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特集:6月のゲイ映画
アジアンクィア映画祭の感動もさめやらぬ間に、7月5日からは東京国際レズビアン&ゲイ映画祭がスタートします。が、その前に、6月にもいろいろなクィア映画に触れる機会がありますので、ご紹介いたします。
アジアンクィア映画祭の感動もさめやらぬ間に、7月5日からは東京国際レズビアン&ゲイ映画祭が開幕します。が、その前に、6月にもいろいろなゲイムービー、クィア映画が上映(または放送)されます。ジョアン・ペドロ・ロドリゲスから数えると、4ヶ月間に50本くらいのクィア映画が上映されるわけで、今年は当たり年(豊作)と言えるでしょう。この機会にぜひご覧ください。
『わたしはロランス』
女性になりたいと思い続けた主人公が偏見に遭いながらも願望をかなえ、そのガールフレンドとの10年に及ぶ波乱に満ちた歳月を映し出す人間ドラマ。鮮やかな色彩の映像と共に、切なくも強く生きるカップルの姿に魅了されます。弱冠23歳にしてカンヌ国際映画祭に3作品を出品し話題となったグザヴィエ・ドラン監督による、美しく切ない愛を描いたラブ・ストーリー。ロランス役をメルヴィル・プポー(『ぼくを葬る(おくる)』)、ロランスの母をナタリー・バイ(トリュフォーやゴダールらに愛された名女優)が演じます。フレッド役のスザンヌ・クレマンは、2012年カンヌ国際映画祭ある視点部門で最優秀女優賞を受賞しました。
<ストーリー>
モントリオール在住の国語教師ロランスは、ガールフレンドのフレッドに「女になりたい」と打ち明ける。それを聞いたフレッドは、ロランスを激しく非難するも、彼の最大の理解者であろうと決意する。あらゆる反対を押し切り、自分たちの迷いさえもふり切って、周囲の偏見や社会の拒否反応に果敢に挑む長い年月。その先に待ち受けるのは…?
『わたしはロランス』
2012年/カナダ/監督:グザヴィエ・ドラン /出演:メルヴィル・プポー、スザンヌ・クレマン、ナタリー・バイ/配給:アップリンク/2013年秋、新宿シネマカリテ他 全国順次公開
『ムースの隠遁』
フランスを代表するゲイの映画監督、フランソワ・オゾン(代表作は『8人の女たち』)。フランス映画祭2013のオープニング作品に、オゾンの最新作『In the House』が選ばれています(来日も決定しました!)
『In the House』は、高校で文学を教えるジャーメインが、才能ある生徒クロードにエッセーの執筆を勧め、クロードが仕上げた中流家庭を描いたエッセーを妻ジーンと共に読み始めるものの、次第にクロードの書いた文面に翻弄されていく…というドラマ作品(特にセクシュアルマイノリティの人物は登場しないようです)。フランス本国では公開1ヶ月100万人を超す興行成績を記録し、フランソワ・オゾンの最高傑作との呼び声高い作品です(第60回サン・セバスチャン国際映画祭最優秀作品賞・最優秀脚本賞受賞、第37回トロント国際映画祭国際映画批評家連盟賞受賞)
そして、フランス映画祭2013に合わせ、WOWOWシネマでは6月に「フランス月間!2013」と題したフランス映画特集が放送されます。その中にオゾンの2009年の作品『ムースの隠遁』がセレクトされていますので、ご紹介したいと思います。
『ムースの隠遁』は、ドラッグの過剰摂取で亡くなった恋人・ルイの子どもを妊娠したムースが、恋人の弟・ポール(ゲイ)との心の交流を通じて、自分を見つめ直してゆくという物語。この世にはいないルイを介して育まれるムースとポールの関係、新しい命を迎え入れるということについて、自身もゲイであるオゾン監督の思いが込められた作品となっています。ポール役のルイ=ロナン・ショワジーがものすごいイケメン俳優で(ふだんはロン毛の美形なのですが、映画では短髪髭イカニモ系に)、そんなところも見どころの一つと言えるでしょう。
<ストーリー>
ルイとムースは若くて美男美女、そのうえ裕福という誰もがうらやむカップル。ところが、二人の生活はドラッグによって次第に蝕まれてゆく。ある日、ドラッグの過剰摂取でルイが命を落とし、ムースは辛うじて助かる。彼の子どもを妊娠していることがわかったムースは、母体が薬物に冒されていることから中絶を勧められるも、死んだ恋人との唯一のつながりである子どもをあきらめきれず、産む決意をしてパリを離れ、田舎町に逃げ出す。そんな彼女の元に突然、ルイの弟・ポールが訪れます。ポールは彼女にゲイであることを打ち明け、二人は次第に心を通わせていくのだった。
『ムースの隠遁』
2009年/フランス/監督:フランソワ・オゾン/出演:イザベル・カレー、ルイ=ロナン・ショワジー、メルヴィル・プポー
WOWOWシネマで6月13日(木)21:00より放送
『Call Me kuchu ウガンダで、生きる』
2009年、アフリカ東部のウガンダでは、同性愛者を死刑にできる法案が議会に提出されました。民衆の差別感情を煽り立てるメディアや政治家と、それでも自らの存在を確かめながら今日を生きのびる人々、神という名の暴力と希望……。「私が私である」ことによって奪われていく日常は、遠い国のことなのか、それとも私たちの別の姿なのか…。渾身のドキュメンタリー作品です。
『Call Me kuchu ウガンダで、生きる』
日時:6月29日(土)
映画上映 10:40(開場10:20)/13:00(開場12:40)
勉強会「世界の中のセクシュアル・マイノリティ」15:30~17:30
会場:早稲田奉仕園you&Iホール
料金:一般1500円、学生/定期収入のない方1200円、勉強会参加は+300円
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