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特集:2026年6月の映画・ドラマ
2026年6月に上映・放送・配信されるLGBTQ関連の映画やドラマの情報をお伝えします。今月はプライド月間にふさわしく、『熱狂をこえて』『トランジット・デイズ』という当事者の監督が撮ったクィア映画が公開され、レインボー・リール東京も開催されるほか、たくさんのクィア作品を観ることができます

(『クイーン・オブ・アイルランド』より)
いよいよ6月、プライド月間ですね。先行き不安な日々ではありますが、せっかくのプライド月間ですから、性の多様性を大いに祝い、クィア映画も観て楽しみましょう。というわけで、この6月に上映・放送・配信されるLGBTQ(クィア)映画やドラマをご紹介します。今月は何と言ってもレジェンド・南定四郎氏の人生と挫折の真実に迫ったドキュメンタリー『熱狂をこえて』や、『鏡をのぞけば~押された背中~』の河上りさ監督による新作『トランジット・デイズ』というクィアの監督が撮ったクィア映画が相次いで公開されます。しかもレインボー・リール東京も開催されますし、そのほかにも新旧の多彩なクィア作品が上映されます。こんなにいろんなクィア映画が観れるのって幸せだし、素晴らしいことだなぁとしみじみ。梅雨時ではありますが、ぜひみなさんも映画館に足を運んでみてください。
新たに情報がわかり次第、追加・更新していきます。
ちなみに6月1日は「ファーストデー」(金曜ですが、お休みに入っている方もいらっしゃるかと)。多くの映画館で1100円〜1300円で映画を観ることができます(特別上映等を除く)。『ドランクヌードル』などもまだ上映中です。
(最終更新日:2025年5月27日)
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<今月のトピック>
今年のカンヌ国際映画祭は、かつてないほど多数のクィア作品が上映されました
5月23日に幕を閉じた今年のカンヌ国際映画祭。クィア・パルムの選出で知られるカンヌですが、それだけでなくメインのコンペティション部門やある視点部門などでもクィア作品がたくさん上映されたそうです。
まず、ペドロ・アルモドバルのプロデュースでオープンリー・ゲイの俳優たちを起用し、コンペティション部門にノミネートされ、共同で脚本・監督を務めたハビエル・アンブロッシとハビエル・カルボが監督賞を受賞したのが『La Bola Negra(英題:THE BLACK BALL)』です。スペイン内戦でナショナリストの武装勢力によって殺害された詩人フェデリコ・ガルシア・ロルカの未完の作品を背景に、1932年、1937年、2017年という3つの時代を舞台に、歴史の中で沈黙させられていたゲイ男性たちの人生を現代へとつないでいく物語です。「1932年、名家に生まれた青年カルロスは、上流階級の会員制クラブ「カジノ」に入会を望むが、同性愛の噂を理由に委員会の投票で“ブラックボール(拒絶)”を突きつけられる。スペイン内戦下の1937年前後、フランコ側であるナショナリスト軍に組み込まれた音楽隊の青年セバスティアンは、戦闘の混乱の中、共和派捕虜のラファエルと出会う。監視する立場にありながら、彼は美しいラファエルに惹かれていく。2017年、現代のマドリードで音楽におけるクィアなアイデンティティを研究する大学院生アルベルトは、疎遠だった祖父の遺品を通じて、母が触れようとせず、家族の中で封じられてきた過去の断片を集めることになる」
それから、『Girl/ガール』『CLOSE クロース』のルーカス・ドン監督の最新作で、2人の若き兵士たちの恋を描いたクィア・ロマンス映画『COWARD』が男優賞を受賞しました。『GQ』の記事によると、「第一次世界大戦下のベルギー軍では、兵士たちの士気と日常を保つため、前線任務を免除された落ちこぼれの兵士たちが演劇を上演していた。ときに女性役も担いながら。農場に生まれ芸術に触れたことがなかったピエールは、仕立て屋の息子で劇団を率いるフランシスと出会う。兵士たちの前で歌い、演じることで空気を変えていくフランシスは、やがてピエールにとってかけがえのない存在になっていく」というストーリーで、「悲劇的な結末を背負わされがちだったクィア映画の系譜に対し、本作は“COWARD=臆病者”という在り方に新たな希望を見出している」そうです。主演したヴァランタン・カンパーニュとエマニュエル・マキアがともに男優賞を受賞しました。
