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特集:2021年10月のLGBTQ映画

この10月に上映・配信されるLGBTQ関連の映画やドラマの情報をお届けします。映画館で、ご自宅で、映画やドラマを楽しみましょう。

特集:2021年10月のLGBTQ映画
(『PAPA & DADDY』より)

いよいよ、やっと、緊急事態宣言が解除されますね。これまでどこにも行かず、きっちり外出を自粛していた方も、10月は少しお出かけしてみようと思うかもしれません。もう少し様子見しようとか、引き続き控えようと思う方もいらっしゃるかもしれません。いずれにせよ、映画館は比較的安全に、天候にも左右されず、エンターテインメントを楽しめる場所だと思います。
この10月は、足立レインボー映画祭、トランスジェンダー映画祭(オンライン)、シネマートの「のむコレ」、福岡インディペンデント映画祭、(今年はLGBTQ作品はほとんどないようですが)東京国際映画祭など、たくさんの映画祭が開催されるのも特徴の一つ。そして、10/11の国際カミングアウトデーにあわせ、期待の『沖縄カミングアウト物語』も公開されます。観たい映画がたくさん!という感じです。
というわけで、10月に上映・放送・配信される映画やドラマの情報をまとめてお伝えいたします。
(コロナ禍の影響で、地域によっては今後、映画館の状況も変わってくるかもしれません。また、どの映画館も感染防止策はとっているとは思うのですが、十分お気をつけください)
(最終更新日:10月15日)

 

配信中
ジェイミー!

 ドラァグクイーンとしてプロムに出場したいという夢を抱く男子高校生のジェイミーが、学校側の反対や無理解な父親との確執など多くの困難を乗り越えながら、自分らしくあろうとする姿に勇気と感動をもらえる、最高にハッピーなポップ・ミュージカル映画『ジェイミー!』が、Amazon Prime Videoで9月17日から世界配信されることが決定しました。本来は劇場公開されるはずだったのですが、コロナ禍の影響を受けて延期に次ぐ延期となり…最終的にアマプラでの配信というかたちになったようです。ともあれ、間違いなく素晴らしい作品だと思いますので、楽しみにしましょう!(レビューはこちら

<あらすじ>
イギリスの男子高校生ジェイミー・ニューは、母親から真っ赤なヒールの靴をプレゼントされたことから、プロムにドラァグクイーンとして出席する夢を抱きますが、学校や教師は猛反対されてしまいます…セクシュアルマイノリティに理解のない学校や教師からの心ない言葉、理解のない父親との確執など、多くの困難に見舞われながら、それでもジェイミーは自分らしくあろうとする……
 
ジェイミー!
原題:Everybody's Talking About Jamie
2021年/米国・英国/監督:ジョナサン・バッテレル/出演:マックス・ハーウッド、サラ・ランカシャー、リチャード・E・グラント、ローレン・パテル、シャロン・ホーガンほか
Amazon Prime Videoで配信中
 



配信中
IT'S A SIN 哀しみの天使たち

 1980年代のロンドンを舞台にHIV/エイズに翻弄される3人のゲイ男性の姿を描いたドラマ『It’s a Sin』。英国のチャンネル4で今年初めに放送され、驚異的な大ヒットを記録し、HIV検査を受ける人が4倍にも急増しました。製作したのは、ゲイドラマのさきがけとして異例の大ヒットを記録した金字塔的作品『Queer As Folk』を手がけたラッセル・T・デイヴィス(ゲイの方です)で、自身の実体験をベースにしてこの作品を作り上げました。『POSE』がトランス女性を多数起用したのと同様、このドラマも、リアルなゲイの俳優を起用することにこだわったそうで、イヤーズ・アンド・イヤーズのオリー・アレクサンダー、ニール・パトリック・ハリス、スティーヴン・フライのほか、たくさんのゲイの俳優たちが活躍します。主題歌はもちろん、ペット・ショップ・ボーイズの『It’s a Sin』です。(レビューはこちら

