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オーストリアも同性婚承認へ、世界で26ヵ国目

2017年12月06日
 12月4日、オーストリアの憲法裁判所が、民法で結婚が異性間に限られているのは違憲だとして、同性婚を認める判断を示しました。民法の改正など必要な法整備を行ったうえで、2019年1月から同性婚が認められるとするものです。憲法裁判所は声明で、「2017年12月4日の判断をもって、これまでそうしたカップルの結婚を阻んできた法規を無効とする」と発表しました。

 
 オーストリアでは2003年に登録パートナーシップ制度(同性カップルにも一部の権利を認める)がスタートし、2009年末にはシビルユニオンが公布され、男女の結婚と同等の権利が得られるようになりました(ただし、養子縁組は認められませんでした)
 
 今回の憲法裁判所の判断により、オーストリアは欧州で16ヵ国目、世界で26ヵ国目の同性婚(結婚の平等)承認国となります。

 LGBT団体などからは「差別をなくすうえでの大きな一歩だ」と歓迎の声が上がっています。
 
 オーストリアのゲイシーンがどんな感じなのか、あまりイメージが浮かばない方も多いと思います。
 おそらくオーストリアで最も有名なゲイの方は、2014年にユーロビジョン・ソング・コンテストで優勝したひげのドラァグクイーン、コンチータ・ヴルストでしょう。
 2015年にはウィーン市内にゲイ&レズビアンカップルの信号機が登場しました。
 2013年の「ゲイ・トラベル指数」では、同性婚を承認しているアルゼンチンやニュージーランド、ルクセンブルクなどと並んで同性愛者の旅行しやすい国14位にランクされています(日本は60位)
 2014年のギャラップ社による「自分の国はゲイ&レズビアンにとって住みやすいか?」アンケートでは、世界23位になっています(日本は50位)
 ちなみに2012年にはウィーンのレオポルド美術館で「NUDE MEN」という男性の裸の展覧会が開催され、話題になりました。

 美術館といえば、実は来年は、グスタフ・クリムト、エゴン・シーレ、オットー・ワーグナー、コロマン・モーザーというウィーンモダニズム(世紀末芸術)の旗手たちの没後100周年にあたり、ウィーンでは2018年、こうした芸術家たちの特別な展覧会がたくさん開催されます。本当に貴重な機会だそうです(詳しくはこちら
 来年のウィーン・プライドは2018年6月16日。同性婚実現を祝し、とても盛り上がるのではないでしょうか。
 ウィーンはパリと並ぶ芸術の都です。プライドと併せ、美術館巡りを満喫したり、ウィーンフィルのコンサートなども聴いたり(ちなみに6月16日と17日は、リヒャルト・シュトラウスが杮落とし演奏を行った由緒あるウィーン・コンツェルトハウスでマーラーなどを演奏するそうです)、芸術に浸ってみると、最高に素敵な旅になるかもしれません。

 
 
オーストリア 同性どうしの結婚認める決定(NHK)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171206/k10011247971000.html

オーストリア、同性婚を合法化へ 憲法裁が判断(AFP)
http://www.afpbb.com/articles/-/3154270

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