COLUMN
PRAY FOR FRIENDS——東日本大震災で被災した方たち、被災地のコミュニティの支援のために
3.11日の東日本大震災によって甚大な被害が出ています。ささやかながら「g-lad xx」では、ゲイシーンにおける被災者支援のムーブメント、そして被災地域のコミュニティ支援に関する情報をリンク集的にまとめました。被災地域にいる僕らの仲間たちに、少しでも希望が持てるようなメッセージが届くことを祈ります。
3月11日に発生した未曾有の大地震や大津波によって東北や茨城を中心に甚大な被害が出ています。亡くなった方々のご冥福を心からお祈りするとともに、被災者の方々が一人でも多く救出されること、避難所生活を強いられている方が少しでもあたたかく安心して過ごせることをお祈り申し上げます。そして、今この瞬間も現場で活躍されている自衛隊の方をはじめとする救助隊の方たちや原発作業員の方たちに深く感謝せずにはいられません。
今も起こり続けている原発事故、計画停電なども含め、僕らはかつて経験したことのない事態に直面しています。不安にも襲われることでしょう。しかし、(避難所生活を強いられるほどではない)僕らにできることは、希望を失わず、不眠不休で働いてる方々への感謝の気持ちを忘れず、周りにいる人たちと支え合いながら、(節電を心がけつつも)できるだけふだん通りに仕事をしたり、生活していくことではないでしょうか。
「g-lad xx(グラァド)」も、これまで以上に、読んでくださった方が希望を持てるような記事を提供できるよう、心がけていきたいと思っております。僕らがゲイである自分を肯定し、自信や誇りを持ち、生き生きと仕事し、愛しあい、周りの人たちと助けあっていくことは、必ず日本の将来にとってプラスになると思います。このサイトが少しでもそんなプラスにつながるようなものになれたらと願うものです。
首都圏では、安全面への配慮や節電の観点から、コンサートが中止になり、エンターテインメント施設が休館となったりしています。これからも僕らの暮らしにさまざまな影響が出てくることが予想されます。もしかしたら今後、「お花見を自粛すべき」と言うようにゲイのことも規制しようとする人が現れるかもしれません。しかし、僕らは、恋人とデートしたり、友達と飲んだり、ゲイイベントを楽しんだりということを決して「自粛」する必要はないと思います。僕らはみんなと同じようにこの国に暮らし、働き、祈り、愛し合い、節電し、買い占めもせず、できる限りの寄付もしています(中には被災地に出向いて働いたり、ボランティア活動に励む人もいます)。何も後ろめたく思う必要はありません。自信と誇りを失わず、怖れることなく、今まで通りやっていきましょう。
それから、被災地のゲイの方の中にも、亡くなった方や、家を失って避難所生活を送る方や、津波を目の当たりにしたり身近な人を失ったりして深い心の傷を負った方などもいらっしゃると思います。そうでなくても、日々、不安だったり、不便だったり、大変さを感じていることと思います。そうした方たちに、少しでも希望を持てるようなメッセージが届くことを祈っています。
そして、被災地のゲイコミュニティ(仙台や郡山)が一日も早く元のような活気を取り戻すことを祈ります。コミュニティセンター「ZEL」の復興を祝しつつ、運営団体の「やろっこ(仙台のHIV予防啓発団体)」がこれまで同様、HIV陽性者の方や、ゲイであるがゆえのさまざまな悩みを抱える方たちへのサポートを続けていけるよう、できるかぎりの応援をしたい気持ちです。彼らの活動がどんどん縮小していったりなくなったりすることがないように応援していくこともまた、「僕らが今できること」なのだと思います。
こうした思いから、「g-lad xx(グラァド)」では、被災地のゲイコミュニティの支援、そして二丁目(をはじめとするゲイシーン)からの被災者支援に関する情報をリンク集のようなかたちでまとめることにしました。
下記に挙げた以外にも何か情報をお持ちの方は、お知らせいただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。(後藤純一)
【被災地域のコミュニティ復興に関する情報】
・3月18日(金)、仙台のコミュニティセンター「ZEL」が再開されました。
・4月16日、仙台で予定通り、出会いイベント「MOON」が開催されます。(主催:やろっこ)
・「震災に負けるな、がんばろう東北!『男魂-MEN SOUL-仙台 FINAL!』」が5月4日(祝)に開催されます。(主催:やろっこ)
【被災地域のコミュニティ支援に関する情報】
・4月3日(日)開催の「Living Together Lounge」で「やろっこ」への募金箱が設置されるそうです。
・4月16日(土)開催の「asaGAYa Night」の収益が「やろっこ」と福島のコミュニティイベント(「Glounge」「Ice Mountain」)に寄付されます。
【ゲイシーンから被災者への支援に関する情報】
・3月20日、二丁目の「ArcH」でチャリティイベント「SUNDAY」が開催されました。
・現在、「ArcH」だけでなく、姉妹店の「ALAMAS CAFE」「ミラクルガール」でも募金箱が常設されています。(詳しくはこちら)
・3月26日に開催された「AMR-安室奈美恵ナイト- × PIERROT」が被災地に10万円を寄付しました。
・3月20日、札幌で開催された「やっつけナイト」でも義援金の募金が行われました。4月3日開催の「STAND UP FOR JAPAN (義援金チャリティナイト)」での収益と合わせて、348,243円が被災者支援のために寄付されたそうです。(詳しくは公式ブログをご覧ください)
・4月16日、二丁目のコミュニティセンター「akta」でチャリティライブ「pray and sing for 3.11『僕らが奏でる祈りのうた』」開催。
・5月5日、被災地支援チャリティイベント「PRAY」が二丁目の「ArcH」「非常口」の2会場で開催されます。
【被災者支援に関するニュース一覧】
レディ・ガガが日本の被災者を救済!
