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特集:2025年12月の映画・ドラマ
2025年12月に上映・放送・配信されるLGBTQ関連の映画やドラマの情報をお伝えします。『ジョージ・マイケル 栄光の輝きと心の闇』が公開されるほか、さまざまな映画祭や特別上映企画なども開催されます

(関西クィア映画祭『欲望の、けもの道』より)
いよいよ今年も押し詰まってきました。12月は『ジョージ・マイケル 栄光の輝きと心の闇』が公開されるほか、いくつか映画祭もありますし、VISUAL AIDSの上映会もありますし、クィア映画が目白押しです。
週末は劇場やギャラリー・美術館とともに映画館にも足を運んでみましょう。
新たに情報がわかり次第、追加・更新していきます。
ちなみに12月1日は「映画の日」。多くの映画館で1000円〜1300円で映画を観ることができます(特別上映等を除く)。『ブルーボーイ事件』なども上映中です。
(最終更新日:2025年12月14日)
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今月のトピック
「ウィキッド・スペシャル:忘れられない一夜」がアマプラで配信
いよいよ来年3月6日、『ウィキッド 永遠の約束』が公開されますが、これに先立ち、シンシア・エリヴォやアリアナ・グランデをはじめとする豪華キャストが集結した特別なイベント「ウィキッド・スペシャル:忘れられない一夜」(Wicked: One Wonderful Night)がLAのドルビー・シアターで開催されました。その模様が12月1日からAmazonプライムビデオで配信されます。直接的にクィアが表現されているわけではありませんし、音楽イベントの記録映像なので、このトピック枠でのご紹介とさせていただきました。
ルポール主演、アダム・シャンクマン監督のアクションコメディ映画が完成
RuPaul’s Drag Raceのユニバースから誕生した初の映画『STOP! THAT! TRAIN!』が来年5月に北米で公開されることがわかりました。監督は『ヘアスプレー』のアダム・シャンクマン、オープンリー・ゲイの監督です。
親友どうしのテス(ジンジャー・ミンジ)とディーディー(ジュジュビー)は、退屈なStank Railから華やかなGlamazonian Expressに乗り換えますが、大災害「ストーマガンザ」が高速列車を脱線させそうになり、一等車の気取った乗務員(ブルック・リン・ハイツ、マルシア・マルシア・マルシア、シモーヌ)や大統領ガグウェル(ルポール)と協力し…というストーリー。この荒々しいキャムプとコメディの旅で一日を救わなければなりません。
アダム・シャンクマンは「挑戦的なキャストと共に過ごした今回の撮影は、これまででも最も面白かったです。早く全国の観客に届けたいです。こんなに笑えたことはありません。この映画で笑わなかったら、あなたはグリンチファミリーの子孫かも!」と語っています。(broadway world「『ル・ポールのドラァグレース』映画の公式タイトルと2026年公開日が決定」より)
アジアンクィア映画祭がクラファン実施中
こちらのニュースでもお伝えしましたが、13年の時を経てアジアンクィア映画祭が復活、来年2月に渋谷で開催されます。アジアのクィア映画を発掘し、後に日本でも劇場公開された『後悔なんてしない』や『GF*BF』など数々の話題作を日本初上映してきた映画祭で、アジアらしく熱くエモーショナルな作品を観て泣いたり笑ったりできる素敵な時間を過ごせます。12月末までクラファン実施中ですので、ぜひご協力をお願いいたします。 
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上映中
