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特集:2025年2月の映画・ドラマ
2025年2月に上映・放送・配信されるLGBTQ関連の映画やドラマの情報をお伝えします。今月はアカデミー賞ノミネート作品でクィア的と言われている『野生の島のロズ』が公開されます

(『野生の島のロズ』より)
新春とは名ばかりで、寒さ厳しい今日この頃ですね…みなさま風邪などひきませんように。
毎月恒例の映画・ドラマ紹介特集をお届けします。
今月はあまり新作のクィア作品がありません。アカデミー賞ノミネート作品でクィア的とも言われている『野生の島のロズ』くらいです。あとは、2010年に話題を呼んだ『大奥 <男女逆転>』がAmazon prime videoで配信スタート、北九州で『愛で家族に』上映&鈴木賢氏トークイベントがあります。
きっとこのほかにも素敵な映画やドラマの情報が出てくると思いますので、新たにわかり次第、追加・更新していきます。
ちなみに2月1日は「ファーストデー」。多くの映画館で1100円〜1200円で映画を観ることができます(特別上映等を除く)。『ディックス!! ザ・ミュージカル』、『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』なども上映中です。
(最終更新日:2025年2月2日)
2月1日より配信
大奥 <男女逆転>
あの(『きのう何食べた?』で大勢を魅了した)よしながふみさんの『大奥』を原作として2010年に初めて実写映画化されて話題を呼んだ『大奥 <男女逆転>』(レビューはこちら)。将軍様が女性で大奥には大勢のイケメンたちが集められ…というお話で、大奥は男の園(逆に言えば男の監獄)ですので、当然、男どうしの夜伽もありますし、昼間から公然と上役といちゃいちゃする美少年などもいたりします。そこに、特に美男というわけでもなく、どちらかというと田舎くさくて野暮ったい水野という男(二宮和也さん)が入ってきます。水野は大奥では貴重な「男らしさを失っていない男」であるがゆえに「モテモテ」になるのですが、しかし、完全に大奥の住人にはなりきれないのです。まるで二丁目にまぎれこんだ体育会のノンケのようなもの。そうやって観ると、実にゲイテイストです。未見の方はぜひ。
大奥 <男女逆転>
2010年/日本/配給:松竹、アスミック・エース/監督:金子文紀/原作:よしながふみ/脚本:高橋ナツコ/出演:二宮和也、柴咲コウ、堀北真希、大倉忠義、中村蒼、玉木宏、倍賞美津子、竹脇無我、和久井映見、阿部サダヲ、佐々木蔵之介ほか
Amazon prime videoで2月1日より配信
2月7日公開
野生の島のロズ
米国の作家ピーター・ブラウンによる児童文学『野生のロボット』シリーズを原作に、野生の島で起動した最新型ロボットが愛情の芽生えをきっかけに運命の冒険へと導かれていく姿を描いた、ドリームワークス・アニメーションによる長編アニメ映画です。アカデミー賞では長編アニメーション賞のほか、作曲賞、音響賞の3部門にノミネート。今年6月にカムアウトしたマレン・モリスが主題歌「Kiss The Sky」を歌っているほか、内容も、ジェンダーが不明瞭なロボットが家庭を築いていくところがクィアであると言われている作品です(そういう意味では『ロボット・ドリームズ』に近いものがあるのかもしれません)。監督は『リロ&スティッチ』『ヒックとドラゴン』のクリス・サンダース、製作総指揮は『ヒックとドラゴン』の監督でオープンリー・ゲイのディーン・デュボアです。『ハート・ストッパー』のキット・コナーがひな鳥のキラリの声を担当しています。
野生の島のロズ
原題:The Wild Robot
2024年/アメリカ/102分/G/監督:クリス・サンダース/声の出演:ルピタ・ニョンゴ、ペドロ・パスカル、キャサリン・オハラ、ビル・ナイ、キット・コナーほか
2月7日より上映 熊本
まつりのあとのあとのまつり『まぜこぜ一座殺人事件』