「IT'S A SIN 哀しみの天使たち」(全5話)
Amazon Prime Videoチャンネル「スターチャンネルEX DRAMA & CLASSICS」で配信中(いま第3話まで配信されています。第1話はアマプラで無料でご覧いただけます)
 



配信中
シンデレラ

 誰もが知るクラシカルなおとぎばなし『シンデレラ』の物語に、現代の人気POPソングを織り込んだ、新感覚の『シンデレラ』。真実の愛だけでなく、自分の夢を自分自身の手で実現させるために努力するシンデレラの姿が描かれています。主演のシンデレラ役はショーン・メンデスとのデュエット「セニョリータ」が大ヒットしたカミラ・カベロ、シンデレラの継母役はアナ雪のイディナ・メンゼル、国王役は007シリーズや『マンマ・ミーア!』のピアース・ブロスナン、そして「ファンタジーの代名詞」フェアリー・ゴッドマザーをわれらがビリー・ポーターがつとめています。監督は『ピッチ・パーフェクト』シリーズのケイ・キャノン。面白くないはずがありません!

シンデレラ
2021年/英国・米国/112分/監督:ケイ・キャノン/出演:カミラ・カベロ、イディナ・メンゼル、ミニー・ドライバー、ニコラス・ガリツィン、ビリー・ポーター、ピアース・ブロスナンほか
Amazon Prime Videoで配信




〜10月17日 オンライン配信
クロスローズ

 YouTubeで『すいか』や『TIME』といったゲイの恋愛を描いた素敵な短編映画(や、たくさんのセクシーな動画)を発表し、世界中にファンを獲得しているちくわスタジオが、RainbowEventsとのコラボでGOGOさんなどもキャストに加え、ゲイの恋愛を描いた本格的な自主制作映画『クロスローズ』を製作、8月に2日間限定で上映イベントを開催しました。イベントが大好評だったため、地方の方や海外の方など、参加できなかった方のために、9月18日からオンライン配信されることになったそうです(※チケット代等の詳細についてはこちら)。最新情報はSNSでご確認ください→https://twitter.com/nanairochikuwa

 


9月25日~10月3日
国境を越えてキスをして!
 
 SKIPシティ国際Dシネマ映画祭は、2004年に埼玉県川口市で誕生したデジタルシネマにフォーカスした国際コンペティション映画祭です。今年は9月25日から10月3日まで開催されます。そのなかで、ユダヤ人とドイツ人の同性カップルを描いた作品『国境を越えてキスをして!』も配信されます。映画は典型的なロマンティックコメディの体を取りながら、そのロマンスの要素は、ユダヤ人とドイツ人、さらには、イスラエル人とパレスチナ人の恋愛という、ポリティカル・コレクトネス真っ青のきついスパイスが効いたコメディ作品となっています。(※本作は作品権利上の都合により、オンラインでの視聴回数に制限があります。映画祭期間中であっても、再生回数が500回に達した時点で配信終了となります。予めご了承ください)
 
<ストーリー>
恋多きイスラエル人女性シーラは、ついに理想の人、ドイツ人のマリアと出会う。マリアがテルアビブに越してくると、シーラの両親や弟は歓迎するが、戦争の過去を許さない祖母のベルタは、マリアに厳しく当たる…。

国境を越えてキスをして!
原題:Kiss Me Kosher
2020年/ドイツ/105分/監督:シレル・ぺレグ/出演:モラン・ローゼンブラット、ルイーゼ・ヴォルフラム、リヴカ・ミカエリ、イリット・カプラン、ジョン・キャロル・リンチ
©Fireglory Pictures GmbH
9月25日(土)10:00~10月3日(日)23:00にSKIPシティ国際Dシネマ映画祭にて配信(視聴料:300円)