ブルーボーイ事件
1960年代、街の浄化を目的に、検察が性別適合手術を行なってきた医師を逮捕・起訴するという事件が起こりました。実際に医師から手術を受けたトランス女性(“ブルーボーイ”)たちは、勇気を振り絞り、自らの尊厳と誇りをかけて法廷に立ち、証言します…彼女たちのそれぞれの葛藤や思い、生き様に胸を打たれること必至の、心ふるえる感動作です。ゲイシーンでおなじみのイズミ・セクシーさんや中村中さんら当事者のキャストの活躍も素晴らしいです。日本映画界に堂々と正面から、こんなにも深く性の多様性の真髄を描き、クィアを抑圧するものの正体を暴く作品が、この今の時代に現れたことの意義は計り知れません。『ブルーボーイ事件』は今年最も注目を集めるクィア映画となるでしょうし、間違いなく、長きにわたって名作と称えられる映画になるでしょう。ぜひこの「事件」を、映画館で目撃してください。(レビューはこちら)
<あらすじ>
1965年、オリンピック景気に沸く東京で街の浄化を目指す警察は、街娼たちを厳しく取り締まっていたが、ブルーボーイと呼ばれるトランス女性のセックスワーカーの存在が警察の頭を悩ませていた。彼女たちは戸籍上男性のままであり、現行の売春防止法では摘発対象にならないからだ。そこで検察が目をつけたのが性別適合手術だった。生殖を不能にする手術は優生保護法(※現在は母体保護法)に違反するとこじつけ、ブルーボーイたちに手術を施していた医師の赤城を見せしめで逮捕し、裁判にかけたのだ。
同じ頃、東京の喫茶店で働くサチは、恋人の若村からプロポーズを受け、幸せをかみしめていた。そんなある日、弁護士の狩野がサチのもとを訪れる。サチは赤城医師の執刀で性別適合手術を受けており、最後の仕上げの施術を目前に控えていた。赤城の弁護を引き受けた狩野は、証人としてサチに出廷してほしいと依頼する。恋人にも迷惑がかかり、今の幸せが壊れてしまう…と証言を拒んだサチは、残りの手術を引き受けてくれる新たな医師を探すうち、かつて働いていたゲイバーでの同僚・アー子と再会する。自身がママとなるバー「アダム」を開くために奔走するアー子は、すでに裁判での証言を決めていた。一方、ブルーボーイたちの元締めとして働くメイも証人を引き受けるが、彼女はこんな裁判は茶番だとバカにする…。
ブルーボーイ事件
2025年/日本/106分/配給・宣伝:日活、KDDI/脚本:三浦毎生、加藤結子、飯塚花笑/監督:飯塚花笑/出演:中川未悠、前原滉、中村中、イズミ・セクシー、真田怜臣、六川裕史、泰平、渋川清彦、井上肇、安藤聖、岩谷健司、梅沢昌代、錦戸亮ほか
11月14日(金)より全国ロードショー公開
配信中
「世界の・周りの・私のジェンダー」を見つめるショートフィルム特集
国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」が厳選したショートフィルムを毎週水曜日に配信しているオンラインシアター「ブリリア ショートショートシアター オンライン(BSSTO)」。簡単な会員登録をいただければ、常時12作品ほどを無料でご視聴いただけるという素敵なサービスです。そのBSSTOが、11月20日の国際トランスジェンダー追悼の日と13〜19日のトランスジェンダー認知週間に合わせ、『片袖の魚』を含む5本のショートフィルムを特集配信します。
「世界の・周りの・私のジェンダー」を見つめるショートフィルム特集配信
https://sst-online.jp/magazine/18192/
クレイリーレイクの終わらない夏
夏が終わり、観光シーズンもひと段落。湖畔の「ホットドッグスタンド兼 ボートレンタル店」で働くレーンは、雨を避けながらハイになって、何も起こらない一日をやり過ごそうとしていた。しかし、ちょっと気になるボートの借り手・カーラの登場で、レーンの退屈な一日は思いがけない方向へと転がり始める――。
