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台湾で国際結婚の制限が撤廃され、母国で同性婚が認められていない国の人とも同性婚が可能になりそうです

2021年01月22日

 台湾の司法院(裁判所)は1月22日、台湾人が母国で同性婚が認められていない国の人とも同性結婚できるようにする法改正案をまとめたと発表しました。立法院(国会)で可決されれば、台湾人と日本人の同性婚も実現することになります。

  台湾では2019年5月17日に立法院で同性婚法が可決され、5月24日に発効、同性婚が実現しましたが、外国人との同性婚については、母国で同性婚が認められている国の人でなければ認められないという制限がありました(日本人とは同性婚ができませんでした)
 TRPオンラインでの鈴木賢明治大教授の解説によると、「これは渉外的婚姻の準拠法(異なる国の人の間の関係につき、どこの国の法律にもとづいて婚姻を成立させるか)の問題であり、同性婚法には婚姻の準拠法について特別な規定がないため、渉外民事法律適用法という準拠法を決める通常の法律(国際私法)によることになる。この法律によれば、婚姻の成立要件(年齢、性別、禁婚範囲など)、方式については、各当事者の本国法によるとされている(46条)。これを同性婚に当てはめると、両当事者の本国法(国籍のある国の法律)で、ともに同性婚が法制化されている場合に限り、婚姻が可能となる。従って、台湾人は同性婚が法制化されていない国の国民である日本人の同性パートナーとは婚姻できないことになってしまう」とのことです。

 台湾のLGBTQコミュニティは、同性婚が実現した直後から、この不平等を解消しようと声を上げました。2019年10月には、台湾での同性婚実現を中心的に進めてきた台湾伴侶権益推進連盟などの団体が「同性愛者の権利に対する差別がなお残されている」「国際結婚に関する差別撤廃が喫緊の課題だ」として行政処分不服申立てを行っていました。
 同性婚1周年を迎えた昨年5月には、キャンペーンが展開され、台湾人パートナーとの結婚を望むマレーシア人女性らが街頭で訴える様子が報道されたり、フィッシュ・リョンやココ・リーら6人の女性歌手が、同性カップルの国際結婚を応援する「飄洋過海来看」という歌を発表し、支援団体の活動資金を集める募金も始めました(詳細はこちら
 
 そして今日、台湾の司法院は、渉外民事法律適用法第46条の「結婚の方式は、それぞれの当事者の本国の法律に従う」との規定を「すべて有効」と改正し、母国で同性婚が認められていない国の人とも同性結婚できるようにする案をまとめました(ただし、法的に特殊な関係にある中国本土の出身者については、本土問題評議会の審議を待たなければいけないため、すぐには認められないようです) 
 立法院(国会)での審議はこれからですが、昨年5月の総選挙で蔡英文率いる民進党が(コロナ対策なども評価されて)圧勝し、国会で過半数を占めているので、問題なく可決されることでしょう。きっともうすぐ、台湾人と日本人の同性カップルの結婚が実現します。


 台湾に移住し、台湾人とおつきあいしている日本人ゲイの方も結構たくさんいらっしゃいますが、もうすぐ、そんなカップルが晴れて結婚できるようになり、幸せそうな結婚式の写真が届くと思います(コロナ禍で祝福に駆けつけることができないのが残念ですが…)。今後、台湾に移住したいと思う方も今以上に増えるかもしれません。日本も早くそういうふうになるといいですね。
 

 
参考記事:
台湾で日本人との同性婚が可能に 国際結婚の制限撤廃へ(時事通信)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021012201201
司法院修法承認我國民跨國同婚 兩岸同婚除外(Radio Taiwan International)
https://www.rti.org.tw/news/view/id/2089823

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