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COLUMN

ゲイの孤独と「社会的健康」

この世界、若くして病気で亡くなってしまう方が多いのには何か理由があるのではないでしょうか…。孤独感が健康に及ぼす影響や、ゲイの「社会的健康」について考えました

ゲイの孤独と「社会的健康」

(写真は、とあるローカルなコミュニティのお花見の様子)


g-lad xxではこれまで性の健康(セクシュアルヘルス)のことを繰り返しお伝えしてきました。心の健康(メンタルヘルス)の悪化がセクシュアルヘルスにも影響を及ぼすということもお伝えしたと思います。でも、若くして突然、病気で亡くなってしまうゲイの方が多いのには何か別のところに理由があるのでは…。孤独感が健康に及ぼす影響や、ゲイを取り巻く「社会的健康」のことについて考えました。



ねえ、どうして…

 この世界ってどうして若くして亡くなってしまう人が多いんだろう…って、ずっと昔から思ってました。人生80年のはずなのに、30代とか40代とかで亡くなる人が多すぎる…どうしてなんだろう?って。友人が亡くなるたびに、胸が張り裂けそうな気持ちになり、もっと普段から体調を気遣ってあげられたらよかったのではないかと自分を責めたり、どうしたらもっとみんな長く生きられるようになるんだろうかと考えたりしてきました(お名前を出すことは控えますが、今年に入ってからも、信じ難い、やりきれない気持ちになるような訃報があり、まだ受け入れることができない自分がいます…)
 
 僕がゲイコミュニティに深く関わるようになる直前、1995年に古橋悌二さんがエイズによる敗血症で亡くなりました(僕の人生を変えた『S/N』では、悌二さんはプロジェクターで映し出された映像として出演していました)。今はエイズで亡くなる方はほとんどいなくて(それでもエイズに関連する悪性腫瘍などで亡くなる方がいらっしゃいます)、HIVを持っていたとしても治療してずっと元気にやっていけるようになっています。本当によかったです。
  
 2000年代前半は、10人近い友人・知人が自死で亡くなり(一緒に女装してパレードを歩いたりした友達が自死で亡くなったときには本当にショックを受けました。あんなに明るくて素晴らしい人だったのに…)、メンタルヘルスの問題が本当に深刻だと痛感しました。ゲイの精神科医の方にお話を聞いたり、講座を受講して勉強したりして「ゲイにとっての鬱」という原稿を『クィア・ジャパン・リターンズ』に書かせていただいたり、mixiで「うつサポーター for GAY」というコミュを作ったり、NHKの『虹色』というLGBTQサイトでうつに関する連載をしたりもしました。
 ゲイ・バイセクシュアル男性の自殺未遂率は異性愛男性の6倍も高いというデータはよく知られています(「わが国における若者の自殺未遂経験割合とその関連要因に関する研究」,2001)。世間でまだLGBTQへの理解がなく、当事者が生きづらい社会だった時代です。日高庸晴さんによる2000年の「ゲイ・バイセクシュアル男性の異性愛者的役割葛藤と精神的健康に関する研究」でも、ゲイだとバレないよう日々、異性愛者を演じながら暮らす生活によって自尊感情が低下し、孤独感が高まることが示されています。
 精神科医の方がおっしゃるには、僕らは小さい頃から(オカマなどと言われたりいじめられたりして)ちょっとずつ心に傷を負ってダメージが蓄積しているため、さながら水がいっぱい入ったコップに少し水を足すだけで溢れてしまうように、何かのきっかけでうつを発症しやすいのだと。決して心が弱いとかではなく、社会の問題だということでした。
 
 2010年代半ば以降、同性パートナーシップ証明制度によって公に承認されたり、企業の間でも急速にLGBTQ施策が進んだり、パワハラ防止法でLGBTQ差別やアウティングをなくす取組みが進んだりという大きな変化があり、社会がだいぶサポーティブになってきて、若い方などは特に、周囲にゲイであることをオープンにしたり、自尊感情の低下をあまり経験せずにやっていけるようになってきたと思います。それも素晴らしいことです。おそらく、うつが重症化して希死念慮の波に襲われて自死に至る方は以前よりも少なくなっていると思います(2015年に一橋大学ロースクールの学生がアウティングを受けて苦しみ、校舎から転落死するという事件はあったものの)
 
