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特集:2023年5月公開・配信の映画・ドラマ

2023年5月に上映・放送・配信される映画やドラマの情報をお伝えします。今月は何と言っても『老ナルキソス』に要注目!です。その他、さまざまな作品をご紹介いたします。

特集:2023年5月公開・配信の映画・ドラマ

(『老ナルキソス』より)

 さわやかで過ごしやすい初夏の陽気。お出かけにぴったりなシーズンが到来しましたね。今月は、何と言っても5月20日から公開の超名作『老ナルキソス』に期待していただきたいです。そのほかにもさまざまなゲイ関連の映画やドラマが上映・放送・配信予定です。情報をまとめてお伝えいたします。
 ちなみに5月1日はファーストデー。各館1100円〜1200円で映画を観ることができます(特別上映等を除く)。都内では『ザ・ホエール』や『ノック 終末の訪問者』などもまだ上映されています。
(最終更新日:2023年5月10日)
 

<トピック:今年のレインボー・リール東京の日程が発表されました>
「LGBTQ×映画」に関するトピックです。
 レインボー・リール東京がTRPに合わせ、今年の日程と上映館を発表し、TRPにブース出展もしていました。
 第31回レインボー・リール東京(東京国際レズビアン&ゲイ映画祭)は、2023年7月15日(土)〜7月23日(日)に、ユーロライブとスパイラルホールの2会場で開催されることが発表されました。昨年とは異なり、スパイラルの後に別会場での上映が行なわれることになります。上映作品などの詳細は追って発表となります。また続報をお伝えします。
 
第31回レインボー・リール東京(東京国際レズビアン&ゲイ映画祭) 
7月15日(土)〜7月17日(月祝) @スパイラルホール(東京都港区南青山5-6-23 スパイラル3F)
7月21日(金)〜7月23日(日) @ユーロライブ(東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 2F)
主催:NPO法人レインボー・リール東京




5月1日〜配信
ジャンゴ ザ・シリーズ

 「ジャンゴ ザ・シリーズ」は、クエンティン・タランティーノ監督が『ジャンゴ 繋がれざる者』でリメイクしたことでも話題となったセルジオ・コルブッチの『続・荒野の用心棒』(1966年)を原案に、人種やジェンダー、LGBTQなどのテーマを加えて再解釈した西部劇です。マイノリティの視点を取り入れ、今まで西部劇であまり描かれなかった強い女性やLGBTQなど現代的なアングルを織り交ぜ、現代人に響くオリジナルストーリーが展開され、西部劇のジャンルに新たな風を吹き込むような作品になっているそうです。LGBTQの要素がどのように描かれているのかは明らかになっていないのですが、マイノリティを歓迎する町「ニュー・バビロン」で暮らす主人公たちが、神の名のもとに娼婦らを殺害したりしている隣町のエリザベスと敵対するところがストーリーの主軸になっているところを見ると、米国の南北戦争や文化戦争(マイノリティを擁護するリベラル派と、マイノリティを差別する福音派など宗教保守の衝突)を踏まえた展開になっているものと予想されます。

<あらすじ>
1872年、南北戦争終結から7年後のテキサス。白人を父に持つ黒人でかつて奴隷だったジョンと、子どもの頃に家族を失いジョンに育てられたサラは、人種や信仰、性別を問わずどんな人間も歓迎する平等の町「ニュー・バビロン」を開き、マイノリティたちを受け入れ、平和に暮らしていた。そこにジャンゴと名乗る流れ者が現れる。南北戦争へ出兵中に一家を殺された責任と後悔を背負い生きてきたジャンゴが、20歳になった娘のサラと再会を果たし、拒絶されながらも娘の信頼を取り戻そうとするが―。