10月1日公開
TOVE/トーベ

 あの「ムーミン」の原作者として知られる、フィンランドの作家トーベ・ヤンソンの半生を描いた映画です。トーベ・ヤンソンはレズビアンで、第二次世界大戦中は反戦の風刺画を描き続け、(映画『トム・オブ・フィンランド』でも描かれていたような)フィンランドで同性愛が禁じられていた時期も、同性パートナーとの関係を公にするなど、時代の先駆的な存在でした。フィンランドではスーパーヒーローで、自由の象徴でもある方です。才能があり勇敢で、ユーモアがあり謙虚。そして何のルールにもとらわれない自由さがありました。トーベ・ヤンソン自身の人生からインスピレーションを得て生み出されたムーミンたちの冒険は、彼女に国際的な名声と自由をもたらし、文学、コミック、舞台劇、アニメーションなど、今日においても世界中の人々を楽しませ続けています。戦時中、防空壕の中で怯えた子どもたちに語った物語から、いかに原作が執筆され、「ムーミン」のあのキャラクターたちが生み出されていったのか。トーベの人生のあり方とともに創作への情熱を描いた感動の物語です。

<あらすじ>
1944年のヘルシンキ。戦火の中でトーベ・ヤンソンは自分を慰めるようにムーミンの世界を作り、爆風で窓が吹き飛んだアトリエでの暮らしを始める。型破りな彼女の生活は、彫刻家である父の厳格な教えとは相反していたが、自分の表現と美術界の潮流との間にズレが生じていることへの葛藤、めまぐるしいパーティや恋愛を経験しながら、トーベとムーミンは共に成長していくのだった。自由を渇望するトーベは、やがて舞台演出家のヴィヴィカ・バンドラーと出会い、互いに惹かれ合っていく…。

TOVE/トーベ
原題:TOVE
2020年/フィンランド・スウェーデン/103分/監督:ザイダ・バリルート/出演:アルマ・ポウスティ、クリスタ・コソネン、シャンティ・ロニー、ヨアンナ・ハールッティ、ロバート・エンケル
10月1日(金)〜新宿武蔵野館、Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー
(c)2020 Helsinki-filmi, all rights reserved




10月3日 CS衛星劇場で放送
PAPA & DADDY

 台湾のLGBTQ映像作品プラットフォーム「GagaOOLala」が手がけたゲイファミリーのドラマシリーズです。主演のメルビン・シアはマレーシア出身のイケメン人気俳優。パートナーを演じるのはマイク・リン。脚本は『HIStory4 隣のきみに恋して~Close to You』で大ヒットBLドラマを手がけたナンシー・チェン。台湾の文化庁も制作を支援しています。好評を受けて、シーズン2の制作も決定しているそうです。

<あらすじ>
台北でバーを経営するダミアンの夢は「家庭を持ち子どもを育てること」。ダミアンは恋人のユーチューバー、ジェリーと2年間つきあった後、代理母出産により無事に息子のカイが誕生する。ダミアンとジェリーはカイを幼稚園に入れると、他の家庭との違いや母親がいない理由などについて、カイから答えづらい質問をされることになる。また、ゲイであることをカミングアウトできていないジェリーは、親との向き合い方に悩んでいた…。

PAPA & DADDY(全6話)
2021年/台湾/監督・脚本:ナンシー・チェン/出演:メルビン・シア マイク・リン
衛星劇場で10月3日(日)放送スタート 毎週日曜24:00~25:30 ※毎週3話連続放送




10月11日公開
沖縄カミングアウト物語〜かつきママのハグ×2珍道中!

 かつきさんは、幼少期からゲイであることを自覚していましたが、それを話すと「友達が離れ、家族がバラバラになる」と不安だったため、誰にも打ち明けられず、「ずっと孤独だった」と語ります。20代になると周囲からの結婚のプレッシャーも強くなり、沖縄を出る決心をしました。知人のつてで上京し、トラック運転手やアルバイトを経て、10年前に『九州男』のマスターになりました。「仕事や社会的地位にかかわらず、様々な人々が集い、気軽に語り合える場を作る仕事に喜びを感じている」と言い、趣味のテニスを通じて「人生を共にしたい」と思えるパートナーとも出会いました。一方、沖縄を離れてからいっそう、家族への思いが強くなり、「嘘をついていたくない。大好きで、いちばん大事な両親に、いちばん大切なことを話そう」と思い、カミングアウトを決意。8年前に帰郷した際、お母さんに「結婚しないの?」と聞かれ、「今言おう」と決め、「落ち着いて聞いて。結婚はしないよ。僕はゲイなんだ」と切り出しました…。そんなかつきさんのカミングアウトしたときの心境や周囲の反応、今の幸せな暮らしを、親しい人たちとのやりとりを通して描くドキュメンタリー映画です。なんと、あの下地正晃さんが主題歌を作ってくれました。これはもう、号泣必至です。10月11日の国際カミングアウト・デーに公開されます。