そして、あの『ボヘミアン・ラプソディ』のラミ・マレックがエイズと闘うゲイのパフォーマーを演じた『The Man I Love(原題)』。エイズが猛威を振るった1980年代後半のニューヨークを舞台に、HIVに感染したゲイのジミー・ジョージが、おそらく彼にとって人生最後となるであろうステージを作り上げていく様を描いた作品です。監督は『人生は小説よりも奇なり』『ポルトガル、夏の終わり』のアイラ・サックス。カンヌのプレミアでは「これは、芸術や愛、痛み、そして記憶を通して、お互いに何をもたらすことができるかを描いた作品です。我々も今夜の映画祭、映画への愛から、何か記憶を共有できればと思います。ここは、それが叶う場所ですから」と語っています。早く観たい、公開が待ち遠しい作品です。
これら3本の大作ゲイ映画を制し、今年のクィア・パルムを受賞したのは、「ある視点」部門に出品されたジェーン・シェーンブラン監督の『Teenage Sex and Death at Camp Miasma』でした。『ハリウッド・レポーター・ジャパン』の記事によると、「架空のスラッシャー映画を“自己と欲望”をめぐる対話の入口として再構築した知的で奇妙な作品。新進監督を演じるハンナ・アインバインダーと、忘れ去られた俳優を怪演するジリアン・アンダーソンが絡み合い、血しぶきにまみれた自己発見の旅が展開する。混沌と誠実さが同居する語り口で観客を煙に巻きつつも強く惹きつける、挑発的なメタフィクション」だそうです。

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上映中
ドランクヌードル
NYのブルックリンを舞台に、ゲイの青年のひと夏のセックスをめぐる冒険譚を描いた作品です。CINEMORE「『ドランクヌードル』ルシオ・カストロ監督 虚構=フィクションの力を信じてみる【Director’s Interview Vol.545】」によると、主人公は夜のハッテン公園で複数の男たちと乱交したり、ときには何十歳も年上の相手と関係を持ったり、セックスレスの恋人と奇妙な体験をしたりします。「その体験はどれも官能的でありながら、驚くほど軽やかで、不思議なユーモアに満ちている」そうです。古来より男たちは夜の公園で出会い、セックスし、いろんな関係性を結んできましたし、そういう「ハッテン」はたくさんの映画で描かれてきましたが、伝統的なニードルポイント技法でゲイセックスを描く刺繍アーティスト、サル・サランドラの作品に着想を得て制作されたという今作は、それを日常と記憶、幻想が混ざり合う詩的な映像で紡いだ作品になっています。なお、タイトルの「ドランクヌードル(酔っ払い麺)」は、酔っ払いの目を覚ますほど強烈な辛さのタイ料理「パッキーマオ」の英語名に由来しているそうです。(レビューはこちら)
<あらすじ>
夏の間、叔父の洒脱な家で留守番をするためブルックリンにやって来た美大生の青年アドナン。同時にギャラリーでインターンとして働きはじめるが、そこに展示されるのは、去年の夏に彼が出会った奇抜な刺繍アーティストの作品だった。過去と現在が交錯するなか、官能と創造の出会いの連なりが、アドナンの日常の輪郭を曖昧にしていく。
ドランクヌードル
原題または英題:Drunken Noodles
2025年製作/アメリカ・アルゼンチン合作/82分/R15+/監督:ルシオ・カストロ/出演:レイス・カリフェ、ジョエル・アイザック、エズリエル・コーネルほか
6月1日〜24日 大宮
ブルーボーイ事件ほか
