COLUMN
2026年6月のHIV検査キャンペーン
6月1日〜7日はHIV検査普及週間。各地の自治体やコミュニティでHIV検査や予防啓発、陽性者支援などの取組みが展開されます。梅毒などの流行も続くなか、定期的に検査を受けることの重要性も高まっています

(昨年のTokyo Prideの「#UpdateHIV」フロート)
12月1日の世界エイズデーの時期はHIVに関する様々なキャンペーンが展開されますが、6月1日〜7日も厚労省と公益財団法人エイズ予防財団が主唱するHIV検査普及週間で、各地の自治体でHIV検査などの取組みが展開されます(東京都は6月1日〜30日を東京都HIV検査・相談月間としています)。HIVは予防だけでなく早期発見&早期治療も大切だということで、HIV検査の浸透・普及を図ることを目的に2006年に創設されました。
PrEPの効果もあってかHIV新規感染は以前よりも減少していますが、梅毒は依然として流行中ですし、エムポックス感染もじわじわと増えているとの報告もあり、定期的に検査を受けることの重要性が高まっています。この機会にHIVや梅毒などの検査を受けることで、ご自身の(そしてコミュニティの)セクシュアルヘルスを良好に保つことにつながります。6月に実施されるキャンペーンや様々な情報をまとめてご紹介します。
(文:後藤純一)
(最終更新日:2026年5月20日)
今年の上半期のHIV/エイズ等についてのトピック振り返り
3月25日、GAP6による「2030年までのHIV流行終結を目指すPhoto&Movieプロジェクト」記者発表会が開催され、レスリー・キーさんをはじめ、モデルになってくれたたくさんの著名人の方たちが都内のフォトスタジオに集結し、たいへん華やかな催しになりました。今後、ムービーが公開される予定であるほか、インフルエンサーだけでなくコミュニティ向けにも撮影の機会が設けられるというお話も聞きました。楽しみに待ちましょう。(詳細はこちら)
3月26日、厚生労働省のエイズ動向委員会の発表で、2025年の新規HIV感染報告数が624人で過去最少となり、新規エイズ患者266人(こちらも過去20年間で2番目に少ない人数です)と合わせて合計890人となったことがわかりました。同性間性的接触による新規HIV感染も過去最少で404人(2022年の443人よりも39人減っています)、全体に占める割合は64.7%でした。新規エイズ患者は、同性間性的接触による感染が139人(52.3%)でした。同性間性的接触による新規感染は顕著に毎年減っています。PrEPの効果だと見られています。今ツルバダの薬価が高すぎて利用できないという問題が解決され、もっとPrEPが広く利用されるようになることが新規感染減の鍵を握っていると言えるのではないでしょうか? 国の施策が望まれます。(詳細はこちら)
4月1日、aktaが「コミュニティセンターaktaの「第三の創業」:新体制発足と改装のお知らせ」で厚労省からコミュニティセンター事業を受託する新体制へと移行したことを発表。これまでの活動の功績を認められ、今回の受託につながったと思われます。おめでとうございます。(詳細はこちら)
なお、コミュニティセンターaktaでは現在、館内の改装作業が進められていて、5月末日には、より快適で開かれた場所として生まれ変わる「新生コミュニティセンターakta」をお披露目できる予定だそうです。完成が楽しみですね。
5月1日、aktaの公式Xアカウントで、「東京都内における別系統のエムポックスの報告と、冷静な対応・HIV の定期検査のお願い【5月1日】」と題したちょっと異例な感じの注意喚起がありました。以前の流行とは異なるクレード1b(強毒型と言われる系統)のエムポックスへの感染が都内で確認されました、過度に心配する必要はありませんが、免疫不全状態の方などが重症化したり命に危険が及んだりする可能性もあるため、HIV検査を受けておくことが重要です、もし体に発疹や水ぶくれがあったり熱が続いている方はお医者様へ、といったお話です(詳細はこちら)。その後、11日に東京都の週報(4/27~5/3)で新たにクレード1bのエムポックスが2例(ともに男性)、クレード2bについても2例報告がありました。じわじわと感染が広がってきているようです。
・最新の評価では、クレードによる致死率の違いはほぼないとされています。
・重症化予防には、自分の免疫状態を知ることが重要です(過去に、免疫不全状態でエムポックスに感染した方が亡くなっています。HIV検査を受けて、ステータスを知っておくことがとても大切です)
5月にもイベントがいろいろ
6月のHIV検査・相談月間を前に、5月下旬にもいろいろイベントが開催されます。
5月23日まで
Tokyo Pride 2026、一緒に歩く仲間400名を大募集!