沖縄カミングアウト物語〜かつきママのハグ×2珍道中!
2021年/日本/監督:松岡弘明
YouTubeで10月11日21時〜期間限定で無料公開!(いずれ上映会も開催予定です)




10月15日〜17日 配信
ゲームフェイス

 UFC(総合格闘技チャンピオンシップ)の女子王座を狙う総合格闘家のファロン・フォックスは、トランスであることを理由に「女子リーグで闘うのはフェアじゃない」とバッシングを受けてしまう。高校バスケ選手のテレンスは、セクシュアリティを理由に、長年所属したチームのレギュラーから外された経験を持つ。東京五輪でも話題となった、スポーツ界におけるLGBTの「闘い」を追うドキュメンタリー作品。

ゲームフェイス
2015年/ベルギー・米国/95分/監督:マイケル・トーマス
トランスジェンダー映画祭2021にて配信




10月15日〜17日 配信
アロハの心をうたい継ぐ者

 太古ハワイ王国では、男性と女性、そして男性と女性の両方を持ち合わせるマフが、自然と調和し暮らしていましたが、植民地支配によってハワイ文化は抑圧され、マフも抑圧や差別の対象となってしまいます。現代のハワイでクムヒナ(ヒナ先生)は、マフとして、植民地支配で奪われたハワイ文化の心を若い世代に受け継いでいます。尊敬される先生、誇り高いハワイ人マフ、現代西洋社会を生きるトランス女性。そんなクムヒナの生きるハワイを描いたドキュメンタリー作品です。
※太古ハワイ王国の言い伝えを描いた短編アニメ『カパエマフの魔法石』も同時配信

アロハの心をうたい継ぐ者
2014年/米国(ハワイ)/77分/監督 :ディーン・ハマー、ジョー・ウィルソン
トランスジェンダー映画祭2021にて配信




10月17日 東京
足立レインボー映画祭

 2021年4月、足立区では「パートナーシップ、ファミリーシップ宣誓制度」が始まりました。しかし、区民の方のなかには「LGBTQって何? 自分の周りでは聞いたことがない」という方もいらっしゃるかもしれません。制度が始まったとしても本当の意味での理解促進はこれから始まります。世の中には多種多様な人がいます。LGBTQにとって住みやすい街は、当事者のみならず、いろいろな人が住みやすい街だと思います。足立区を住みたい街、住み続けたい街にするため、今回の映画祭がまちづくりの一助となると信じています。という趣旨で、第1回足立レインボー映画祭6月に開催されましたが、好評につき第2回が10月に開催されることになりました。上映作品は『ナチュラルウーマン』『I AM THEY』『パレードへようこそ』です。

足立レインボー映画祭
日時:10月17日(日)11:00〜
会場:東京芸術センター21階 天空劇場
無料
どなたでもご参加いただけます




10月22日~ 東京・大阪
鲛绡碧(こうしょうへき) 真珠の涙

今年のレインボー・リール東京(東京国際レズビアン&ゲイ映画祭)の上映を可能にしてくれたシネマートが毎年行なっている「のむコレ」という企画(あの『ゴッズ・オウン・カントリー』を上映し、ヒットにつながった企画です)で、今年もゲイ映画が上映されます。1本目は、中国発の司法次官と人魚の皇子のラブロマンスです。ちょっと『シェイプ・オブ・ウォーター』を彷彿させながら、人魚っていうところもゲイ的なファンタジーで、惹かれるものがあります。
 