 でも、それでも、今でもまだ、がんや糖尿病、脳出血、心臓発作などで若くして(還暦を迎えることなく)亡くなる方は多いと思います。それってゲイだけじゃないよね、と言われればそうかもしれません。でも、この10年余りの間に、ゲイシーンで活躍していた方たちがたくさん…少なくとも10人以上の方たちの訃報を聞いてきました。明確な統計データなどはないのですが、実感として、健康を害し、早くに亡くなってしまう方が多いということは言えると思うのです。
 
 nijivoice2004によると、LGBで健診を受けていない人の割合は異性愛者の2倍くらい高くなっています。健康への関心や「長生きしたい」という気持ちが薄いことを物語るデータではないでしょうか。
(以前、急死した酒飲みの友人の部屋を片付けていたとき、血圧を下げる薬が大量に出てきて、ああ、ちゃんと薬飲んでなかったんだな…ってやるせない気持ちになったことがありました。ケアしてくれる相方さんが同居してたら違ったかもな…とか)
 これは自分自身のことでもありますが、体に悪いとしてもお酒もタバコもやめられないし、週末は多少無理してでもパーティを楽しみたいし、そういうイベント事とか遊びこそが生きる意味と言うと大袈裟ですが、遊べるうちに遊びたい、人生楽しんだもん勝ち、年をとってゲイとして遊べなくなったら何の楽しみがあるのか、というようなことを漠然と思っている方、少なくない気がします。それが良いとか悪いとかではなく、ゲイの老後って、子どもがいるわけでもないし、地域の老人たちと無理につきあうのもストレスだし(全然話合わなさそう…差別されそう…)、パートナーと穏やかに暮らせればそれで幸せ、くらいのビジョンしかないと思うんですよね。ゲイの老後のロールモデルみたいな、年をとってもこんなに素敵なシニアゲイライフがあるよ、というイメージが見えないことも、一つあると思います。
 2006年くらいのaktaのポスターに「未来なんてないと思ってた」という言葉が書かれていて心臓がギューってなったことがあります。僕らはずっとゲイとしての「未来」を思い描けずにきたのではないでしょうか。そのことが「長生きしたい」と思えないことの根底にあるように思えてなりません。



孤独感が健康に及ぼす影響

 最近感じているのは、もしかしたら「孤独」が健康によくないんじゃないかということです。

 社会的なつながりの少なさが喫煙や飲酒、肥満などよりも大きな死亡リスク要因であるという研究結果が発表されています。「孤独」や「孤立」も死亡率をかなり引き上げることがわかっています。孤独を感じることによって、そのストレスから体の中で炎症が発生し、血管系の疾患、例えば心血管疾患、脳血管疾患を発症するという研究があります。免疫力が下がって感染症にかかりやすくなるため、肺炎など呼吸器系の疾患にかかってしまうという研究もあります。糖尿病、がん、認知症、抑うつのリスクになるという研究もありますし、自殺を引き起こすという研究もあります。(GLOBE+「「おひとりさま」増える時代 村山先生、孤独は健康に悪いのでしょうか?」より)

【追記】2025.8.16
 クーリエ・ジャポンの「現代男性の深刻な孤立が「肥満・依存・女性蔑視」という社会病理を拡散させている」という記事では、米国男性の15%が「友人は一人もいない」と答えており、米国の「絶望死」の4分の3を男性が占めている、「あまりにも多くの男性が袋小路に追い込まれ、社会から孤立し、(中略)薬物、ギャンブル、ポルノ、その他手軽にドーパミンを放出してくれる物質に依存している。。女性蔑視、陰謀論、過激思想に染まりやすい」「年を重ねるにつれて、快適に感じられる選択肢は狭まっていく。男同士で出かけたり、新しい友情に時間を投資したりすることが、より困難に感じられるようになる」とされています。(「肥満」を社会病理と見ているところは賛同できないものの)考えさせられるものがありました。
 