特定非営利活動法人aktaと認定NPO法人ぷれいす東京は共同で、今年も6月7日(日)のTokyo Pride 2026のパレードに「#UpdateHIV」フロートを出します。今年は「U=U」をはじめ、HIV/エイズに対する社会のアウェアネス(気づき・意識)をさらに高めるため、パレードの参加枠を例年の2倍となる400名に大幅拡大しました。フロート全体で500人規模を目指す、過去最大級の挑戦です。社会の偏見をなくしていくために、より多くの声とアクションが必要です。一人ひとりが明るく楽しく歩く姿そのものが、社会の意識を「アップデート」する強力なメッセージになります。イズミ・セクシーさんやDJ POIPOIさんなど、ゲイコミュニティでおなじみのキャストの方も登場します。
フロートは以下の2種類からお選びいただけます。
【13番目】音楽とともに、賑やかに楽しくアップデートをアピール!(12:48出発予定)
音楽に合わせて踊ったり、沿道に手を振ったりしながら、明るく楽しくパレードを盛り上げたい方におすすめです。
【14番目】メモリアルキルトとともに、想いを繋ぎながら歩く(12:52出発予定)
「WE ARE POSITIVE」のフラッグを持つHIV陽性者の有志に加えて、今年はMQJ(メモリアルキルトジャパン)の協力を得て、HIVメモリアル・キルトとともに歩きます。3つのキルトが隊列と共にメッセージを伝えます。まだまだHIV陽性者が名前や顔を出すことが難しかった時代につくられたキルトです。エイズメモリアルキルトとともに、静かな連帯感の中でそれぞれの想いを胸に歩きたい方におすすめの隊列です。
5月23日まで募集しています。ぜひご参加を!
「#UpdateHIV」フロート 参加者募集要項
開催日時:2026年6月7日(日)12時台
募集人数:先着400名様(※定員に達し次第、締め切りとなります)
応募期限:2026年5月23日(土)まで
申込方法:こちらの応募フォームより、今すぐお申し込みください!
主催:特定非営利活動法人akta、認定特定非営利活動法人ぷれいす東京
協力:ヴィーブヘルスケア株式会社、ギリアド・サイエンシズ株式会社、MSD株式会社 
5月24日 東京
ぷれいす東京 2025年度活動報告会
ぷれいす東京コンセント・プロジェクトでは、2025年に「PRISM調査」と題して、日本に住むLGBTQ+の健康と医療ニーズについて調査を行ないました。全国の支援団体・コミュニティの協力のもと集められた2,794名もの回答には、日々の生活の中で直面する葛藤や、医療現場への切実な願いが溢れていました。今回のゲストトークでは、調査から見えた実態を紹介するとともに、誰もが安心してつながれる医療の未来を共に考えます。また、ゲストも出演している啓発動画コンテンツ(「医療者・支援者のための『日常診療に活かすLGBTQ+とHIVの基礎知識入門動画』」)もご紹介します。
前半は各部門の多彩なスタッフが次々と登壇し、実績や経験を語ります。
どなたでも参加可能です。ぜひご参加ください。
ぷれいす東京 2025年度活動報告会
日時:2025年5月24日(土)14:10-16:30(開場13:50)
ハイブリッド開催(会場&YouTubeライブ)
会場:ワイム貸会議室高田馬場3階 Room C(東京都新宿区高田馬場1-29-9 TDビル JR山手線・東京メトロ東西線・西武新宿線高田馬場駅「戸山口」より徒歩3分)、YouTube「ぷれいす東京チャンネル」
参加無料(予約不要)
プログラム:
第1部:部門報告(ホットライン、Sexual Health Project、Gay Friends for AIDS、バディ、ネスト・プログラム、HIV陽性者への相談サービス、研究・研修、30周年記念事業:歴史アーカイブ、コンセントプロジェクト)