『クレイリーレイクの終わらない夏』 (Crarylake Boats and Floats)
監督:Spencer Thielmann & Emily Berge/アメリカ/2022/9:40
僕の言いたいこと
ゲイであることを隠しているインドネシア人俳優フィルマンは、映画のインタビュー中、“ストレト”のイメージを崩すまいと必死だ。しかし、トランスジェンダーの友人ケニーが、共演者ジョニによるハラスメントを訴え た件について聞かれると、彼の心は葛藤する。キャリアのために沈黙を貫くべきか、それとも、自分の秘密がバレてしまうリスクを冒してでもクィアの仲間を守るべきか。彼は決断を迫られる。
『僕の言いたいこと』(In the Words of Firman)
監督:Kurnia Alexander/インドネシア/ドラマ/2024/18:20
片袖の魚
トランスジェンダー女性の新谷ひかり(イシヅカユウ)は、ときに周囲の人々とのあいだに言いようのな い壁を感じながらも、友人で同じくトランス女性の千秋(広畑りか)をはじめ上司である中山(原日出子)や同僚の辻(猪狩ともか)ら理解者に恵まれ、会社員として働きながら東京で一人暮らしをしている。ある日、出張で故郷の街へと出向くことが決まる。ふとよぎる過去の記憶。ひかりは、高校時代に同級生だった久田敬(黒住尚生)に、いまの自分の姿を見てほしいと考え、勇気をふり絞って連絡をするのだが――。
『片袖の魚』(The Fish with One Sleeve)
監督:東海林毅/日本/ドラマ/2021/34:00
ジュリアンと風
寄宿学校の寮で同室となった二人の少年。 ある夜、ジュリアンは眠ったまま庭へと歩き出す。風に導かれるような その不思議な出来事をきっかけに、二人は言葉にできない時間を共有していく。
『ジュリアンと風』(Julian and the Wind)
監督:Connor Jessup/カナダ/ドラマ/2025/15:00
ハッピーバースゲイ
ローニットは息子のナダブがゲイであることをカミングアウトしてから1年が経ったことを祝うため、仰々しいサプライズ・パーティーを開く。しかし、ナダブは母と同じ様に祝うことができずにいる。「Happy BirthGay」は、息子ではなく母親が抱く秘密を描いた悲喜劇である。
『ハッピーバースゲイ』(Happy Birthgay)
監督:Niv Manzur/イスラエル/コメディ/2022/16:09
12月1日
短編集 日本初上映:Meet Us Where We’re At
HIVとともに生きる人々の現実を、世界のアーティストが支援や共生のまなざしから描く映像集、世界同時初公開+スペシャルトーク開催! 今年の「Day With(out) Art 2025」では、HIV危機と社会の周縁に生きる人々の現実を世界各地のアーティスト6名が映像で描き出す国際上映プログラム「Meet Us Where We’re At」の上映+トークイベントをお届けします。ゲイ、トランス女性、HIV陽性者らが築いてきた〈支援と共生〉の文化としてのハームリダクションを、映画を通して見つめる55分。トークには、倉田めばさんとDJ POIPOIさんが登壇してくれます!(昨年の上映会のレビューはこちら)
短編集 日本初上映:Meet Us Where We’re At
日時:2025年12月1日(月)20:00開始(19:30開場)
会場:Space & Cafe ポレポレ坐
入場料:1000円(1ドリンク代込み|現金のみ)
定員:60名
ゲスト:倉田めばさん、DJ POIPOIさん
予約はこちらから
12月3日 東京
ハッシュ!
