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2017年春の映画特集

いよいよアカデミー作品賞受賞の『ムーンライト』が3/31より公開されますね! それだけでなくこの4月は「今ここで観ないと」な貴重なクィア映画がさまざま特集上映されます。

2017年春の映画特集

いよいよ(ゲイ映画として史上初の)アカデミー賞作品賞に輝いた『ムーンライト』が3/31より公開されますね。楽しみにしている方も多いと思います。『ムーンライト』の登場で、にわかに2017年上半期もクィア映画が豊作になった感があります。そんななか、実はこの4月、あまり情報が出回らない名画座系や特集上映などで、「今ここで観ないとこの先いつ観れるだろうか」的な貴重なクィア映画がさまざま上映されます。そうした情報を中心に特集をお届けします。

 


「カイエ・デュ・シネマ週間」でゲイ映画『キング・オブ・エスケープ』『湖の見知らぬ男』が上映
4/1 アンスティチュ・フランセ東京

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 2014年の東京国際レズビアン&ゲイ映画祭で上映され、立ち見が出るほどの大盛況を博した『湖の見知らぬ男』が再び日本で上映されます。『湖の見知らぬ男』は、もともとカンヌ国際映画祭「ある視点」部門で監督賞を受賞し(クィア・パルムも受賞)、フランスの権威ある映画批評誌「カイエ・デュ・シネマ」の2013年映画ベスト10で第1位(スゴイ!)に輝いたという、映画として国際的に絶賛された作品です。「カイエ・デュ・シネマ」のジャン=セバスチャン・ショーヴァンは『湖の見知らぬ男』について「おそらくアラン・ギロディのもっと美しい作品である。編集を抽象化し、視線や場所、距離の戯れを見せるその方法によって、ギロディはこれまでにない見事なデクパージュ(=カッティング)の技法に到達している(…)時代のあらゆる定義づけを超えて、本作は神話的次元に到達している」と述べています。単にハッテンビーチが舞台で男性器が大量に映し出される作品であるというインパクトだけではなく、アラン・ギロディ監督の独創性や芸術性が評価されているのです。

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 そのアラン・ギロディ監督は『湖の見知らぬ男』を撮る前に『キング・オブ・エスケープ』という奇想天外なゲイ映画を発表しています(こちらもカンヌに出品されています)。農機具のセールスマンのアルマン(43歳。独身のゲイ)は、人生にうんざりしていたが、たまたま不良に暴行されそうになっていた少女を助けたことがきっかけで、その少女・カルリから熱烈なラブコールを受け、彼女と関係を持つようになり…。ゲイが当たり前の世界でノンケに鞍替えしたらどうなるか、という社会実験のようなハチャメチャなコメディで、太ったおじさんがパンツ一丁で森の中を逃げ回るシーンのインパクトが話題になったそうです。「快楽的な考察となっている本作品は、今までにないような心に沁みるフランス映画となっている。『キング・オブ・エスケープ』を見終わった私たちは、あらゆる身体に欲望を感じるようになった不思議な気持ちで劇場をあとにするだろう」(ユジェニオ・レンジ「カイエ・デュ・シネマ」)
 
 この2作を含むアラン・ギロディ監督作品が、アンスティチュ・フランセ東京で開催される「第20回カイエ・デュ・シネマ週間」で特集されます。ゲストとして監督自身が登壇するトークイベントもあるそうです(注:アラン・ギロディ監督はストレートの方です)

『キング・オブ・エスケープ』
日時:4月1日(土)12:00(開場は20分前)
会場:アンスティチュ・フランセ東京 エスパス・イマージュ(東京都新宿区市谷船河原町15 飯田橋駅より徒歩7分)
料金:一般:1200円、学生:800円、会員:500円

『湖の見知らぬ男』
日時:4月1日(土)17:30(開場は20分前)
会場:同上
料金:同上
※上映後、ティーチ・インあり。登壇者:アラン・ギロディ、司会:矢田部吉彦


 