大宮の小さな映画館「OttO」では、この6月に(おそらくプライド月間を記念して)『ドランクヌードル』『ブルーボーイ事件』『クイーンダム/誕生』『日常対話』『アバウトアス・バット・ノット・アバウトアス』といった、いずれ劣らぬ素晴らしい(本当に素晴らしいと思います。よくぞこんな名作を…よほどの目利きな方が選んでいるのでは?と感心します)クィア映画の名作をここぞとばかりに上映します。
『ブルーボーイ事件』は6月5日(金)〜10日(水)の12:20-に上映されるのですが、埼玉にお住まいの当事者の方が、10日の上映後に「~エンドロールの続きを語ろう~」というお茶会を開催するそうです。興味とお時間がある方はぜひ(詳細・お申込みはこちら)
『ドランクヌードル』
5月29日(金)〜6月3日(水)20:30-
6月5日(金)〜10日(水)18:25-
『ブルーボーイ事件』<バリアフリー日本語字幕版/音声ガイド対応>
6月5日(金)〜10日(水)12:20-
『クイーンダム/誕生』
6月12日(金)~17日(水)14:20-
『日常対話』
6月19日(金)~24日(水)11:35-
『アバウトアス・バット・ノット・アバウトアス』
6月19日(金)~24日(水)13:25-
6月5日公開
君と僕の5分
日本の大衆文化の流入を規制していた2001年の韓国を舞台に、J-POPを通して心を寄せ合う孤独な少年たちを描いた映画です。イースト・ロンドンLGBTQ+映画祭2025最優秀作品賞に輝いています。ちなみに作品の中でギョンファンが最も好きな日本のアーティストはglobeなんだそう。劇中では「DEPARTURES」「FACES PLACES」が流れるそうです。韓国発のゲイ映画であり、懐かしいJ-POPが流れる作品でもあるということで、観てみたいと思う方も多いのではないでしょうか。
<あらすじ>
保守的な街とされる大邱(テグ)に転校してきた高校生のギョンファン。タブーである日本の音楽やアニメが大好きな彼は、昼休みには一人で日本の楽曲をMP3プレイヤーで聴き、「オタク」とからかわれる。だが隣席の学級委員ジェミンも、実は日本カルチャーのファンだった。二人は帰りのバスでイヤフォンを分け合いながらJ-POPを聴き、ゲームセンター、CDショップ、映画館などを巡りながら距離を縮めていく。やがてギョンファンは、ある秘密をジェミンに告白するが……。
君と僕の5分
英題:404 Still Remain
2025年/韓国/104分/PG-12/監督・脚本:オム・ハヌル/出演:シム・ヒョンソ、ヒョン・ウソク、コン・ミンジョン、イ・ドンフィ
6月5日(金)より新宿武蔵野館、角川シネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国で順次公開
6月6日〜12日 東京で上映
6月26日より全国順次公開
熱狂をこえて
『沖縄カミングアウト物語〜かつきママのハグ×2珍道中!〜』の松岡弘明監督が、1994年に日本で初めてプライドパレードを実現させたゲイの活動家・南定四郎さんに4年間取材し、完成させたドキュメンタリー映画『熱狂をこえて』。南定四郎さんはゲイ雑誌『アドン』『MLMW』などの編集を経て、80年代にIGA日本を立ち上げ、ゲイリベレーションやエイズ・アクションに携わり、90年代には「ゲイアートプロジェクト」や映画祭、コミュニティセンター「hands on hands」を立ち上げ、94年に日本で初めてのプライドパレードを開催しました。(96年のパレードでは集会が紛糾するという事件に見舞われ、コミュニティ活動から距離を置くことになりましたが)南さんが主体となって推進した活動は、多方面で日本のプライド運動の礎となりました。この映画『熱狂をこえて』は、南さんの半生を通して日本のプライド運動の原点を記録するドキュメンタリーであり、同時に、次世代へと手渡される貴重なアーカイブでもあります。(レビューはこちら)
東京プライド前日の6月5日にシネマート新宿で先行上映され、6月26日よりアップリンク吉祥寺ほか全国順次公開されます。初日(6/5金曜)の19:10の回は、上映後に監督の舞台挨拶があります。ぜひ!