「ジャンゴ ザ・シリーズ」全10話
スターチャンネルEXで5月1日(月)から日本初配信。6月6日(火)からはスターチャンネルで日本初放送




5月12日公開
TAR/ター

 今年のゴールデン・グローブ賞で主演女優賞に輝き、アカデミー作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞、撮影賞、編集賞にノミネートされた『TAR/ター』。米国の5大オーケストラでタクトを振ったのち、ベルリン・フィル初の女性首席指揮者に就任したリディア・ターという架空の人物を描いた作品です。ターはベルリン・フィルの女性コンサート・マスターと一緒に暮らしていて、移民の女子を養子に迎え、自らを“パパ”と称しているそうです。圧倒的な名声を手にし、飛ぶ鳥を落とす勢いのターですが、その権力の大きさゆえに(あるいは、女性だから、レズビアンだから)とある出来事に翻弄され、転落していく…というストーリーです。女性指揮者クレール・ジボーは「『TAR/ター』の主人公が男性だったら、これほど衝撃的ではなかったはずだ」と語っています。惜しくも「エブエブ」のミシェル・ヨーに譲りましたが、オスカーの呼び声も高かったケイト・ブランシェットの演技の凄さを堪能する作品であり、クラシックの世界が(音楽ライターの方が「ここまでリアルな作品は初めて」と興奮するほど)実にリアルに描かれており、「圧」のあるオーケストラの音から繊細な音まで、音がターの精神状態を表現する演出の妙も賞賛されています。ちなみにケイト・ブランシェットは、不朽の名作『キャロル』でもレズビアンの役を演じており、自身も過去に女性との交際の経験があるとカムアウトしています。

TAR/ター 
原題:TAR
2022年/米国/159分/監督・脚本・製作:トッド・フィールド/出演:ケイト・ブランシェット、ニーナ・ホス、ノエミ・メルラン、ジュリアン・グローヴァーほか
5月12日より、TOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開




5月12日〜25日 京都
93歳のゲイ

 大阪のMBS毎日放送が制作したドキュメンタリー映画など15作品が上映されるTBSドキュメンタリー映画祭2023。そのなかに『93歳のゲイ』もラインナップされています。「絶対に同性愛者と言われへん」時代を孤独に生きてきた大阪・西成の長谷忠さんの人生を追った感動のドキュメンタリーです。
 結婚をしたこともおつきあいをしたこともなく、誰にも言わず、ひっそりと孤独に生きてきた長谷さんが今のゲイコミュニティにつながったのは、「にじいろケアプランセンター」を運営する梅田政宏さんという方のおかげでした。しかし、MBSで『93歳のゲイ』が放送された3日後、梅田さんが急逝するという痛ましい出来事がありました。この作品は長谷さんの人生を振り返るだけでなく、高齢のLGBTQの支援活動に携わってきた梅田さんの姿を観ることができる作品でもあります。
 以前YouTubeにも上がっていましたが、現在は観ることができません。まだご覧になっていない方は、これを機にぜひ劇場で。

93歳のゲイ
2022年/日本/74分/PG12/監督:吉川元基
TBSドキュメンタリー映画祭として5月12日(金)14:30-、16日(火)16:15-、20日(土)14:30-、25日(木)16:15-、アップリンク京都で上映されます





5月12日〜配信
クィア・アイ: シーズン7

 ジョナサン・ヴァン・ネス、アントニ・ポロウスキ、カラモ・ブラウン、タン・フランス、ボビー・バークのファブ5が魔法のように戻ってきます。大人気の人生改造リアリティ番組『クィア・アイ』の最新シーズンがNetflixで配信スタート!です。『クィア・アイ』は2シーズン分を通しで撮影するやり方で、シーズン1&2が2018年に、シーズン3&4が2019年に公開されました。しかし、世界がコロナ禍で混乱し、シーズン5とシーズン6の間は1年半開くことになってしまいました。幸いなことにシーズン7はほぼコロナ禍の影響を受けずに撮影されました。今回、ファブ5はルイジアナ州ニューオーリンズに向かいました。タン・フランスは昨年11月の「E!Online」のインタビューで今回のシリーズが彼にとって「最も難しい」シーズンであり、これまで経験したなかで最も激しく泣かせるエピソードだったと述べています。ニューオーリンズは2005年にハリケーン・カトリーナによって壊滅的な打撃を受けた街だからです。今もその影響を受けているニューオーリンズの人々に勇気を与えるヒーローたちと、感動のビフォーアフターをぜひご覧ください。

クィア・アイ: シーズン7
5月12日よりNetflixで配信スタート





5月19日〜25日上映 京都
ボクらのホームパーティ

 『ボクらのホームパーティ』は、ゲイであることをオープンにした川野邉修一監督が、「商業映画では描かれることが少ないゲイの人々の日常を描きたい」という思いで製作した映画です。ゲイだからといってものすごく生きづらさを抱えてるわけじゃない、同性婚とか以前に、まず出会いや恋愛、パートナーシップを長続きさせるということが切実な問題で、恋愛って誰が「正しい」とか「悪い」とかじゃないし、人によって価値観も微妙に違うし、どうしたら幸せになれるんだろう、どうして傷つけあってしまうんだろうっていうゲイの現在地、イマの「ボクら」の姿をリアルに映し出してる作品だと思います。二丁目ロケが行なわれていて、新千鳥街が写ってたり、リアルなゲイの方もちらほら登場してたりするのも見どころです。京都出町座で1週間上映されます。(レビューはこちら
 