 地方の実家を出て東京や大阪などの都会で暮らすことを望む人、多いと思います(統計があるわけではありませんが、実感として)。保守的で男尊女卑な地方の町に生まれ、とてもじゃないけどここでは生きていけないと感じ、都会に出ることを選択した方(僕もそうです)、東京や大阪のゲイシーンの楽しさに憧れて移り住む方、あるいは、実家は関東や関西にあるけれども自由を得たいと思って一人暮らしを始める方などもいらっしゃることでしょう。
 そうやって都会で一人暮らしを始めた僕らは、働いてお金を稼いで、ジムに通って、週末に二丁目や新橋や上野で呑んだり、イベントを楽しんだり、ハッテンしたり、恋をしたり、友達とお出かけしたりという生活を満喫していると思いますが、もしかしたら、会えば挨拶したり、一緒に遊んだりする友達はたくさんいるけど、親友と呼べる人はあまりいなくて、ふと孤独感を覚えたり、ということもあるのではないでしょうか。不意に大きな病気をしたり、ケガをしたり、メンタルの不調で働けなくなったりして経済的に困窮したりしたとき、相談したり頼ったりできる人もいなくて、孤立無縁状態に…ということもあると思うのです。
 
 ノンケの人たちは結婚して子どもを育てて家族で暮らして(二世帯とか三世帯とか)、お互いに面倒を見たり助けたりということが当たり前になっていると思うのですが、都会で一人暮らししているゲイの場合、一緒に晩ごはんを食べながらあれこれ話す人もいなければ、調子の悪さにいち早く気づいてケアしてくれる家族もいないわけです。一人暮らしは気楽で自由で楽しいものですが、孤独感がひたひたと押し寄せてくる瞬間もきっとあるのではないでしょうか。
 
 たとえ実家で家族と一緒に暮らしていても、親きょうだいがゲイに理解がない人たちだったりすると、本当の自分を知ってもらうことができず、「孤独感」を覚えると思います。
 
「群衆の中の孤独」という言葉もありますが、例えばクラブイベントに行っても誰からも声をかけられず、かえって「孤独感」を感じたり、キラキラなゲイシーンの中で場違いかもしれないと感じたり、二丁目のいろいろに「ついていけなさ」を感じる方もいらっしゃると思います。
 
 映画『幸運の犬』の主人公のように、仕事もうまくいかず、40年以上彼氏ができたこともない、いいことなんて何ひとつない人生だった…と絶望し、自死を考えてしまうゲイの方もいらっしゃるかもしれません。
 
 40代、50代くらいになると、親の介護の問題が出てきて、地方の実家に戻らざるをえなくなる方もいます。地域にもよりますが、ゲイバーなどがない地方だと、地元でゲイの友達を新たに作ることも難しく、孤独感に苛まれ、つらい思いをする方もいらっしゃいます。20年近く前の話ですが、親の介護のために北海道の最北端の辺りにある実家に戻った方が自死で亡くなったという話を聞き、胸が痛みました…。
 
 コロナ禍の間、それまで毎週二丁目に行ってたのに、それができなくなってストレスを感じたり、すっかり人づきあいも減って引きこもりのようになってしまったり…という体験をした方もいらっしゃることでしょう。

 巣ごもりの時間が長くなった間、オンラインでのコミュニケーションが中心になりました。それに適応するあまり、リアルで人と会わなくても、インスタやXでいいねやリプやDMをもらうことで承認欲求を満たしたり、YouTubeでの発信(あるいはオンファンを始めたり)などオンラインでのコミュニケーションだけで満足を得る方も多くなっているのではないでしょうか。
 でも、人間は社会的な生き物ですし、リアルで人に会ってお茶したりごはんしたり、セックスしたり、恋をしたりという接触?ふれあい?みたいなことがないと、実生活での充実感や幸福感には結びつかないですよね。
 パートナーもいなくて、一人暮らしで、リアルで会える友達も少ないとしたら、(たとえオンラインで人気者だったとしても)孤独感に苛まれることもあると思うのです。それはきっと、心にも体にもよくないことなのです。
 たとえ「独りでいることが好き」であっても、社会的孤立による精神的健康への悪影響は弱まらないという研究結果もあります。

