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Taylor Swift "You Need To Calm Down" MV

テイラー・スウィフトの新曲「You Need to Calm Down」のMVがついに公開! 30名近いクィア・セレブが出演する最高にレインボーなビデオ。歴史的です。

Taylor Swift

 テイラー・スウィフトが6月17日、大勢のクィア・タレントや著名人が出演する「You Need To Calm Down」のミュージック・ビデオを公開し、2日間で3000万回近く視聴され、180万のイイネがつきました。
 
 テイラーはMVを公開する前日、1億2000万人がフォローしているインスタで、「You Need To Calm Downのビデオに出てくれるよう、数人の友達にお願いしたの」と投稿しています。で、フタを開けてみたら、エレン・デジェネレス、アダム・ランバート、ル・ポール、ラヴァーン・コックス、『クィア・アイ』のファブ5(タン・フランス、カラモ・ブラウン、ジョナサン・ヴァン・ネス、アントニ・ポロウスキ、ボビー・バーク)、アダム・リッポン、ビリー・ポーター、ジェシー・タイラー・ファーガソン&ジャスティン・ミキタ、トドリック・ホール、チェスター・ロックハート、ヘイリー・キヨコら錚々たるクィア・タレントと、ケイティ・ペリー、シアラ、ライアン・レイノルズのようなセレブも出演しているではありませんか…これには心底たまげました。キャー!って感じです。
 これほどまでにたくさんのゲイやレズビアンの著名人が一度に出演するのは初めてですし、ここまでダイレクトにLGBTQでレインボーなMVは、マドンナやレディ・ガガ、ケイティ・ペリーですら作ったことがありません。テイラーじゃないと、こんなスゴい人たちを集められなかったと思います。全員が一堂に会したわけではないでしょうが、みなさんスケジュールを調整して集まって撮影したハズ。スゴいことです。本当に素晴らしい。歴史的です。






 
 大変に情報量が多いビデオですが、じっくりと解説します。
 テイラーが朝、トレーラーハウスの中で目を覚まし、身支度をしながらスマホを見ると、Twitterか何かで誹謗中傷されているのが目に入り、そのままスマホをベッドに投げ捨てます。スマホは「炎上」しはじめ、トレーラーは火の海に。テイラーは少しも慌てず、落ち着いた様子でプールを楽しみます。やがて、カラフルなトレーラーが集まった小さな町の様子が映し出されます。レインボーカラーなトレーラーの前でお尻を振っているのはデクスター・メイフィールド(プラスサイズなクィア・ダンサー)、その横でラジカセを持って佇んでいるのがハンナ・ハート(レズビアンの料理評論家)、ピンクのフラミンゴ(『ピンク・フラミンゴ』といえば、伝説のドラァグクイーン、ディヴァインが主演した傑作カルトムービーです)がたくさんいる庭にはラヴァーン・コックス(『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』に出演して一躍有名になったトランス女優)がいて、隣の家のチェスター・ロックハート(ゲイのシンガーソングライター)に手を振ると、チェスターが卒倒。そこへ、グリーン+ピンクのウィッグ、パープルのトップス、イエローのホットパンツというカラフルないでたちのテイラーと、仲良しのトドリック・ホールがやってきます。また違う家では、ヘイリー・キヨコ(レズビアンのシンガーソングライター)が弓を引いて矢が「5」の的に命中(多分「You Need To Calm Down」がニューアルバムの5曲目になるのでは?と言われています)、男性どうしの結婚式も行われていて、よく見るとそれはジェシー・タイラー・ファーガソン(『モダン・ファミリー』でおなじみのゲイの俳優)とジャスティン・ミキタ(ジェシーの夫)で、司祭の役を務めているのはシアラでした(シアラはノースカロライナ州で予定していた結婚式を、同州がトランスジェンダーを差別するトイレ法を施行したという理由でキャンセルするほどのアライです。NYCワールドプライドのオープニングイベントにも出演します)。一方、町には、「ホモは罪だ」などのプラカードを掲げたアンチゲイの人たちもいて、ゲイたちを罵っています。そんなことはお構いなしに、『クィア・アイ』のファブ5(タン・フランス、カラモ・ブラウン、ジョナサン・ヴァン・ネス、アントニ・ポロウスキ、ボビー・バーク)は優雅にお茶会を開いています。屋台ではアダム・リッポンがシックスパック(割れた腹筋)を見せつけながらかき氷を売っています。また別の場所では、アダム・ランバートが、エレン・デジェネレスの腕にタトゥーを彫っています。ベンチで日焼けを楽しむテイラーたちに向かって、アンチゲイの集団が抗議する、その間を、真っ赤なドレスを着て歩いてくるのが、ビリー・ポーター(『キンキーブーツ』に主演してトニー賞に輝いているほか、現在放送中の『POSE』にも出演。アカデミー賞のタキシード・ドレスも話題に)でした。舞台は「POP QUEEN PAGEANT」と題したドラァグクィーンコンテストに。「ル・ポールのドラァグ・レース」出演陣がアリアナ、ガガ、アデル、カーディ・B、テイラー、ビヨンセ、ケイティ・ペリー、ニッキー・ミナージに扮しています。そこに審査員のル・ポール(すっぴん)が王冠を持って登場します。そこからステージ前でケーキを投げ合うパーティが始まります。ライアン・レイノルズ(『デッドプール』主演俳優)は「ストーンウォール・イン」の絵を描いています。アンチ・ゲイの人々の前でケーキ投げ合いパーティは最高潮に達し、巨大なマック・ポテトのコスプレをした寂しそうなテイラーは、ついに探し求めていた仲間に出会った的な感じで、(今年のMET GARAのパーティで実際に着ていた)ハンバーガーのコスプレをしたケイティ・ペリーと抱き合うのです(二人は、バックダンサーの引き抜きをめぐって喧嘩していましたが、仲直りしていたのです)。反目しあっていたのがバカバカしいと言わんばかりに、アンチの人がプラカードを投げ捨てるシーン。愛にあふれたフィナーレです。
 そして最後に、「国レベルで市民全員が平等に扱われるようにするよう要求することで、私たちのプライドを示しましょう。「平等法(Equality Act)」へのオンライン署名をお願いします」というメッセージが表示されます(ピンク地の画面で)
 控えめに言って最高!です。テイラーのLGBTQ支援と愛のメッセージが、胸をふるわせます。

 ちなみに、冒頭、テイラーが画面に現れる直前、「MOM, I’M A RICH MAN」という言葉が壁に掛けられているの一瞬映りますが、これはシェールがお母さんに「あなたもいつか落ちついて、お金持ちの人と結婚しないと……」と言われ、「ママ、私がお金持ちの人よ」と返した、有名なエピソードへのリスペクトだそうです(LGBTQだけでなく、ジェンダーの平等のメッセージも込められていたのです)



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