<あらすじ>
時の司法次官、遠山(えんさん)は不審な事件の多い長安の治安の確保にあたっていた。ある日、滅亡寸前の人魚の国から逃げ出してきた皇子、漪下(いか)を捕える。周囲は冷徹な遠山が漪下を殺さないことを不可解に思うが、遠山は漪下に惹かれ、漪下もまた遠山を慕っていた。やがて思いを遂げた二人。しかし決して交わるはずのなかった運命には、相手を心から思うが故の悲劇、そして奇跡が待ち受けているのだった…。

鲛绡碧(こうしょうへき) 真珠の涙
2019年/中国/65分/監督:チャン・カイチャン/出演:チャン・ボーハン、シュー・ユエン、ロン・ジーユエンほか
のむコレ'21」(2021年10月22日~/東京・シネマート新宿、大阪・シネマート心斎橋)上映作品 ※上映スケジュールの詳細は未発表です



10月22日~ 東京・大阪
僕の世界の中心は

レインボー・リール東京2017で上映された作品。原作はヤングアダルト小説(ライトノベルみたいな)で、イマドキのエンタメという感じです。ゲイの主人公・フィルを取り巻く様々な人間関係(世界)を時にポップに、時にシリアスに描いたエンタメ作品。ドイツって本当にいい国だなぁと思わずにはいられません。フィル役は『ヒトラーの忘れもの』に出演して2015年東京国際映画祭で最優秀男優賞を受賞したルイス・ホフマン。ニコラス役はドイツの映画界で活躍しているヤニク・シューマンです。監督はオーストリア出身のヤーコプ・M・エルヴァという若手で、ティーン向けの作品を何本か手がけている方です。
 
<あらすじ>
サマーキャンプから帰ってきたゲイの高校生・フィルは、双子の姉(妹?)ダイアンと母・グラスとの間にただならぬ険悪な空気が流れているのを感じ取る。家での居心地が悪くなり、残りの夏休みを女友達のカットと遊び歩くフィル。新学期が始まると、彼らのクラスにイケメンすぎる転入生・ニコラスが入ってきて、フィルは(漫画のように)一目惚れしてしまう。カットの「彼はやめたほうがいい。何かを隠してる」「きっとセックス中毒よ」などという忠告もフィルの耳には入らず、(まさかの)ニコラスのほうからの誘いもあって、恋に落ちていくが…。

僕の世界の中心は
2016年/ドイツ製/115分/監督:ヤーコプ・M・エルヴァ/出演:ルイス・ホフマン、ヤニク・シューマン、スベニア・ヤング、ザビーネ・ティモテオほか
のむコレ'21」(2021年10月22日~/東京・シネマート新宿、大阪・シネマート心斎橋)上映作品 ※上映スケジュールの詳細は未発表です



10月29日〜31日
メジャーさん! 

 1969年6月、LGBTQ解放運動のブレイクスルーとなる「ストーンウォール」暴動のまっただなかにいたトランスジェンダーのメジャーさん。78歳になった今でも投獄されたトランスジェンダーたちに手紙を書き続けます。家族から見放された人たちを娘たちと呼び、数えきれない人たちからママと慕われる彼女のたどった人生とは? トランスコミュニティの愛と闘いを描く至極のドキュメンタリー作品です。

メジャーさん!
2015年/米国/91分/監督:Annalise Ophelian 
トランスジェンダー映画祭2021にて配信



10月29日〜31日
最も危険な年

 トランスジェンダーの人口は1%未満にすぎません。マジョリティの無知は、しばしば少数派への偏見や不安に結びついてきました。2016年米国ワシントン州では、トランスジェンダーのトイレ利用を制限する法案が持ち上がり、「出生時の性別のトイレを使うべきだ」とする主張に対し、トランスジェンダーの子を持つ親たちが立ち上がります。差別と戦う武器は、自分たちのありのままの物語を語ること。日本でも広まりつつあるトランスヘイトの問題を考えるうえで必見のドキュメンタリー作品です。