 生活を共にしたり、いざというとき支えてくれるようなパートナーがいればそれに越したことはありませんが、そう簡単には見つからないですよね…。つきあってた人が転勤することになったり、家の事情で田舎に帰ることになったりして、離れてしまうこともありますし、共白髪でずっと一緒に暮らせるカップルは貴重かもしれません(幸せなことです)
 たぶんですが、たとえ彼氏がいなくて一人暮らしであったとしても、何かで悩んだり困ったときに相談したり助け合ったりできる人たちが周りにいたら、安心感があるというか、病んだり絶望したりはしないと思うのです。友達は財産です。いざというときに助けてくれるような友達がいる方は、恵まれています。それは「金の切れ目」で切れてしまわない「縁」です。彼氏ができると相対的に友達づきあいが減ってしまうかもしれませんが、「彼氏と二人だけ」の世界に閉じこもることなく、意識的に友達づきあいは続けたほうがよいと思います。老後の問題にも通じる話です。
 
 僕の友達でグループホーム(シェアハウス)ということを意識的に実践している人がいます。彼氏さんと、仲のいい友達と一軒家をシェアして暮らしているのです。家事なども分担して。過度にプライバシーに踏み込むこともせず、楽しく、うまくやっているようです。
 彼氏を見つけて同棲するのは思い立ってすぐにできることではありませんが、仲のいい友達と一緒に暮らすのはアリですよね。年齢などに関係なく、もっとルームシェアやグループホームをやっていったらいいんじゃないでしょうか。



社会的健康の問題
 
 WHO(世界保健機関)は身体の健康(フィジカルヘルス)と心の健康(メンタルヘルス)のほかにもう一つ、「社会的健康(ソーシャルヘルス)」が大事だと言っています。
 
 大坂なおみ選手がうつ状態になったことを思い出しましょう。それは試合後の取材やインタビューで記者から心ない質問をされることが精神的な負担になり…という対人関係の問題ゆえのことでした。身体的に健康なアスリートでさえ、社会的健康が損なわれることでメンタルヘルスの不調に陥ってしまうのです。
 周りの人との関係が良好であれば社会的な健康が維持されますが、そうでなければストレスを感じ、心身の不調につながることにもなります。
 退職後に「周囲から必要とされなくなった」「社会の中に居場所があると感じられなくなった」と心を病む方が多いのも、社会的健康の問題です。
 
 WHO欧州事務局が2003年に発表した『健康の社会的決定要因:確かな事実』第2版では、健康の社会的決定要因(Social determinants of health=SDH)を10の分類にまとめています。その中のいくつかをピックアップしてみます。 
2.ストレス
 ストレスの多い環境は人々を不安に陥らせ、立ち向かう気力を削ぎ、健康を損ない、ひいては死を早めることもある。
4.社会的排除
 貧困の中での人生は短いものとなる。貧困、社会的排除や差別は困窮、憤りなどを引き起こし、命を縮めてしまう。
(この項目では、人種差別などの社会的排除にも言及していて、「法律によって少数者グループや弱者を差別や社会的排除から守ることができる」といった提言もなされています。LGBTQにも言えることです)
7.社会的支援(ソーシャルサポート)
 友情、良好な人間関係、確立された支援ネットワークによって、家庭、職場、地域社会における健康が推進される。
 社会的支援システムと良い人間関係は、人々の健康保持に大きく貢献する。社会的に支えられていると感じることが、生きていく上での精神的、現実的な励みとなる。社会のコミュニケーションネットワークの一員となり、お互いに義務を負うことで人々は自分が関心を持たれている、他者から愛されている、評価されている、大切に思われていることを実感する。このようなことは健康を保持していくことに大いに役に立つ。

