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バイデン次期米大統領がブティジェッジ氏を運輸長官に起用することを発表、初のLGBTQの閣僚が誕生へ

 バイデン次期米大統領は12月15日、ピート・ブティジェッジ氏を運輸長官に起用する意向を表明しました。オープンリー・ゲイの人物が閣僚に任命されるのは史上初めてで、上院で承認されれば、ピート・ブティジェッジ氏は「LGBTQの中で最初に閣僚入りした人」として歴史に名前を残すことになります。
 
 
 元サウスベンド市長でオープンリー・ゲイのピート・ブティジェッジ氏は、昨年から大統領選の民主党指名候補争いに参戦し、大方の予想を覆して初戦・アイオワ州で勝利し、躍進を見せました。今年2月には9歳のゲイの男の子が「あなたのように勇敢になりたい」とアドバイスを求め、人々の胸を打つ場面もありました。ついにアメリカにゲイの大統領が誕生するかもしれないとの希望を感じさるような、新しい世代の多様性志向を象徴するような候補でした。その後、選挙戦から撤退し、バイデン氏支持に回っていましたが、初戦で勝ったこともあり、いわゆる「泡沫候補」ではない、重要な候補者の一人として記憶されることになりました。
 バイデン氏が大統領選で勝利すると、8ヶ国語を操るブティジェッジ氏が国連大使に任命されるのではないかとか、アフガニスタンでの従軍の経験を持つ同氏が退役軍人省長官に起用されるのではないかと目され、閣僚か、少なくとも政権の要職に就くと予想されていました。12月9日には中国大使が有力視されているとの報道もありましたが、最終的に、運輸長官のポストに任命されました。来年1月に上院※で承認されれば、ブティジェッジ氏はバイデン政権の看板政策である気候変動問題や、優先課題に掲げられるインフラ整備などを担当することになります。 
 
※連邦上院は現在、共和党が50議席、民主党が48議席となっており、あと2議席は来年1月5日に実施されるジョージア州の決選投票で決まります。もし民主党が決選投票で1議席でも落とせば、共和党が多数を維持することになり、バイデン大統領の閣僚人事がスムーズに承認されなくなる可能性が出てきます。

 バイデン次期大統領は「(ブティジェッジ氏は)リーダーであり、愛国者であり、問題を解決する人物だ」「雇用、インフラ、気候変動などが運輸省に集中している。ブティジェッジ氏は大胆なビジョンをもって、この仕事を率いてくれると信頼している」と述べています。
 指名の発表を受けたブティジェッジ氏は、Twitterに「今こそ現代的で持続可能なインフラを通じて国をよりよく再建する時だ」と投稿し、意欲を示しました。

 ブティジェッジ氏らをバイデン政権の要職に指名するよう強く求めていた人権団体「ヒューマン・ライツ・キャンペーン」のアルフォンソ・デービッド会長は15日、「ブティジェッジ氏は同性愛を公表している初の閣僚になる」と述べました。
 公職者へのLGBTQ教育などを行なう団体「LGBTQ ビクトリー・インスティチュート」は、「ユニークな視点から連邦政府全体に政策上の影響を及ぼすことになるだろう」と歓迎しました。

 38歳の若手ホープ、ピート・ブティジェッジ氏は、将来の大統領選の有力候補とも目されています(この次はカマラ・ハリス次期副大統領が、初の女性大統領を目指すでしょうから、8年後か12年後ではないでしょうか)。連邦政府の閣僚ポストはブティジェッジ氏にとって、将来への貴重な経験になると考えられます。


 なお、バイデン氏はブティジェッジ氏のほかにも、オープンリー・ゲイのイベントプランナー、カルロス・エリゾンド氏をホワイトハウスでの公式のソーシャルイベントを担当する社交事務担当秘書に任命したほか、カマラ・ハリス氏が選挙スタッフのチーフに選んだキャリーヌ・ジャン=ピエール氏、ピリ・トバー氏という2人のオープンリー・レズビアンの人物を広報チームに迎えています。キャリーヌ・ジャン=ピエール氏はホワイトハウス副報道官に、ピリ・トバー氏はホワイトハウス広報部副部長の職務に就きます。
 バイデン氏は(副大統領にカマラ・ハリス氏を指名したことに象徴されるように)多様性を重視した政権作りを目指しており、性的マイノリティだけでなく、女性や人種的マイノリティの人物も多数、主要ポストに任命しています。
 2021年1月20日、米大統領就任式が行なわれます。11月の大統領勝利演説では史上初めてトランスジェンダーのことに言及しましたが、就任式ではバイデン大統領がどのようなスピーチをするのか、注目されます。
 
  



参考記事:
バイデン氏、運輸長官にブティジェッジ氏を起用へ-関係者(ブルームバーグ)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-12-15/QLEAA8T0G1KZ01
バイデン次期政権へ移行本格化 共和トップが祝意(日経新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN160140W0A211C2000000
バイデン氏、運輸長官にブティジェッジ氏指名へ(ウォール・ストリート・ジャーナル)
https://jp.wsj.com/articles/SB10671388092954773957304587161631190976706
ブティジェッジ氏を運輸長官に 38歳、同性愛者と公表(朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASNDJ31X1NDJUHBI00P.html
米運輸長官にブティジェッジ氏起用へ 同性愛者を公言する初の閣僚に バイデン氏表明(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20201216/k00/00m/030/041000c
バイデン氏、運輸長官にブティジェッジ氏を指名へ(CNN)
https://www.cnn.co.jp/usa/35163903.html
米運輸長官にブティジェッジ氏 バイデン氏抜てき―将来の民主党大統領候補(時事通信)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020121600388
バイデン次期大統領 運輸長官に38歳 ブティジェッジ氏指名へ(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201216/k10012766651000.html
米運輸長官に38歳ホープ(ロイター/共同通信)
https://jp.reuters.com/article/idJP2020121601001022
Gay Man Carlos Elizondo Named White House Social Secretary(Advocate)
https://www.advocate.com/politics/2020/11/25/gay-man-carlos-elizondo-named-white-house-social-secretary
Two Lesbians of Color Named to White House Communications Staff(Advocate)
https://www.advocate.com/politics/2020/11/29/black-lesbian-karine-jean-pierre-gets-key-white-house-job

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