最も危険な年
2018年/米国/90分/監督:Vlada Knowlton
トランスジェンダー映画祭2021にて配信




10月30日 オンライン上映会&トーク
『愛で家族に〜同性婚への道のり』

 娘を育てているレズビアンカップルのファミリー、35年間人生を共にしてきたゲイカップル、一方がマカオ出身で二人で一緒に暮らすために同性婚に希望をつなぐゲイカップル、という3組の家族をフィーチャーしつつ、なぜ「婚姻平権(結婚の平等)」が求められるのか、実現に向けてどのような道のりを辿ったのか、といったことをパレードなどの映像を交えながら描いたドキュメンタリー映画です。3組とも本当に素敵なカップルで(また、「あれは僕らの将来の姿だ」と思えるようなリアリティがあり)、涙なしでは見られない作品です(レビューはこちら
 台湾で婚姻平権を求めた3組の同性カップルの姿を映し出した、この感動のドキュメンタリー『愛で家族に〜同性婚への道のり』が、台湾同志遊行(Taiwan LGBT Pride)の当日である10月30日(土)19:30~、オンライン上映され、合わせて台湾の同性婚実現についてのオーソリティである鈴木賢明治大教授、かずえちゃん、ちゃんちゃんチャンネルの樋田早紀さん&よーちゃんによるトークも行なわれます。
 参加費無料!ですが、100名様限定ですので、お早めにお申し込みください。

<あらすじ>
2016年、台湾立法院(国会)は同性婚法案を提出しましたが、アンチLGBTQのグループに阻止されます。一方、3組の同性カップルは、それぞれの家族の問題に直面していました。ティエン・ミンとシャンは30年以上も連れ添ってきましたが、彼らの愛は、老いと病という試練に直面しています。ジョヴィとミンディは生活の多くを婚姻平権(結婚の平等)に割いてきました、娘の親権を勝ち取るために。マカオ出身のアグーはシンチーと一緒に暮らしていますが、経済的問題や、高雄に住むシンチーの親との関係に悩んでいます…

『愛で家族に〜同性婚への道のり』オンライン上映会&トーク
日時:10月30日(土)19:30~21:40
ZOOMでオンライン配信
無料
お申込みはこちら





10月30日 福岡
帰り道

 『老ナルキッソス』『片袖の魚』の東海林毅監督の短編作品。1944年、戦時下の日本・福岡を舞台に、徴兵検査を受けた学生たちの帰り道での青春の一幕を描きます。戦争という大きなうねりにかき消される、セクシュアルマイノリティの青年の極私的かつ人間的な感情を掬い取り可視化した作品です。『片袖の魚』とあわせて福岡インディペンデント映画祭にて上映されます。

帰り道
2019年/日本/9.50min/監督:東海林毅/出演:眼鏡太郎、田中博士、照井健仁、永井秀樹、高木公佑、葛堂里奈
福岡インディペンデント映画祭にて上映



10月30日 福岡
Moving In Between

 エリカが性別適合手術を終えて日本に移住するまでの理想の身体を作る旅の記録。日本と台湾、男性と女性のアイデンティティの間を行き来することで、エリカが社会システムにおける性的マイノリティとして歩き出す過程を映し出すだけでなく、並行してエリカの姉の視点で「衝撃を受けた家族」の心の過程も描いています。
 
<あらすじ>
台北で長男として生まれたエリカは、東京で仕事をするうちに、これまで必死に抑えてきた女性としてのジェンダーアイデンティティを解放し、セクシャリティから踏み出し始めるが、自宅での突然の事故が彼女の計画を狂わせる。 夢を実現するための道のりは険しく、家族との和解はさらに長いものとなる…。

Moving In Between
游移之身
2019年/台湾/32.19min/監督:蔡佳璇 (Tsai Chia-Hsuan)
福岡インディペンデント映画祭にて上映

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