 こう見ていくと、社会に支えられている、他者から愛されている、評価され、大切に思われていると感じられること、人間関係が良好なこと、差別されたり排除されないことが、社会的健康にとって重要だと言えるでしょう。そういう観点でゲイ(をはじめとする性的マイノリティ)を取り巻く社会環境を見てみると、近年は法律もでき、職場で社内LGBTQ施策も整えられ、だいぶ環境が改善されてきたとはいえ、まだ職場でカミングアウトしづらかったり、同僚に心を許して話すことができなかったり、飲み会などの濃いコミュニケーションの場を避けてしまったり、どこか「安心」や「信頼」からは遠いと感じる人も少なくないのではないでしょうか。
 プライベートが充実していればいいのですが、何でも話せるような友達も彼氏もいなかったりすると、きっと孤独感を覚え、社会的健康がよくない状態になってしまうと思うのです。
 
 孤独は体によくないとお伝えしましたが、その孤独は実は、個人の問題というよりも「社会的健康」の問題であり、本来は社会(行政や民間企業・団体やコミュニティ)が取り組むべき課題なのではないかと思うのです。
 こう言うとおそらく、行政は「地域社会への包摂を」と言いがちだと思うのですが、そうではなく、同じゲイの仲間に相談したいんですよね…(こちらのニュースで、相談するなら当事者の人がいいと感じる人が圧倒的に多かったことが数字で示されていたのがいい例です)。社会に「ゲイコミュニティ自体」を支えてほしいのです。
 
 海外では、LGBTQ団体やHIV団体に億単位で予算がついて、立派なセンターが建ってたり、コミュニティへの支援が実に充実しています。でも日本では、コミュニティセンターへの予算もどんどん縮小され、活動が思うようにできない団体がほとんどです。
 実は一つひとつのゲイバーがコミュニティの役割を果たし、お客さんの相談に乗ったり、支援の場になってもいるわけですが、そういう「ゲイコミュニティ自体」にお金を出そう、支援しようという企業もほとんどない状態です。
(ついでに言うと、g-lad xxのようなコミュニティメディアを支援してくれる企業もほとんどないです。欧米のゲイメディアはあんなにすごいのに…)

 

意識的にコミュニティ活動を 

 本当はゲイコミュニティの中でも、セクシュアルヘルスのことだけでなく、ゲイの社会的健康をどうやって高めていくか、どうしたらみんながつながりを増やし、孤独感を解消し、良好な人間関係を保てるようになるのか、コミュニティとしてそういう支援や包摂をしていけるのか、というようなことを話し合ったり、考えたりする機会があったほうがいいと思うのです。でも、メンタルヘルスのサポートも十分にできていないなか、(海外と違って極端に予算が少ない)支援団体ができることも限られていますし、難しいかもしれません…。
 
 そんな現状でも、何とかできることをやっていきたいですし、できることを考えたいです。
 社会的健康の観点で大事なのは「社会に支えられている、他者から愛されている、評価され、大切に思われている」と感じられること、良好な人間関係を築くことです。もし職場環境に恵まれて生き生きと働けている方は、きっとそういう点では満たされていると思いますが、そうじゃない方は、ゲイ社会のなかで良好な人間関係を築くこと、コミュニティとの関わりを意識的にやっていくことが大事だと思います。
 
 自分がそこにいることが無条件に許される「居場所」であり、友達が(もしかしたら彼氏も)できたり、いろんなことを話せたり、楽しみを共有したり、時には悩みを相談できたりするのがコミュニティです(「ネットワーク」はオンラインも含めたつながり、「アソシエーション」は何かを目標とする活動団体、「コミュニティ」は近所だったり共通の属性を持つ人たちの「居場所」「寄り合い」で、「助け合い」の要素もあるイメージです)
 居場所・コミュニティを見つけるうえで最もポピュラーなのは、やはりゲイバーでしょう。多くのゲイバーでは春にお花見、夏に海、秋にBBQ、冬にクリスマス会などのイベントを開催したり、周年パーティを開催したり、お店によってはバレーやテニスのサークルがあったりして、お客さんどうしでワイワイ楽しめたり友達ができたりしやすいです。東京の場合、二丁目・新橋・上野・浅草だけで数百軒ものゲイバーがあって(客層が年齢や体型で細分化されていたりもしますが…aktaの「ヤローページ」などを見て、事前に把握するとよいでしょう)、それだけでなく、二丁目からちょっと離れたローカルな町(新井薬師とか、阿佐ヶ谷とか)でも比較的のんびり、アットホームな雰囲気のお店があり、絶対に居場所が見つかります。居心地のよい場所が見つかるよう、いろいろ行ってみることをおすすめします。
 コミュニティということで言うと、それぞれのお店は、マスターやスタッフ(俗に言うミセコさん)、お客さんたちがつくる小さなコミュニティですが、二丁目のようなたくさんのお店が集まるゲイタウンになると、振興会や虹色友の会のような組織ができて、レインボー祭りのようなイベントを開催したり、コミュニティセンターと協働したりという「大きなコミュニティ」に発展したりもします(最近、上野でも浴衣祭りイベントが開催されるようになりました)。それも実は社会的健康やセクシュアルヘルスを高めることにつながってますよね。
 