子どもをさずかりたいゲイカップルが友人の女性と相談し、スポイトで…新しい家族のありかたをめぐって繰り広げる騒動を描いたヒューマン・ドラマ映画『ハッシュ!』(2002年)は、商業映画でおそらく初めて同性カップルの子育てを描いたことや、田辺誠一さん、高橋和也さんのような著名な俳優がゲイ役を演じたこともあり、ゲイコミュニティ内でも世間でもたいへんな話題を呼びました。その記念碑的な作品『ハッシュ!』が、12月12日から開催される「カンヌ監督週間 in Tokio 2025」の記念プレイベントとして(同作は2001年のカンヌ国際映画祭監督週間に正式出品されています)12月3日に無料上映され、橋口監督と田辺さんが登壇するスペシャルトークイベントも行なわれます。
映画「ハッシュ!」特別上映 開催概要
日時:2025年12月3日(水)開場18:15、開映18:30 ※上映後トークイベント
会場:東京日仏学院 エスパス・イマージュ
※全席自由席、チケット番号順での案内
料金無料
チケット予約はこちら
12月5日〜7日 豊中
関西クィア映画祭
今年の関西クィア映画祭は、京都会場が先で大阪会場が後になります。今回もとてもたくさんの作品が上映されるのですが、ここでは大阪会場で上映される作品をご紹介します(ものすごくたくさんあるので、抜粋してのご紹介とさせてください)
関西クィア映画祭
【大阪会場】
日程:2025年12月5日(金)〜7日(日)
会場:豊中すてっぷ(とよなか男女共同参画推進センター すてっぷ)
◼︎⼀般作品部⾨
関⻄クィア映画祭お馴染みのジュールズ・ロスカム監督の最新作、性分化疾患/インターセックスをテーマにした作品、友情と恋愛の境界線に揺れる⾼校⽣を描いた⻘春映画、⾃分らしく⽣きる喜びと痛みを描く作品など、それぞれ国もテーマも異なる4作品を上映します。
欲望の、けもの道
12月5日(金)17:00-
80年代、イランから米国に亡命したアフマドは、ゲイとしての欲望を隠して生きてきた。自身のアイデンティティと欲望の居場所を探し求め、あるLGBT+アーカイブを訪れたアフマドは、無数の記録を紐解いていく。そこに収められていたのは様々なトランスマスキュリンのゲイたちのインタビュー。そして、80年代アメリカで初めてトランス男性のゲイだと名乗り、トランス医療の異性愛規範やエイズ危機下でのトランス男性の周縁化を世に問うたルー・サリバンの記録映像や書簡だった…。
(監督:ジュールズ・ロスカム|83分|2024年|米国|英語)
わたしの生まれた世界
12月7日(日)10:30-
マリアとニコ、愛し合う若いカップル。待望の赤ちゃんを迎えたふたりだったが、産まれた子を見た看護師や医師は顔を曇らせる。赤ちゃんの身体には、その場で性別判定をすることが難しい特徴が見られたのだ。医者が赤ちゃんへの手術を勧める中で、わが子の手術をめぐり、ふたりは決断を迫られる。手術を強く望むニコに対し、マリアはインターセックスの人々とその家族の語りに心を動かされ、医療の慣例や自らの性別観に疑問を抱き始める…。
(監督:アレハンドロ・スノ|104分|2024年|メキシコ|スペイン語)
ウエスタンハット
12月7日(日)15:10-
カナダ・トロントを拠点に活動するサブリナ・ウェイ監督が疎遠だった父との再会を通して、自分自身のアイデンティティと向き合う女性の静かな葛藤を描いた作品。主人公ローガンが、退院する父の世話をするために故郷へ戻るところから物語は始まる。仕舞ってあった箱の中は、幼い頃の思い出でいっぱいだ。父や他人が現れない実家は居心地も良くて楽しい。だが、父が帰ってくると、ぎこちなさと愛情と何とも言えない緊張がふたりをつつむ。町の人々との何気ない会話、ひとりで過ごす穏やかな時間、そして父とのやりとりの中に、ローガンの揺れる心が丁寧に映し出される。
(監督:Sabrina Way|20分|2024年|カナダ|英語)

◼︎国内作品コンペティション
今年は3プログラムにわたって、応募総数47作品の中から、多種多様な全9作品を上映します。1作品上映ごとに、その作品についての投票を行い、最優秀観客賞を決定します。京都会場では国内ゲイ短編集が上映されましたが、大阪会場では国内トランス・クィア短編集と国内クィア・レズビアン短編集が上映されます(詳細はこちら)
◎国内トランス・クィア短編集
12月6日(土)17:05-
上映作品:『トランス』『私はわたし』『異性愛』
◎国内クィア・レズビアン短編集
