削除を求め、区と田中区議に対して損害賠償を起こしました。

 
 2025年2月4日、浅沼さんは都内での記者会見で涙をにじませながら「やっと声が出せるようになった」と語りました。旧知の仲で団体の活動も支援してくれていたAさんが2023年10月に突然、半年以上も前の、二人が都内のホテルで同室になった際のことを持ち出し、浅沼さんに性加害を受けたと言い始め(その直前にAさんはTransgenderJapanの畑野代表とSNS上で口論していました。畑野氏とAさんとの個人的な確執が原因で、浅沼さんが巻き添えに…Aさんの訴えは虚偽の“告発”だったのです)、浅沼さんは一貫して否認を続けていたのに、刑事事件にまで発展し、24年3月に青森県警に逮捕され、威圧的で恐怖を覚えるような態度で取調べがなされたり、自白を強要されたり、トランスジェンダーであるがゆえのハラスメントもあり…本当に辛い経験を強いられました(詳しくはこちらをお読みください)
 青森地裁の判事さんが丁寧に事実関係を調べ、晴れて無罪が確定し、それは本当によかったのですが、しかし、今もなお、解決されていない問題が残っていたのです。
 
 Aさんが虚偽の“告発”を行なった1ヵ月後の11月21日、杉並区議会本会議で田中区議が「LGBTQ+理解促進講座で講師を務めた映画監督の浅沼智也氏の性暴力疑惑が浮上しております。同講座は直ちに中止すべきと考えますが、見解を求めます」と発言し(その模様は動画でライブ配信されました)、杉並区はこれらの発言を(真偽を確かめることなく)そのまま議事録として杉並区の公式サイトに掲載し、「区議会だより」にも同様の発言を掲載し、区内約13万戸に配布するとともに、公式サイトにも公開しました。
 その後、浅沼さんの無罪判決が確定しましたが、依然としてこれらの発言や「区議会だより」はそのまま掲載されており、浅沼さんは区に対し、動画の削除などを求める要望書を出してきたものの、応じてもらえなかったため、提訴を決意しました。
 訴状では「区議の発言で性暴力の犯人と決めつけられ、杉並区が区議の発言を広く世に拡散したことにより、社会的評価を著しく傷つけられた」として、人格権に基づく妨害排除請求としてHP上の関連する記載や動画の削除を求めています。
 霞が関の司法記者クラブで記者会見を開いた浅沼さんは、「無罪判決が確定した後も、あたかも私が性暴力を行なったかのような情報が載り続けることは適切なのでしょうか。私は、今回の経験を通して、刑事裁判が終わっても社会的な裁判は終わらないと痛感しました。公的機関や公職者の情報発信のあり方について司法判断を求めたい」と語りました。

 朝日新聞によると、区は「訴状が届いていないのでコメントできない」とし、田中区議は取材に応じませんでした。
 
 当該発言が速やかに区のサイトから削除されるとともに、一日も早く「社会的な裁判」が終息し、冤罪被害者である浅沼さんの名誉や人権が回復されることを願います。

 
 
参考記事:
無罪確定後も「疑惑」指摘した発言が議事録に 杉並区と区議を提訴(朝日新聞)
https://digital.asahi.com/articles/ASV842JP2V84UTIL00XM.html

無罪確定したのに「性暴力疑惑」消えない…トランス団体元代表、杉並区と区議を提訴「表現保護の価値なし」(弁護士ドットコム)
https://www.bengo4.com/c_18/n_20741/

INDEX

SCHEDULE

    記事はありません。