TRP初期の頃からパレードに参加したり、40名超のLGBTQが出演するドキュメンタリー『私はワタシ~over the rainbow~』を製作するなどしてきた「Get in touch」の東ちづるさんが企画・構成・プロデュースした映画です。障がいを持つ方や性的マイノリティなど多様な特性をもつプロパフォーマーが集う「まぜこぜ一座」の舞台『歌雪姫と七人のこびとーず』のアフターストーリーで、座員と関係者が織りなす社会派コメディサスペンスです。エスムラルダさんが脚本を担当していて、東ちづるさんをはじめ、ろうの俳優/ダンサーの大橋弘枝さん、ダンプ松本さん、ドリアン・ロロブリジーダさん、マメ山田さん、三ツ矢雄二さん、芋洗坂係長さんなど多彩な方たちが出演します。東さんは「『こびと』が放送自粛用語なのはナゼ? マイノリティパフォーマーは普段から活躍するチャンスがないのは、ナゼ? 30年以上活動していても、このナゼ?はナゾのままです。ならば、自由な表現ができる映画で、ナゾを面白おかしくエンタメにしよう!と、まぜこぜのスタッフがまぜこぜのキャストと制作しました」とコメントしています。エンディング曲は三ツ矢さんや山寺宏一さん、日高のり子さんら声優11名がボランティアで歌っているそうです。(レビューはこちら)
まつりのあとのあとのまつり『まぜこぜ一座殺人事件』
2024年/日本/92分/監督:齊藤雄基/出演:東ちづる、大橋弘枝、ダンプ松本、ドリアン・ロロブリジーダ、桂福点、野澤健、マメ山田、三ツ矢雄二、峰尾紗季、森田かずよ、矢野デイビット、悠以、石井正則、芋洗坂係長、山野海ほか
2月7日からユナイテッド・シネマ熊本で公開されます。8日18時、9日11時半からの上映後、東ちづるさんのアフタートーク(手話通訳付き)があるそうです。パンフレット付き1500円です。
2月21日 北九州市
愛で家族に~同性婚への道のり~
同性婚が実現した台湾で、娘を育てているレズビアンカップルのファミリー、35年間人生を共にしてきたゲイカップル、一方がマカオ出身で二人で一緒に暮らすために同性婚に希望をつなぐゲイカップルという3組の家族をフィーチャーしつつ、なぜ婚姻平権(結婚の平等)が求められるのか、実現に向けてどのような道のりを辿ったのか、といったことをパレードなどの映像を交えながら描いた名作ドキュメンタリー映画『愛で家族に~同性婚への道のり~』。「北九州から結婚の平等にYES!」の企画として、『愛で家族に~同性婚への道のり~』の上映&トークイベントが開催されます。『台湾同性婚法の誕生: アジアLGBTQ+燈台への歴程』の著者である鈴木賢明治大教授が「同性婚が日本で法制化されたらどうなる?~同性婚実現から5年の台湾の今」と題してお話しするほか「結婚の自由をすべての人に」訴訟・九州弁護団の方が2024年12月の福岡高裁判決について語るそうです。九州や山口の方など、ぜひお出かけください。
<あらすじ>
2016年、台湾立法院(国会)は同性婚法案を提出しましたが、アンチLGBTQのグループに阻止されます。一方、3組の同性カップルは、それぞれの家族の問題に直面していました。ティエン・ミンとシャンは30年以上も連れ添ってきましたが、彼らの愛は、老いと病という試練に直面しています。ジョヴィとミンディは生活の多くを婚姻平権(結婚の平等)に割いてきました、娘の親権を勝ち取るために。マカオ出身のアグーはシンチーと一緒に暮らしていますが、経済的問題や、高雄に住むシンチーの親との関係に悩んでいます…
愛で家族に~同性婚への道のり~
原題または英題:同愛一家 Taiwan Equals Love
2020年/台湾/90分/監督:ソフィア・イェン
北九州から結婚の平等にYES 映画「愛で家族に」上映&鈴木賢氏トーク
日時:2025年2月21日(金) 18:30-21:30 (開場18:00)
会場:ウェルとばた 中ホール(北九州市戸畑区汐井町1-6 JR鹿児島本線戸畑駅南口より徒歩1分、北九州市立戸畑市民会館3階)
無料
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