12月7日(日)15:10-
上映作品:『Hear. Me. Out.』『悠久 UQ』『魔性の女A』
◼︎「日本人ファースト」をやめるために 特集:日本と移民、そして植民地主義
在日朝鮮人のトランスジェンダー。ウチナーンチュのレズビアン。アイヌのクィア。フィリピンハーフのゲイ。多数派の日本人とは異なる社会経験をする人たちが、私たちのコミュニティにもすでにいます。そして、「居るのに不可視化される」 「知ってて無視される」 という構造は、クィア映画界にももちろんあります。全ての人が対等に生きていけるように。試行錯誤しながら、私たちのコミュニティや日本の社会のあり方を根底から変えていきましょう。
世界は僕らに気づかない
12月6日(土)10:30-
ゲイで、ミックスルーツで、父親が家にいなくて、母親はフィリピンパブで働いていて…という群馬の男子高校生が、やり場のない怒りを母親にぶつけながら、自分の手でなんとか道を切り開こうともがく姿を熱く描いた人間ドラマ。号泣必至の名作です。(レビューはこちら)
(監督:飯塚花笑|112分|2022年|日本|日本語・タガログ語)
Kotowari 断り
12月6日(土)19:30-
日本人の咲来(サキ)は、フランス人の妻トムとともに、ようやく手に入るはずの在留カードを受け取りに移民局を訪れる。二年間待ち望んだこの日。しかし、窓口では、必要な書類を揃えていても些細な理由で突き返され、たらい回しの対応が繰り返される。途方に暮れる咲来の前に、一人の男が現れ、「君にあげるものがある」と言ってきて…。忘れられた「移民する側」としての記憶を呼び起こし、現在の移民制度の不条理と同性カップルが抱える困難を鋭く映し出す作品。
(監督:渡邉プロスペル・コガリ|22分53秒|2024年|フランス|フランス語・日本語)
流れゆく 遠い道
12月6日(土)19:30-
鉄橋と川の水が交差する東京東部の荒川の堤防下に「関東大震災時韓国・朝鮮人殉難者追悼之碑」がある。在日朝鮮人2世の愼民子(シン・ミンジャ)さんは、並び建つ「ほうせんかの家」にいる。鳳仙花で爪を染め、朝鮮半島に古くから伝わる伝統芸能・風物(プンムル)を教える愼民子さんの日常と、在日朝鮮人3世のクィアアーティスト・uhiさんの詩が静かに交わる作品。関東大震災朝鮮人虐殺100周年を記録したいという想いから制作され、今回が関西初上映となる。
(監督:チェ・イェリン(崔藝隣)|27分|2023年|日本・韓国|日本語)
◼︎特集 女女の人生
宗教と恋の間で揺れるイスラム教徒の⼥、⼦をなしたい⼥性カップル、パートナーが急逝する⾹港⼈レズビアン、島のレズビアンコミュニティで⽣きる⼥たち――国も境遇も異なる⼥たちの4作品を上映します。
今日の海が何色でも
12月7日(日)18:30- ★クロージング作品
仏教国タイの南端、イスラム文化が息づくマレーシアとの国境の街、ソンクラー。かつてこの町には美しい砂浜があったが、高潮によって侵食され、現在は護岸用の人工の岩に置き換えられていた。その地で、イスラム教徒のシャティと都会からやってきたアーティストのフォンは、美術展を通して出会う。惹かれあっていく二人だったが、保守的な過程で育ったシャティは、内なる葛藤に苦しめられる。そんな彼女をよそに、両親は結婚を急かし、お見合い相手の男を連れてきて…。
(監督:パティパン・ブンタリク|93分|2023年|タイ|タイ語・南部タイ方言)
子を生(な)すこと
12月7日(日)12:50-
同性カップルの不妊というテーマを静かに問いかけるドキュメンタリー。障害のあるアーティストのマリアと、看護師のクリスティアーノ。⼆⼈は、介護する側とされる側で出会い、恋に落ちる。ともに暮らし始めた⼆⼈は、やがて⼦をなしたいという夢を持つが…
(監督:ジュディス・ボイト|104分|2024年|ドイツ・ノルウェー|ドイツ語・英語)
レスボス島のレズビアンたち
12月6日(土)15:10-
古代詩人サッフォーの故郷、ギリシャ・レスボス島の小さな村エレッソス。1970年代から西欧のレズビアンたちがこの地を訪れ、自由と連帯を求めてコミュニティを築いてきた。しかし、地元住民との間には、アイデンティティと文化をめぐる緊張が生まれる。
(監督:Tzeli Hadjidimitriou|77分38秒|2024年|ギリシャ|ギリシャ語・英語・フランス語・イタリア語)
◼︎パレスチナ連帯ミニ企画:虐殺にプライドはない!No Pride in Genocide!