熱狂をこえて
2026年製作/日本/105分/配給:アップリンク/監督:松岡弘明/出演:南定四郎ほか
6月6日上映 東京
ガールフレンズ(アジアンクィア映画祭 スポットライト Vol.1)
アジアの素晴らしいクィア映画を上映し続け、g-lad xxでも猛プッシュしている、2月の『3670』の上映回などは満席になったというAQFFが、今度はTokyo Pride 2026が開催されるタイミングで「アジアンクィア映画祭 スポットライト Vol.1」という上映会&トークショーを開催。上映作品はマカオ、香港、台湾、タイによる国際共同制作作品で2026年香港電影金像奨(香港アカデミー賞)最優秀新人賞なども受賞している最新作『ガールフレンズ(Girlfriends)』。あの王谷晶さん&溝口彰子さんという超豪華ゲストが登壇するアフタートークも開催されます。
アジアンクィア映画祭 スポットライト Vol.1
日程:2026年6月6日(土)
会場:ユーロライブ(東京都渋谷区)
上映:2回上映
詳細およびチケットはこちら
6月6日、11日 東京
クイーン・オブ・アイルランド
国⺠的ドラァグクイーン“パンティ”の半⽣を追った圧巻のドキュメンタリー映画『クイーン・オブ・アイルランド』がアイルランド映画祭で上映されます。ドラァグクイーンとして開花し、人気を博しながら、HIV陽性であることがわかり、しかし、めげずにLGBTQの権利回復運動に取り組み、アイルランドのゲイコミュニティを代表する存在になったという“パンティ”さん。2015年、アイルランドでは世界で初めて、同性婚の法制化を承認するかどうかの国民投票が行なわれ、“パンティ”は同性婚実現のキャンペーンの先頭に立って奮闘しました。このさわりの部分を読んだだけで、この映画がプライド月間にふさわしい名作・感動作であるという予感がひしひしと沸き起こってきます。6日と11日、2回しか上映されませんが、いずれかの回をぜひご覧ください。
<概要>
同性愛が犯罪とされていた時代に育った少年ローリー・オニールは、ドラァグクイーンの世界に魅了され“パンティ・ブリス”としてブレイクした。HIV陽性の診断を受けながらもチャリティや権利運動に取り組み、その鋭いウィットとパワフルなスピーチでゲイ・コミュニティを代表する存在になったパンティ。2015年5⽉、パンティ⾃らがキャンペーンの先頭に⽴った、アイルランドで同性婚の法制化の是非を問う世界初の国⺠投票は歴史に残る名シーンだ。
クイーン・オブ・アイルランド
2015年/アイルランド/86分/監督:コナー・ホーガン/出演:ローリー・オニール(パンティ・ブリス)、デイビッド・ノリス、ウーナ・ムラーリー
6月6日(土)19:00-、6月11日(木)19:00-、YEBISU GARDEN CINEMAにて上映
6月6日~19日上映 名古屋
世界の果てまで3キロ
2024年カンヌ国際映画祭でクィア・パルム(最優秀クィア映画賞)を受賞したルーマニア映画『世界の果てまで3キロ』が「EUフィルムデーズ2026」で上映されます。ゲイの青年への悲痛な暴力事件を引き金に閉鎖的な村の現実が明らかになっていく…という、緊迫感の張り詰めるリアリズムタッチの作品だそうです。
EUフィルムデーズは、欧州連合(EU)加盟国の在日大使館や文化機関が選りすぐった作品を一挙上映するユニークな映画祭で、今年は各国映画祭で注目を集めた近年の話題作や日本初公開作品を含む全26作品がラインナップされています。東京では5月16~29日にシアター・イメージフォーラムで開催され(5月19~24日に特別プログラムとしてEU加盟国が誇る名作クラシックを国立映画アーカイブにて上映)、その後、名古屋(6月6~19日)や広島、京都、福岡で開催されるそうです。
<あらすじ>
17歳の青年アディはドナウ川沿いの故郷の村で夏休みを過ごしていたが、ある夜路上で地元の少年2人組に襲われ、全身を激しく殴打される暴力事件に遭う。保守的な価値観の村の住民たちに加え、彼を溺愛していた両親までもが、事件の捜査が進むにつれアディのことを以前とは違った目で見つめ始め、平穏を装っていた村のコミュニティは次第に崩れ始める――。
世界の果てまで3キロ
原題または英題:Trei kilometri până la capătul lumii
2024年/ルーマニア/105分/監督:エマニュエル・パルブ
5月25日(月)18:45〜シアター・イメージフォーラムにて上映
6月12日〜18日上映 東京
唾液を交わす二人
