REVIEW
アート展レポート:shinji horimura個展「神と生きる漢たち」
11月17日から新宿で開催されているshinji horimuraさんの個展「神と生きる漢たち」をレポートします。関西各地の伝統的な祭りに参加する日本男児たちの姿を描き出した男絵の数々を堪能してください
![アート展レポート:shinji horimura個展「神と生きる漢たち」 アート展レポート:shinji horimura個展「神と生きる漢たち」](assets/images/review/ART/horimura/shKO23_top.jpg)
和紙と日本画材を使って無骨な日本男児を専門に描く男絵師で、大阪で個展を開いたり、「男のフェチズム展」などにも出展するなどしてきたshinji horimuraさんの個展「神と生きる漢たち」が新宿眼科画廊で始まりました。初日の様子をレポートいたします。
shinji horimuraさんの今回の個展は、日本の伝統的な祭りがテーマ。那智の火祭り(和歌山)や灘のけんか祭り(兵庫)など関西各地の祭りを取材して回り、神事としての祭りの勇壮さ、厳かさ、美しさとともに、褌やまわしを締めた日本男児たちが醸し出すほのかなエロティシズムを表現した男絵が展示されています。「見せる」ことを意識していないノンケさんたちの無防備であっけらかんとした裸のセクシーさというものがよく表現されていた気がしました。
和紙に描いた絵を板に貼った作品や(すでに買い手がついていました)、筋肉質な烏天狗が(「聖セバスチャンの殉教」のように)矢に射られているセクシャルな情景を色面分割で描いた作品などもあり、実に多彩です。これまでの個展の図録なども展示されています。
会場にhorimuraさんもいらっしゃって、お会いするのは初めてだったのですが、関西のお祭りのことや、絵の制作秘話などいろいろ教えていただいて、楽しかったです。(地方から来られたお祭り好きな方もいらっしゃいました。各地の“奇祭”と言われるような裸祭りの多くはゲイの方の参加で成り立っていると教えていただきました)
22日水曜まで開催されていますので、祭りが好きな方、褌や日本男児が好きな方などもぜひ、お出かけください。moriuoさんの個展とのハシゴも素敵だと思います。
神と生きる漢たち shinji horimura個展
会期:2023年11月17日(金)~22日(水)
会場:新宿眼科画廊 スペースO
開場時間:12:00-20:00(水曜 17:00まで)
木曜休廊
無料
なお、18日土曜の夕方にはOpening Partyが開催されます。「BUFF」のフロントマンを務めるASAOさんがGX3提供の和装の衣装に身を包み、祝い酒を振る舞ったりするそうです。(奇しくもこの日は二丁目で六尺ナイトもありますね。祭りづくしの夜を楽しめそうです)
神と生きる漢たち shinji horimura個展 Opening Party
日時2023年11月18日(土)17:00-19:30
会場:新宿眼科画廊 スペースO
※今後もゲイの作家さんの個展がいろいろ開催されます。特集:2023年秋冬のLGBTQアート展をご覧ください
INDEX
- 大興奮!大傑作!本当に面白いクィアSFアクションムービー『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
- 実にポップでインテレクチュアルでエモーショナルで画期的な『極私的梅毒展』@akta
- 女性と同性愛者を抑圧し、ペストで死ぬ人々を見殺しにする腐敗した権力者への叛逆を描いた映画『ベネデッタ』
- トランスジェンダーへの偏見や差別に立ち向かうために読んでおきたい本:『トランスジェンダー問題: 議論は正義のために』
- 『痛快!明石家電視台』ドラァグクイーン大集合SP
- 殺伐とした世界に心を痛めるすべての人に観てほしいドラマ『THE LAST OF US』第3話
- 3人のドラァグクイーンのひと夏の旅を描いたハートフル・コメディ映画『ひみつのなっちゃん。』
- 40歳のゲイの方が養護施設で育った複雑な生い立ちの20歳の男の子を養子に迎え入れ、新しい家族としての生活を始める姿をとらえたドキュメンタリー映画『二十歳の息子』
- 貧しい家庭で妹の面倒を見る10歳のゲイの男の子が新しい世界を切り開こうともがき、成長していく様を描いた映画『揺れるとき』
- ゲイコミュニティへのリスペクトにあふれ、あらゆる意味で素晴らしい、驚異的な名作『エゴイスト』
- ドラァグクイーンの夢のようなロマンスを描いたフランス発の短編映画『パロマ』
- 文藝賞受賞、芥川賞候補の注目作――ブラックミックスのゲイたちによる復讐を描いた小説『ジャクソンひとり』
- ドラァグクイーンによる朗読劇『QUEEN's HOUSE〜あなたの知らないもうひとつの話〜TOKYO』
- 伝説のゲイ・アーティストの大回顧展『アンディ・ウォーホル・キョウト』
- 謎めいたゲイ・アーティストの素顔に迫るドキュメンタリー映画『アンディ・ウォーホル:アートのある生活』
- 『ボヘミアン・ラプソディ』の感動再び… 映画『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』
- 近年稀に見る号泣必至の名作ゲイ映画『世界は僕らに気づかない』
- ぼくらはシンコイに恋をする――『シンバシコイ物語』
- ゲイカップルやたくさんのセクシャルマイノリティの姿をリアルに描いた優しさあふれる群像劇『portrait(s)』ほか
- TheStagPartyShow movies『美しい人』『キミノコエ』
SCHEDULE
記事はありません。