12月5日(金)19:00-
今年6月のプライド月間に、世界30ヶ国100会場以上で開催された「クィア・シネマ・フォー・パレスチナ」8作品を再上映。「イスラエルではLGBTの権利が守られているが、パレスチナではそうではない」というイスラエル政府の宣伝が真っ赤な嘘だということがよくわかります。(詳細はこちら)
12月5日公開
ピアス 刺心
台湾の新星リウ・シウフーと『KANO 1931海の向こうの甲子園』のツァオ・ヨウニンが主演を務めた心理スリラー作品であり、クィア映画。フェンシングを題材に、ある兄弟の愛と疑念が対立する様を描いています。文春オンライン「フェンシングの試合相手を刺した兄の“殺人”は故意だったのか? 事故だったのか? 揺れる弟の一言がもたらす衝撃のラスト【『ピアス 刺心』レビュー】」によると、ジージエがフェンシングのクラブの中で気になっている青年がいることを知った兄のジーハンが、弟とその相手がゲイであることを確認するでもなく、とても自然に「彼はイケメンだし、告白してデートすればいい」と言うシーンがあります。そのシーンがゲイバーを舞台にしていることから、もしかしたら暗に兄のジーハンもゲイであることを示唆しているのかもしれない、と思わせるものがあるそうです。ただ、映画自体は、母親がジーハンが邪悪さを持っていると思い込み、ジージエも兄の二面性に不信を抱いていて、そのことがジーハンを狂わせ、惨劇を生む…という、心理的な怖さを描く作品であるということをご承知おきください。
<あらすじ>
フェンシングの試合中に対戦相手を刺殺してしまった兄のジーハンが、少年刑務所から7年ぶりに出所し、弟ジージエと再会する。相手を刺したのは「事故だ」と語る兄の言葉を信じ、ジージエはジーハンからフェンシングを教わることにする。疎遠だった時間を取り戻す兄弟だったが、ジージエは幼い頃に溺れた際、兄がすぐに手を差し伸べてくれなかった記憶を思い出す。それは何故だったのか。疑念が深まる中、悪夢のような事件が起こる。
ピアス 刺心
原題または英題:刺心切骨 Pierce
2024年製作/シンガポール・台湾・ポーランド合作/106分/監督:ネリシア・ロウ/リウ・シウフー、ツァオ・ヨウニン、ディン・ニン
12月5日公開
12月の君へ
役者を夢見る高校生と人気俳優の転校生、孤独を感じる二人の少女が出会い、やがて惹かれ合う高校時代と大人になった現在、時を越えて求め合う「冬の海での邂逅」を描くラブストーリーです。
<あらすじ>
運命に導かれるように親しくなった、2人の少女。俳優を夢見る高校生スアンの前に、都会から美しい人気俳優のソルが転校してくる。煌びやかな世界で自分を見失ったソルの心は、スアンの青く燃えるような演技に惹かれていく。放課後、冬の海でサーフィンをした2人は、冷えきった体を炎の前に寄せ合い、互いの孤独に触れながら少しずつ心を通わせていく。しかし、思春期の揺れる想いは“友情”と“恋愛”の狭間ですれ違い、ソルはスアンの前から姿を消してしまう。成長して人気俳優となったスアンは、あのとき伝えられなかった想いを胸に、今もなおソルの面影を探し続けている。そしてある寒い雪の日、彼女はふたたび、冬の海へと向かう。
12月の君へ
原題または英題:Heavy Snow
2024年/韓国/87分/監督:ユン・スイク/出演:ハン・ソヒ、ハン・ヘインほか
12月5日より配信
BARA
北九州にある薔薇族専門の成人映画館「小倉名画座」は、ゲイの出会いの場でもある。そこで出会った、ドラァグクイーンとして小さなショーパブで働く男と、ゲイであることを隠して生きる男。LGBTの多様性が認められつつも、同性婚は依然として認められていない現代の日本で、二人の人生が交錯する。ショート映画配信サービス「SAMANSA」にて配信されます(月額¥490、1週間トライアル付き)