第2部:ゲストトーク「PRISM調査 2794人の思い ~LGBTQ+の医療の未来を変えるのは誰か~」
出演:
高井ゆと里さん(東京大学 特任研究員 / Tネットアドバイザー)
武田裕子さん(順天堂大学大学院医学研究科 医師)
吉田絵理子さん(一般社団法人にじいろドクターズ 医師)
聞き手:生島嗣(ぷれいす東京)
5月30日・5月31日 名古屋
NLGR+ 2026
ゲイバーが多く集まる栄・女子大小路の池田公園を会場に、2日間にわたり、ゲイ(をはじめとするセクシュアルマイノリティ)のブース出展やステージイベント、そしてHIV検査(以前は保健所で行なわれていましたが、今年も郵送検査キットを配布するかたちになります)を実施する大規模なフェスです。詳細はこちらの特集をご覧ください。
NLGR+ 2026
日時:5月31日(土)12:00-19:00、6月1日(日)12:00-18:00
会場:池田公園(名古屋市中区栄5丁目)
※雨天決行
東京都HIV検査・相談月間
東京都の今年1月1日から4月19日までの感染者等報告数は、HIV感染が70件(昨年は62件)、エイズ患者が16件(昨年は17件)、合計86件(79件)で、現時点では昨年よりも多くなっています(東京都エイズ通信第225号より)
東京都は6月1日〜30日を「東京都HIV検査・相談月間」と定め、HIV・梅毒検査の拡充を行なったり(保健所でのHIVや梅毒の即日検査・通常検査の実施日が追加されます)、展示を行なったりします。詳細がわかり次第、追ってお伝えします(更新いたします)
全国各地のトピック
6月には全国各地でHIV検査の拡充の取組みや、特色あるイベントが実施されたりします。そうしたトピックを地域別にご紹介します。(まだ6月の情報が出ていない地域もあるようです。わかり次第更新していきます)
◎札幌
レッドリボンさっぽろが昨年に続き、6月21日(土)にHIV陽性者交流会inHOKKAIDOを開催します(6月だけでなく、隔月で開催しているそうです)。この交流会は、同じ陽性者の人と会って話してみたい、地元で陽性者が集まって話ができる場を、という声を受けて実現したものです。参加者はもちろん、交流会のスタッフも全員HIV陽性者です。プライバシーを守れるよう、事前申込制で行ない、会場は参加者のみにお伝えします。
HIV陽性者交流会inHOKKAIDO
日時:6月20日(土)14:00-16:30(開場は30分前) ※偶数月第3土曜に開催
会場:参加者にのみ開催の1週間前を目途に通知します
ご参加いただける方:HIV陽性者であれば、性別・セクシュアリティ・感染経路・居住地問わず、どなたでもご参加いただけます
定員:最小4名~最大12名 ※参加者数が定員に満たない場合は中止となります
参加料:500円(会場費・お茶菓子代として)
申込みはこちら 
◎仙台(東北)
仙台のコミュニティセンターZEL(やろっこ)では、東北六県のHIV検査の情報を一覧にした「Go To 検査 TOHOKU」ページを作成し、東北六県にお住まいのみなさんが検査を受けやすいようにまとめてくれています。ぜひご覧いただき、この機会にHIV検査を受けるようにしましょう。
◎東京
aktaでは、「U=Uキャンペーン」の第2弾として、Podcast番組とのコラボ企画「G up to you」を展開! ゲイのパーソナリティを含む番組が同じテーマで配信し、新しいリスナーや番組と出会うオンラインPodcastイベントです。今年の共通テーマは「大丈夫だよって、伝えたい!」 プライド月間にあわせ、なんと33番組が参加し、横断的に語り合う特別な配信ウィークをお届けします。さらに、オンラインの枠を飛び出し、リアルで交流できる連動イベントも目白押しです。参加番組の一覧や公開収録のスケジュール、主催者からのメッセージなど、詳しい情報はぜひ特設ページをご覧ください。