今年オスカーに輝いた唯一のクィア映画が5月1日から上映とのニュースでもお伝えしていたように、LGBTQ関連作品(クィア映画)の受賞がほとんどなかった今年のアカデミー賞のなかで唯一、オスカーに輝いたクィア映画『唾液を交わす二人』が他の短編とともに「SAMANSA presents 世界が認めた栄冠のショート傑作選」として上映されます。受賞スピーチで、ナタリー・ムステアタ監督は「奇妙でクィアな作品を支持してくれてありがとうございます」と述べましたが、この『唾液を交わす二人』は、平手打ちが通貨となり、キスを交わすことで死刑となる奇妙な世界における女性どうしの恋を描いた作品です。美術史家でもあるルーマニア出身のナタリー・ムステアタ監督と、MoMA収蔵作家でもあるアレクサンドル・シンがタッグを組んで手がけた異色の短編で、『聖地には蜘蛛が巣を張る』のザーラ・アミール・エブラヒミと『燃ゆる女の肖像』のルアナ・バイラミが出演しています。
<あらすじ>
キスが死刑に値する罪とされ、人々が物の代金を顔への平手打ちで支払う社会。不遇な女性アンジーヌは、デパートで衝動的な買い物を繰り返す中で、陽気な女性販売員にひかれていく。やがて2人は禁じられていると知りながらも親密な関係になっていくが、それは嫉妬深い同僚の疑いを招くことになる。
唾液を交わす二人
原題または英題:Two People Exchanging Saliva
2024年製作/フランス・アメリカ合作/36分/G/監督・脚本:ナタリー・ムステアタ、アレクサンドル・シン/出演:ザーラ・アミール・エブラヒミ、ルアナ・バイラミほか
Strangerで6月12日より1週間限定上映
6月12日〜18日上映 東京
ドロシーのともだち
実は今年のアカデミー賞の短編映画賞部門には、もう1作、その名も「フレンズ・オブ・ドロシー(ゲイを意味するスラング)」という直球すぎる名前のゲイ映画がノミネートされていました。監督を務めたのは映画『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』にも出演した英国の俳優、リー・ナイト。リー・ナイトは「無名だったけどなんとか役をつかみたいと思っていたクローゼットなゲイの俳優だった」けれども、俳優として一定の活躍をしたのち、カムアウトして、映画製作にも携わるようになりました。初監督作となるこの短編映画は、孤独な未亡人と一人の少年の心の交流を描く感動作で、彼は「ゲイで、子どもの頃にいじめられていた僕にとって、近所のおばさんとの絆がサンクチュアリだった。女性といると安心できた。このストーリーは僕らの人生におけるドロシー讃歌で、自分たち自身になるためのセーフスペースなんだ」と『ガーディアン』に語っています。英国の至宝とも言える名優ミリアム・マーゴリーズが主演を務め、英国の大御所ゲイ俳優であり活動家でもあるスティーブン・フライが共演しています。
<あらすじ>
物語の主人公は、孤独で静かな生活を送る未亡人のドロシー。ある日、彼女の家の庭にサッカーボールが飛び込んできたことをきっかけに、17歳の少年JJと出会う。年齢も境遇も全く違う二人。最初は警戒し合っていたものの、交流を重ねるうちに、お互いの抱える孤独や痛みに寄り添うようになり、やがて思いがけない絆で結ばれていく。
ドロシーのともだち
原題または英題:A Friend of Dorothy
2025年製作/英国/21分/G/監督・脚本:リー・ナイト/出演:スティーブン・フライ、オスカー・ロイド、アリスター・ヌワチュクウ
Strangerで6月12日より1週間限定上映
6月12日、28日上映 東京
怪物
是枝裕和監督の業績を振り返る国内初の大規模特集上映「映画監督是枝裕和」が国立映画アーカイブ 長瀬記念ホール OZU(2階)で開催され、そのなかで第76回カンヌ国際映画祭で脚本賞およびクィア・パルム賞を受賞した『怪物』が上映されます。
クィア・パルムの授賞理由としてジョン・キャメロン・ミッチェル(『ヘドウィグ・アンド・アングリー・インチ』『ショートバス』)は、「私たち審査員は、10日間で12本の映画を観ました。1本を選ぶのは大変な作業でしたが、ある作品が満場一致で選ばれました。その物語の中心にいるのは、他の子どもたちと同じように振る舞うことができず、またそうしようともしない、とても繊細で、驚くほど強い2人の少年です。世間の期待に適合できない2人の少年が織りなす、この美しく構成された物語は、クィアの人々、なじむことができない人々、あるいは世界に拒まれている全ての人々に力強い慰めを与え、そしてこの映画は命を救うことになるでしょう。登場人物のあらゆる面を、繊細な詩、深い思いやり、そして見事な技術で表現した是枝裕和監督の『怪物』に、私たち審査員は満場一致でクィア・パルム賞を授与します」とコメントしています。クィア・パルム受賞も納得の、とてもいい映画です(レビューはこちら)。まだご覧になっていない方は、この機会にぜひ。
<あらすじ>
大きな湖のある郊外の町。息子を愛するシングルマザー、生徒思いの学校教師、そして無邪気な子どもたちが平穏な日常を送っている。そんなある日、学校でケンカが起きる。それはよくある子どもどうしのケンカのように見えたが、当人たちの主張は食い違い、それが次第に社会やメディアをも巻き込んだ大事へと発展していく。そしてある嵐の朝、子どもたちが忽然と姿を消してしまう…。