BARA
2024年/日本/19分56秒/監督:chavo
12月6日 丸亀
香川レインボー映画祭
今年の香川レインボー映画祭は丸亀町で開催されます。上映作品は『カミングアウトジャーニー』『カミングアウトジャーニー2』『チェンジマイノリティ』『鏡をのぞけば~押された背中~』『OUR HOME』です。今回は観客の投票によって観客賞を選ぶそうです。ゲストトークなども予定されています。
第21回香川レインボー映画祭
日時:12月6日(土)11:00-15:00
会場:丸亀町レッツホール・カルチャールーム
チケットはこちら
12月13日公開
これからの私たち ALL Shall Be Well
長年連れ添ったレズビアンカップルが、パートナーの急死によってさまざまな問題に直面する姿を描いたドラマ。『叔・叔(スク・スク)』でゲイカップルの老後問題を描いたレイ・ヨン監督が、同性愛に対する偏見が根強く残る香港の現状を見つめるとともに、深刻な住宅不足や就職難、経済格差といった社会問題も浮かび上がらせます。(レビューはこちら)
<あらすじ>
60代のレズビアンカップルのアンジーとパットは、長年支え合って生きてきた。しかしパットが急死したことで、葬儀や遺産を巡って、それまで良好な関係だったパットの親族とアンジーの間に溝が生まれてしまい…
これからの私たち ALL Shall Be Well
原題または英題:従今以後 All Shall Be Well
2024年/93分/G/香港/監督:レイ・ヨン/出演:パトラ・アウ、マギー・リー、タイ・ポー、ホイ・ソウイン、フィッシュ・リュウほか
12月12日より上映 仙台
ふたりのまま
昨年のニュースで、子育てをしている(していた)性的マイノリティが242人に上ることが明らかになっていますが、日本で子育てをしている、あるいは子どもを授かりたいと願う4組の女性カップルを追ったドキュメンタリーが製作されました。親たちおよび精子提供をしてくれた友人と一緒に赤ちゃんを育てるふたり(精子提供者として海外のゲイの方も登場)、ステップファミリーになるため同棲を始めたシングルマザーとそのパートナー。長く不妊治療を続けてきたもののさまざまな「期限」に焦りを感じているふたり、精子提供により生まれた娘さんがまもなく成人を迎えるカップルという、4組4様の家族が抱く、子どもへの愛情、子育ての悩み、未来への願いを映し出します。同性婚が認められないがゆえにパートナーの子との間の法的関係がない(親権が認められない)ことや、特定生殖補助医療法案の問題などにも触れられていますが、こんなにたくさんのクィア女性が顔出しで映画に出ていること自体がすごいです。ハッとさせられたり、思わず見入ってしまったりの連続。画期的です。(レビューはこちら)
この映画が12日から仙台で上映されることになりました。上映を働きかけた宮城県在住の大塚のぞみさんは、カナダで結婚し、日本でも結婚式を挙げている当事者の方で、「ドキュメンタリーとしても素晴らしいものだと思いましたし、知るきっかけで映画は非常に入りやすいと、個人的にもすごく実感しました」と語っています。「性的少数者は存在は昔からいて、近年本当に珍しくないんだよねという意識にはなっていると思います。なので過剰に反応する人は今時いない、というのは自分の実感としてあるんですが、まだまだ言いづらい、というのも一方ではあると思います」「ただ『いますよ』という主張というより、どういう生活をしていて、どういう考えを持っていて、その経緯に至ったか、みたいなところまで丁寧に追っているものは理解しやすいですし、結局、何か違いを見せるのではなくて、一緒なんだということを実感する映画だと思います」(仙台放送「同性カップルの日常描く映画「ふたりのまま」仙台で上映へ 「この子の親です」胸張って言える日は…」)