連動イベント情報
・メッセージ展&公開収録(5/29〜6/14)
コミュニティセンターaktaで50組のポッドキャスターからのメッセージを展示します。期間中は公開収録も開催予定です(入場無料)
・Tokyo Pride 2026参加(6/6〜6/7)
6月6日は代々木公園イベント広場のaktaテントにポッドキャスターが登場! 翌6月7日は「#UpdateHIV」フロートでポッドキャスターも一緒にパレードを歩きます。パーソナリティがリスナー一人ひとりを思い浮かべながら紡いだ、たくさんの「大丈夫」が集まりました。ここで出会った言葉が、きっとあなたの今日をやわらげ、明日を前向きに過ごすきっかけになるはずです。
◎横浜
神奈川県のLGBTQ支援団体「SHIP」では、毎月ゲイ・バイセクシュアル男性向けのHIV検査会(即日)を実施しています。HIVだけでなく梅毒とB型肝炎も検査でき、1時間で結果がわかります。次回は5月25日(月)、その次は6月22日(月)です。
SHIP ゲイのためのHIV検査
日程:5月25日(月)、6月22日(月)
時間:17:30-19:00
会場:かながわ県民センター 709
検査項目:HIV、梅毒、B型肝炎
◎大阪
6月6日に合わせて無料即日検査が実施されます。
HIV無料即日検査
日時:6月6日(土)受付17:00-18:30(結果通知約60分後)
会場:心斎橋サンサンサイト検査・相談室(大阪府大阪市中央区東心斎橋1-7-30 21心斎橋ビル4階)
予約はこちら
◎松山
今年も松山市保健所のゲイ・バイ男性限定HIV検査会が開催されます。
ゲイ・バイ男性限定HIV検査会
日時:6月7日(日)16:00-17:30
会場:松山市保健所(松山市萱町6-30-5)
※通常検査・無料・匿名(名前を言わなくてもいいです)
※事前予約が必要です。
詳細・予約はこちらから
INDEX
- 杉田議員問題(4)『新潮45』10月号のこと
- 杉田議員問題(3)この1ヶ月余の動きを振り返って
- 杉田議員問題(2)「日本のストーンウォール」となった抗議集会
- 杉田議員問題について
- レポート:第2回レインボー国会
- レポート:シンポジウム「同性国際カップルの在留資格をめぐって」
- LGBTと企業(2) 2017年、企業のアライ化はどのように進んだか
- チェチェンでゲイが強制収容所に送り込まれ、拷問を受け、命を奪われています
- LGBTと企業(1) 企業がLGBTフレンドリー(アライ)化していく意味
- オーランドのゲイクラブ銃撃事件−−「なぜ犯人はゲイクラブを狙ったのか?」に迫る
- オーランドのゲイクラブ銃撃事件のこと
- アメリカのLGBTムーブメントを視察した方たちが見る「日米の違い」
- 「LGBTインバウンド・セミナー」レポート2 〜知られざるLGBTフレンドリー・タウン、別府〜
- 「LGBTインバウンド セミナー」レポート ~海外とつながり、日本を変える試み~
- 「akta」を訪問したピーター・ピオット博士、コミュニティセンターの重要性を強調
- コミュニティセンター「akta」が無くなる!?
- 脅かされる性の自由(3)性解放なくしてゲイ解放なし
- 脅かされる性の自由(2)ハッテン場の未来
- 脅かされる性の自由(1)写真をめぐる冒険
- 住まい、保険、老後……ゲイのライフプランニング
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