被災者を支援する「LGBTレインボー基金」が設立されるそうです
被災により抗HIV薬の服用を中断せざるをえなくなった方へ
アンジェリーナ・ジョリー、ジョニー・ウィアー、マライア・キャリー、エレン・デジェネレス…セレブが続々と応援
シンディ・ローパーが東京公演を敢行!
レディ・ガガの「Japan Prayer Bracelet」が48時間で25万ドルを集めました
サンフランシスコのLGBTボランティア団体が日本の被災者への基金を設立
「JaNP+」からHIV陽性者のみなさんへのメッセージ
仙台のコミュニティセンター「ZEL」が再開へ
ジュディ・オングが台湾で一大チャリティ番組を実現
二丁目の「ArcH」が節電イベントを開催
台湾のチャリティイベント、前代未聞の規模に
人々に大きな感動を与えたシンディ・ローパーのライブ
レディ・ガガがビデオレターで被災者を激励
新宿二丁目から「祈り」を——GWに被災者支援イベント開催
グウェン・ステファニー、東日本大震災の被災者支援に100万ドルを寄付!
はるな愛さん、福島・相馬市に駆けつけ、被災者を慰問
「AMR-安室奈美恵ナイト- × PIERROT」が被災地に10万円を寄付
ブリトニーのミニコンサート、ドラァグ・ショウで幕開け。被災者支援チャリティも
ジェーン・バーキンが緊急来日し、チャリティ・コンサートを開催
被災した岩手のLGBTを支援する「岩手レインボー・ネットワーク」がスタート
Fridaeが被災したLGBTを支援する「シェルター・プロジェクト」を立ち上げました
ニッキー・ミナージュがカシオの限定デジカメを東日本大震災チャリティに
被災地のLGBTを支援する「JAPANレインボー・エイド」発足
ガガ様が6月、被災者支援のために来日!
INDEX
- オーランドのゲイクラブ銃撃事件のこと
- アメリカのLGBTムーブメントを視察した方たちが見る「日米の違い」
- 「LGBTインバウンド・セミナー」レポート2 〜知られざるLGBTフレンドリー・タウン、別府〜
- 「LGBTインバウンド セミナー」レポート ~海外とつながり、日本を変える試み~
- 「akta」を訪問したピーター・ピオット博士、コミュニティセンターの重要性を強調
- コミュニティセンター「akta」が無くなる!?
- 脅かされる性の自由(3)性解放なくしてゲイ解放なし
- 脅かされる性の自由(2)ハッテン場の未来
- 脅かされる性の自由(1)写真をめぐる冒険
- 住まい、保険、老後……ゲイのライフプランニング
- ゲイコミュニティを称賛〜『ハートをつなごう』HIV特集第4弾
- レポート:東京レインボープライド公開ヒアリング
- 「ハートをつなごう」HIV第3弾を観て
- PRAY FOR FRIENDS——東日本大震災で被災した方たち、被災地のコミュニティの支援のために
- 石原発言のおかげで生まれた新しい「つながり」とパワー
- 伏見憲明の太腕繁盛記:第6回「液状化するノンケのセクシュアリティ観」
- 伏見憲明の太腕繁盛記:第5回「嬉々として競パン接待するノンケ男子が求めるモノとは?」
- 『週刊現代』9月4日号で大橋巨泉さんが「人の死に“同性愛者”はふさわしくないのか?」と今野雄二さんを追悼
- 伏見憲明の太腕繁盛記:第4回「まるでAKB!? ミセコの命ははかなくて」
- カリフォルニアでの同性婚をめぐる長い闘い
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