ふたりのまま
2025年/日本/88分/製作:こどまっぷ/監督・撮影:長村さと子
フォーラム仙台で12月12日より上映
12月18日より配信
10DANCE
井上佐藤さんの漫画『10DANCE』を原作とするNetflix映画です。競技社交ダンスという徹底的に「愛を演じる」世界を舞台に、男役(リード)を務める二人の男たちが心を交わし合う物語だそう(TOKYO ART BEAT「男性性を暴く物語としてのBL──マンガ『10DANCE』(井上佐藤)が描き込む、唯一無二のクィア・ロマンス」より)
<あらすじ>
それぞれ異なるジャンルのダンスに打ち込んでいる鈴木信也と杉木信也は、名前が1文字違いであることから比較されていた。ある日鈴木は杉木から、全10種類のダンスで競い合う競技ダンス“10ダンス”で、ともにチャンピオンを目指そうと誘いを受ける。性格も何もかも正反対な2人はぶつかりながらも切磋琢磨し、徐々に惹かれ合っていく。
10DANCE
Netflixにて12月18日より配信
12月26日公開
ジョージ・マイケル 栄光の輝きと心の闇
ポップミュージック界の伝説ジョージ・マイケルの栄光と苦悩に満ちた人生をたどるドキュメンタリー映画。ワム!のマネジャーだったサイモン・ネイピア=ベルが監督を務め、ジョージ・マイケルの栄光と苦悩に満ちた人生を時系列でたどります。
<あらすじ>
1981年、18歳のジョージ・マイケルは、12歳の時からの友人であるアンドリュー・リッジリーとボップデュオ・ワム!を結成。当初契約したインナーヴィジョン・レコーズとの契約の問題でシングルが出せない状況となるが、賢く乗り切る。しかし、人気絶頂でも、ジョージ自身は幸せを感じず、1986年にはソロシングル「ディファレント・コーナー」でセクシャリティの葛藤を歌い、直後にワム!は解散を発表。1987年に発表したソロ・デビューアルバム『フェイス』はグラミー賞を受賞するが、1990年発表の「フリーダム!‘90」のMVでは、『フェイス』のキーアイテムだった革ジャンを燃やし、ポップスターのイメージから脱却。望んでいたはずの名声と引き換えに葛藤とジレンマを抱えていたジョージは、1988年のテレビのインタビューで不意打ちで同性愛者か聞かれた際は、「違うけど、誰にも関係ない」と答えていたが、1991年、ブラジル人衣装デザイナーのアンセルモ・フェレッパと運命的な出会いを果たす。幸せな日々を過ごしていたのもつかの間、治療法のない時代にアンセルモがHIV陽性になり急逝してしまった…。1993年、所属レコード会社の幹部の一人がジョージに対してゲイ差別用語を使ったといううわさを聞いて怒ったジョージは、自分のためでなく、業界全体のためにと他の業界では改善されているアーティスト個人の権利の確保のために裁判で闘う。2002年、「シュート・ザ・ドッグ」でブレア首相とブッシュ大統領を批判すると、今度はメディア王マードックとの闘いに…。そして2011年、オーストリアで肺炎にかかって危篤状態となったジョージは…。
ジョージ・マイケル 栄光の輝きと心の闇
原題または英題:The Real George Michael: Portrait of an Artist
2023年/UK/94分/監督:サイモン・ネイピア=ベル/出演:ジョージ・マイケル、アンドリュー・リッジリー、スティービー・ワンダー、スティーブン・フライ、ルーファス・ウェインライトほか
INDEX
- 2025-2026 冬〜新春のクィア・アート展
- レポート:涙、涙の院内集会「第8回マリフォー国会」
- 特集:2025年12月の映画・ドラマ
- レポート:東京トランスマーチ2025
- 2025-2026 冬〜新春の舞台作品
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