怪物
2023年/日本/125分/G/脚本:坂元裕二/監督:是枝裕和/出演:安藤サクラ、永山瑛太、黒川想矢、柊木陽太、高畑充希、角田晃広、中村獅童、田中裕子ほか
6月12日(金)18:45-、28日(日)15:55-、長瀬記念ホール OZUにて上映
6月19日公開
街に溶ける(オムニバス映画「PLAYLIST アジアの才能」)
第20回・第21回大阪アジアン映画祭で上映された短編の中から次世代の才能を感じさせる日本、韓国、中国、台湾、ベトナムの作品5本をセレクトしたオムニバス映画「PLAYLIST アジアの才能」が新宿武蔵野館ほかで公開されますが、その5本のうちの1本、日本の映画が『街に溶ける』というクィア作品になっています。
『街に溶ける』は「クィアの子どもたちの、小さな冒険譚」「私が私でいるための、小さな逃避行」を描いた作品です。第15回韓国ソウル国際プライド映画祭でも上映されています。
<あらすじ>
いつものように男子との喧嘩でけがをして、保健室へと向かう小学5年生の二藤。そこにはクラスメイトの詩織の姿があり、彼女のある秘密を見てしまう。互いの秘密を共有するうちに2人は惹かれ合っていくが、周囲との違いに葛藤を抱き……。居場所を失くした2人は“なりたい自分”になれる湖へと向かう。
PLAYLIST アジアの才能
2024年/中国・韓国・ベトナム・台湾・日本/84分
6月19日より新宿武蔵野館、Strangerほか全国で順次公開
6月20日・21日
レインボー・リール東京
レインボー・リール東京〜東京国際レズビアン&ゲイ映画祭〜が今年も6月と7月の2回に分けて渋谷で開催されることが決まりました。上映作品などわかりましたら、追ってご紹介します(別で特集をお届けするかもしれません)
第33回レインボー・リール東京〜東京国際レズビアン&ゲイ映画祭〜
会期・会場:
6月20日(土)・21日(日)@ユーロライブ(東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 2F)
7月11日(日)・12日(日)@東京ウィメンズプラザホール(東京都渋谷区神宮前5-53-67)
主催:NPO法人レインボー・リール東京
6月28日上映 東京
トランジット・デイズ
『鏡をのぞけば~押された背中~』の河上りさ監督による新作映画『トランジット・デイズ』が完成し、28日にプレミア上映会が都内で開かれることになりました。
『トランジット・デイズ』は、トランスジェンダーが周りの人たちと関わるなかで立ち止まり、成長していく物語です。当事者の多様な想いや在り方、周りの人たちとの関係にスポットを当てて、当事者やその家族、友人をめぐる何層にも重なった問題を浮き彫りにしました。また、前作は手作り感が前面に出ていましたが、今回はキャストや技術スタッフにプロの方たちをお招きし、映像作品としてのクオリティが大幅にアップしたそうです。前作同様、企業や学校、官公庁、当事者団体をはじめとする各種団体での勉強会や研修などで上映・活用していただけるような作品だそうです。
6月28日の上映会は江東区の都営新宿線沿線・駅から徒歩5分程度の会場で開催、13時の部と16時の部があるそうです。1000円でご覧いただけます。詳しくはこちらをご覧ください。
トランジット・デイズ
2026/日本/監督・脚本:河上リサ/出演:加藤睦望、小日向春平、金沢涼恵、柴田公彦、小林武親、結城駿、佐慈音色、森下亮
INDEX
- 特集:2026年6月の映画・ドラマ
- レポート:山口レインボープライド2026
- 名古屋のゲイフェス「NLGR+2026」が熱い!
- レポート:乱雄會presents六尺ナイトvol.14
- レポート:huGe+Xposure -ふんどしBanquet-
- レポート:いわてレインボーマーチ2026
- レポート:京都レインボープライド2026
- 特集:2026年5月の映画・ドラマ
- 特集:GAY NIGHT 2026 GW
- 特集:2026年4月の映画・ドラマ
- レポート:GAP6「2030年までのHIV流行終結を目指すPhoto&Movieプロジェクト」記者発表会
- 2026上期の舞台作品
- レポート:第4回岸和田レインボーパレード
- 春だから検査を受けよう! 東京都新宿東口検査・相談室レポート
- 2026春のクィア・アート展
- 特集:2026年3月の映画・ドラマ
- レポート:愛と結婚を考えるバレンタインパーティー in 新宿二丁目
- 特集:アジアンクィア映画祭2026
- 特集:衆院選2026 〜私たちの未来への一票を投じましょう〜
- 特集:2026年2月の映画・ドラマ
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