 居場所・コミュニティを見つけるためのもう一つの代表的な方法は、ゲイサークルに参加することです。お酒が飲めない方や、昼間に活動したい方などにも向いています。
「ゲイサークル」で検索すると(GIXのサークルリンク集が探しやすいです。ちょっと前までsindbadbookmarksもあったのですが、残念ながらつい先日、閉鎖されました。長い間お世話になりました。ありがとうございました)、学生サークル、合唱や吹奏楽などの音楽系サークル(合唱や吹奏楽といえば、今月11日に「プレリュード」が開催されます(過去のレポートはこちら)。よろしければぜひ)、ダンスサークル、テニスやバレーなどのスポーツ系サークル、交流やおでかけをメインにしたサークル、フェチ系サークルなど、いろいろ、たくさん出てきます。お住まいの近くで興味のあるサークルが見つかったら、コンタクトをとってみてはいかがでしょうか。
 関西の方であれば、一度Tsunagary Cafe(つながりカフェ)に行ってみるとよいのでは?と思います。「ゲイサークルはどうやって見つけるの?」というテーマでお話する会も過去にはあったので、きっと相談に乗ってくれるはず。


 函館、仙台、二丁目、横浜、名古屋、金沢、大阪、福岡、那覇などにはゲイ・バイセクシュアル男性が安心して利用できるコミュニティセンターがあります。主にHIV予防啓発を目的としたセンターですが、ゲイタウンMAPを作ってたり、コミュニティに関する情報を教えてくれたり、何かあったときに相談に乗ってくれたり、センター自体が居場所にもなります(無料で利用できますし)。そこでコンドーム配りなどのボランティア活動に参加したりするのも、友達ができるきっかけになると思います。
 
 高齢になって新たに居場所を見つけることに気後れする方もいらっしゃるかもしれません。パープル・ハンズでは月に1回、「ちゃぶ台の会」というごはん会を開催しています(こちらにその様子がわかる記事を掲載しています)。遠方の方もオンラインで参加できるそうです。興味があれば、ご連絡してみてください。

 実はコミュニティは探す、見つける、というだけでなく、自分で作ることもできます。
 例えばスポユニ好きなこうたさんは同じフェチを持つ方たちに呼びかけて「Immortal Warriors」というサークルを立ち上げ、ユニ会などのイベントを開催しています(こちらにレポートを掲載しています。和気藹々とした集まりで、メンバーどうしが気軽に話したり友達になったりできる雰囲気でした)
 同じように、例えば、ミュージカルが好きで一緒に観に行くサークルを作りたいとか、近所でお茶したりごはんしたりできる仲間を増やしたいとか、そんな感じでいいと思いますので、募集をかけてみてはいかがでしょうか。


 
 長々と書いてきましたが、30代とか40代とかの若さで亡くなる人が多すぎる…どうしてなんだろう、どうしたらもっとみんな生きられるようになるんだろう、という思いが本当に昔からずっとあって、最近、ふと「孤独」が関係しているのでは…と思いはじめ、考えたり調べたりした結果を、コラムにまとめた次第です。科学的な根拠には乏しいかもしれませんし、もしかしたら、別の場所ですでに言われていることかもしれませんが、自分なりに。
 何か少しでもヒントになるようなことがあれば幸いです。
 
(後藤純一)

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