特集上映<ファッション・イン・ニューヨーク>で『キャロル』が上映
4/8〜4/14 Bunkamuraル・シネマ

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 4月8日から東京・渋谷のBunkamuraル・シネマで「『メットガラ ドレスをまとった美術館』公開記念特集上映<ファッション・イン・ニューヨーク>」という特集上映が行われます。ファッションの祭典「メットガラ」の模様を収めたドキュメンタリー映画『メットガラ ドレスをまとった美術館』の公開を記念し、ニューヨークを舞台にした作品が特集上映されるのですが、あまりにも有名なオードリー・ヘプバーンの『ティファニーで朝食を』や、『ニューヨーク・タイムズ』紙のファッションコラムを長年担当した写真家ビル・カニンガムを捉えたドキュメンタリー映画『ビル・カニンガム&ニューヨーク』と並び、不朽の名作『キャロル』が上映されます。
 昨年、『キャロル』のレビューで「『キャロル』は21世紀が生んだ『ローマの休日』かもしれない」と書きましたが、今回、『キャロル』と(『ローマの休日』と並ぶオードリー・ヘプバーンの代表作である)『ティファニーで朝食を』が一緒に<ファッション・イン・ニューヨーク>で上映されることは、あまりにも自然と言いますか、違和感なくハマっていると感じました。あの色使いや当時のニューヨークの空気感の表現の見事さが正当に評価されているのだと思います。
 ちなみにBunkamuraル・シネマはこれまでにも『さらば、わが愛/覇王別姫』や『太陽と月に背いて』『RENT』『サガン -悲しみよ こんにちは-』『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』『あなたを抱きしめる日まで』など、ゲイやレズビアンが登場する良質な映画をたくさん上映してきた映画館です。
 まだ『キャロル』をご覧になっていない方はぜひ、この機会にどうぞ。

『メットガラ ドレスをまとった美術館』公開記念 特集上映<ファッション・イン・ニューヨーク>
日時:4月8日(土)~4月14日(金)
会場:Bunkamuraル・シネマ
『ティファニーで朝食を』『キャロル』『ビル・カニンガム&ニューヨーク』を日替わりで上映
料金:一般1,200円、大学・専門学生・小中高生1,000円


 


新ギンレイ・オールナイト「名画座主義で行こう」でLGBTナイト開催、『わたしはロランス』『男として死ぬ』『GF★BF』の3本立て
4/21、4/22 飯田橋ギンレイホール


 飯田橋のギンレイホールでは毎月1回、週末に「名画座主義で行こう」というオールナイト上映を企画しているのですが(ちなみに2月は「大根仁監督特集」1月は「エミール・クストリッツァ特集」でした)、この4月は「LGBT(Lesbian Gay Bisexual Transgender)ナイト」と題して、『わたしはロランス』『男として死ぬ』『GF★BF』の3本をオールナイト上映するそうです。よくこの3本を選びましたね、と褒めたくなるような、実にシブい、絶妙なセレクトだと思います。どの作品も本当にオススメですし、映画館のスクリーンで観る機会は今後そうそうないと思います。興味のある方はぜひ、ご覧ください。
 
新ギンレイ・オールナイト「名画座主義で行こう」4月「LGBT(Lesbian Gay Bisexual Transgender)ナイト」 
日時:4月21日(金)・22日(土)23:00〜6:20頃
会場:飯田橋ギンレイホール
料金:一般:前売券1800円 当日券2000円、会員同伴・学生:1000円、シネマクラブ会員:割引価格800円


 


その他、現在上映中の作品


ムーンライト
TOHOシネマズ新宿ほか全国でロードショー公開中

たかが世界の終わり
新宿武蔵野館ほかで上映中

お嬢さん
TOHOシャンテシネマズ他で上映中

彼らが本気で編むときは、
新宿ピカデリー他で上映中

怒り
4/7まで早稲田松竹(高田馬場)で上映

ネオン・デーモン
4/7まで渋谷アップリンクで上映

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