<あらすじ>
都内で開かれたゲイのホームパーティ。集まったのは、学生で何もかも未経験の智也、ゲイバーミセコの将一、ゲイクラブ店員の直樹とその友達(でオネエ)の正志、カメラマンの健一、そしてホームパーティを開いたカップルの彰人と靖。飲んで、食べて、騒いで、笑って、泣いて、また飲んで、楽しい時間が永遠に続くはずだったのに、それぞれが日頃心に溜め込んでいたウップンが爆発し、パーティは最悪の結末を迎える…

ボクらのホームパーティー
英題:Our House Party
2022年/日本/80分/監督:川野邉修一/出演:橋詰高志、景山慶一、松本亮、横路博、卯ノ原圭吾、窪田翔、井之浦亮介ほか
京都出町座で5月19日(金)〜25日(木)上映



5月20日公開
老ナルキソス

 5年前のレインボー・リール東京のコンペでグランプリに輝いた『老ナルキソス』が長編映画化され、5/20から劇場公開が決定。「ゲイとして生きることが許されなかった」世代の方たちに光を当て、今の時代へと接続し、包摂するとともに、多様なSEXを肯定し、愛しさを持って描く素晴らしい作品です。ぜひご覧ください。(レビューはこちら)(監督インタビューはこちら
 なお、『老ナルキソス』チームは先日のTRPに参加した(日出郎さんが目立ってた)だけでなく、東海林監督はGWの「プライドウィーク」でも5/6の「SM&セックスワーク」トークイベント5/7の「Not Alone Cafe Meets」にも出演します。ぜひリアルでお話を聞いてみてください。

<あらすじ>
ゲイでナルシストの老絵本作家・山崎カオルは、自らの容姿の衰えに堪えられず、作家としてもスランプに陥っている。ある日、ゲイ風俗(ウリ専)で働くレオと出会い、その若さと美しさに打ちのめされる。山崎の代表作を心の糧にして育ったというレオに、山崎は恋心を抱く。レオもまた山崎に見知らぬ父親の面影を重ね合わせ…すれ違いを抱えたまま、二人の旅が始まる――。

老ナルキソス
2023年/日本/110分/R15+/監督:東海林毅/出演:田村泰二郎、水石亜飛夢、寺山武志、日出郎、モロ師岡、津田寛治、田中理来、千葉雅子、村井國夫ほか/配給:オンリー・ハーツ
5月20日から新宿K's cinemaほか全国で順次公開



5月28日 札幌
パレードへようこそ

 札幌市北区の覚王寺というお寺では、本堂で映画鑑賞を楽しむとともに、住職による映画法話も聞ける「お寺シネマ」というイベントを企画しているのですが、第5回「お寺シネマ」で名作中の名作『パレードへようこそ』が上映されることになりました。
 英国のLGBTQ映画『パレードへようこそ』は、1980年代(まだゲイが「ヘンタイ」と罵られるような時代)のロンドンの都会っ子ゲイ&レズビアンと、ホモフォビアまるだしな荒くれ炭鉱夫たちとの間にまさかの友情が成立する奇跡のような実話を描いた、ゲラゲラ笑えてオイオイ泣けるエンタメ作品です。セクシュアリティのこと、カミングアウトのこと、HIVのことなど、ゲイにとって大切なあらゆることが盛り込まれている名作中の名作です。
 「お寺シネマ」では、本堂に正座したり座禅を組んだりして観るのではなく、ちゃんと椅子に座って鑑賞できますし、上映後には、住職さんが仏教視点で観た『パレードへようこそ』というお話(法話)をしてくださるそうで、興味深いです。チケットの売上が50枚を超えたら、こども食堂、学習支援等を行なう地元のNPOに寄付されるそうです。

お寺シネマvol.5『パレードへようこそ』
日時:5月28日(日)10:00~、15:00〜
会場:覚王寺(札幌市北区麻生町5丁目2-12)
料金:1,600円 ※内平住職による映画法話付き
チケットはこちら
定員:40名
主催:キノマド

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