g-lad xx

NEWS

『POSE』のMJロドリゲスがトランスジェンダーとして初めてエミー賞主演女優賞にノミネートされました

 『POSE』で主役のマザー・ブランカを演じたMJロドリゲスが、ついにエミー賞、それも主演女優賞にノミネートされました。エミー賞主演俳優賞にトランスジェンダーがノミネートされるのは史上初の快挙です。

 
【関連記事】
『POSE』シーズン1 レビュー
https://gladxx.jp/review/tv/5805.html
『POSE』シーズン2 レビュー
https://gladxx.jp/review/tv/6393.html
GLAADメディア賞で『POSE』が2年連続で最優秀ドラマ賞を受賞
https://gladxx.jp/news/2020/8/6531.html

 MJロドリゲスが演じていたのは、「ハウス・オブ・エバンジェリスタ」を立ち上げ、ネイルサロンで働きながら行き場を失ったゲイやトランスの子どもたちの面倒を見るマザー・ブランカ。「ボールルーム」の華々しさの陰で、トランスフォビアやHIVや(当時、まだエイズは死に至る病でした)様々な困難に直面しますが、親友のプレイテルやトランスの仲間たちと励ましあいながら、絶望することなく、前を向いて生きるのです。特にシーズン2は感動の嵐でした。掛け値なしに名作だと言えますし、LGBTQコミュニティにとって記念碑的な意味を持つ作品ですし(これほどトランスジェンダーのキャストが大勢出演するのは前代未聞です)、GLAADメディア賞でも最優秀ドラマ賞を受賞しています。
 このクィアドラマの金字塔『POSE』という名作を名作たらしめたMJロドリゲスの演技が、ようやくTVアカデミーに認められたのです。本当におめでとう!よかったね!と、全米のLGBTQコミュニティの方たちが惜しみない拍手を贈る姿が目に浮かぶようです。

 『POSE』からは主演男優のビリー・ポーターが2019年、エミー賞ドラマ部門主演男優賞部門にノミネートされ、見事に受賞しました。オープンリー・ゲイの俳優として初の快挙です(詳細はこちら
 しかし、一方でエミー賞は、あれだけ多くのトランス女性たちの活躍で『POSE』という名作が成り立っていたにもかかわらず、彼女たちのことはスルーしてきました…。これに対して、トランスのスターたちのことも認めてよ!との声が上がっていたのです。それがとうとう、聞き入れられたのです。

 今回、『POSE』シーズン3は、MJロドリゲスだけでなく、ドラマ作品賞、主演男優賞(ビリー・ポーター)、監督賞(スティーブン・カナルス)、脚本賞(ライアン・マーフィ、スティーブン・カナルス、ブラッド・ファルチャック、ジャネット・モック、Our Lady J )、現代衣装賞、ヘアスタイリング賞、メーキャップ賞にもノミネートされています。

※ジャネット・モックとOur Lady Jはトランスジェンダーの方です

 それから、『POSE』以外にもたくさんのLGBTQの人たちがノミネートされていますので、ご紹介します。

 有名なバラエティ番組『サタデー・ナイト・ライブ』に出演しているコメディアン/俳優でオープンリー・ゲイのボウエン・ヤンは、コメディ・シリーズ部門の助演男優賞にノミネートされました。中国系アメリカ人としてエミー賞俳優部門にノミネートされるのは史上初だそうです。
 同じ『サタデー・ナイト・ライブ』から、オープンリー・レズビアンのケイト・マッキノンが同部門の助演女優賞に、ゲスト出演した(『シッツ・クリーク』で大ブレイクした)ダン・レヴィが、同部門のゲスト俳優賞にノミネートされました。
 また、オープンリー・バイセクシュアルのハンナ・エインビンデルが『Hacks』への出演で、同部門の助演女優賞に、ジェンダークィア(ノンバイナリー)であることをカミングアウトしているカール・クレモンズ・ホプキンズも『Hacks』への出演で同部門の助演男優賞にノミネートされました。(エミー賞は今回から、ノンバイナリーの人のための新規則を導入しましたので、もしカール・クレモンズ・ホプキンズが受賞したら、きっと「男優」ではなく「パフォーマー」を選ぶことでしょう)
 
 それから、ドラマ『ザ・クラウン』からも何名かのLGBTQアクターがノミネートされています。今月初めにノンバイナリーであるとカムアウトしたばかりのエマ・コリンは、最新シーズンでダイアナ妃役を演じて「瓜二つ」と称賛されましたが、見事にドラマシリーズ部門の主演女優賞にノミネートされました。バイセクシュアルのジリアン・アンダーソン(『X-ファイル』のダナ・スカリー役で有名)も同部門の助演女優賞にノミネートされました。

 ドラマ『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』に出演したオープンリー・レズビアンのサミラ・ワイリーも同部門の助演女優賞にノミネートされました。

 映画『Hamilton』に出演したオープンリー・ゲイのジョナサン・グロフ(『ウッドストックがやってくる!』『glee/グリー』『Looking/ルッキング』『アナと雪の女王』『ノーマル・ハート』)は、ミニシリーズ/テレビ映画部門の助演男優賞にノミネートされました。
 
 オープンリー・レズビアンのシンシア・エリヴォはアレサ・フランクリンの伝記ドラマ『ジーニアス』に主演し、ミテッド・シリーズ部門主演女優賞にノミネートされました。

 リアリティ番組では、ル・ポールが6回目のリアリティ/リアリティ・コンペティション番組ホスト賞に、また、『クィア・アイ』のファブ5が5人とも同賞にノミネートされました。『クィア・アイ』は「構成のあるリアリティ部門」作品賞にもノミネートされています。『ル・ポールのドラァグ・レース: 素顔のクイーンたち』は「構成のあるリアリティ部門」作品賞にノミネートされました。

 これだけたくさんのLGBTQがノミネートされているなんて、スゴいですね!
 9月19日のエミー賞授賞式が楽しみです。
(どうかMJロドリゲスが受賞しますように…)

 そして『POSE』シーズン3(ファイナルシーズン)の日本での公開も本当に待ち遠しいです!

 
参考記事:
‘Pose’s Mj Rodriguez Makes History With Best Actress Emmy Nom(Out)
https://www.out.com/celebs/2021/7/13/poses-mj-rodriguez-makes-history-best-actress-emmy-nom
The Emmy Nominations Are Out, and They Are Super Gay and Trans(Advocate)
https://www.advocate.com/arts-entertainment/2021/7/13/emmy-nominations-are-out-and-they-are-super-gay-and-trans


INDEX

SCHEDULE

    記事はありません。