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台湾で初めて男性カップルの養子縁組が認められました

 台湾南部の高雄市で、婚姻関係にある男性カップルに養子縁組を認める司法判断が下されました。同性婚カップルの双方に血縁関係のない養子縁組が認められたのは台湾で初めてです。
 
 台湾では2019年5月に同性婚法が施行され、アジア初の同性婚が実現しました。しかし、養子縁組についてはカップルのどちらかに血縁関係がある子どもに限る(どちらにも血縁関係のない子どもは養子にできない)、双方の親戚と親族関係が生じない、台湾人と母国で同性婚が認められている国の人の同性婚でなければ国際結婚が認められないといった課題が残りました。
 同性婚非承認国の人との国際同性婚については複数の訴訟が行なわれ、昨年8月に初めて台湾とマカオのゲイカップルが結婚できました。同様に先月、日本と台湾のゲイカップルも訴えを起こしました(裁判で結婚を勝ち取ることで個別に認められるようになってきています。この動きが法制化にも好影響を与えることが期待されます)
 今回のケースは、高雄に住む喵喵さんが、夫の圍圍さん(いずれも仮名)が結婚前に養子にした女の子を「もう1人の父親」として養子に迎え入れるための手続きを裁判所に申し立てていたものです。2人は1月4日、裁判所から申立てが認められたことをFacebookページで発表しました。2人が公開した判決文によれば、「子どもの最善の利益」が考慮されたものです。同性婚法では養子縁組を禁じてはいないことにも言及されているそうです。
 台湾のLGBTQ支援団体「彩虹平権大平台」は、今回の判決はあくまで当事者である2人にしか適用されないと指摘し、養子縁組を望むカップルはほかにもいるため、法改正などに向け今後も支援を続けていく、との姿勢を示しました。

 台湾では2015年、パートナーが人工授精で出産した子どもの養子縁組を求めて提訴したものの、裁判所が子どもに"悪影響"を及ぼす恐れがあるとして却下する判決を下したことがありました(詳細はこちら)。あの台湾でも、7年前はそんな感じだったのです。
 映画『親愛なる君へ』でも実にリアルに、切実に描かれていましたが、同性婚が実現する以前は、亡くなった同性パートナーの子ども(実子)を育てたいと思っても、パートナーの家族の中にゲイに理解のない人がいると養子縁組ができなかったのです(今は結婚が認められたので、パートナーの実子を養子にすることは可能です)
 欧米もそうですが、法的に同性カップルの結婚が認められることで養子縁組の権利も大きく前進してきました。
 

 
 一方、日本では、2020年3月に養育里親に認定された愛知県の男性カップルが、いまだに子育ての機会を得られていないことが明らかになりました。
 子どもが大好きな30代のカップルは、認定を受けてからいつでも子どもを迎えられるよう、子ども部屋を設けて、新しい学習机も購入して、その時を待っていましたが、2年経っても児童相談所からの里親の委託がないそうです。
 国は、2016年の児童福祉法改正で、児童養護施設などの施設よりも「家庭と同様の環境」での養育を優先する方針を掲げ、里親などの推進をめざしてきました。施設や里親家庭にいる子どものうち、里親家庭(5~6人を育てるファミリーホームを含む)にいる子の割合は、2009年度末の約11%から2019年度末の約22%に倍増しましたが、国が示した目標(就学前までの子で75%、就学後で50%)には遠く及びません。
 施設入所や里親委託などの方針は児童相談所が決めます。里親の場合、里親に預けることへの実親の同意を得た後、認定されたなかから特定の里親に打診し、受入れに同意すれば、どんな里親かを実親に伝え、承諾を得る、というのが一般的な流れです。
 お二人への委託に至らない理由について、お二人が住む自治体の担当者は、「性の多様性について実親にご理解いただけるかを検討し、児相として難しいと判断せざるをえないケースが多かった」「子どもの利益を考えたうえで、マッチするお子さんがいれば、今後もお二人に打診したいと考えている」と話しています。実親がゲイカップルでもいいよと認めない限り、里親にはなれないという現実…。
 早稲田大の棚村教授(家族法)は、海外では同性カップルが里親になるケースはよくあると語ります。「海外では賛否がわかれても議論を経て進んできた。日本では議論すら進んでいない」
 なお、日本では、同性カップルが特別養子縁組※をして子どもを法的に養子にすることは認められていませんが、これについて京都産業大の渡辺教授(家族法)は、子の育ちに与える影響は異性カップルと同性カップルで変わらないという海外での研究結果を紹介しながら、「特別養子縁組は法律婚に限るべきなのかという議論は、事実婚の男女にも意味がある。同性カップルが抱える課題に向きあうことは、ほかの人たちも生きやすい社会につながる」と述べています。

※特別養子縁組は、実親の虐待や行方不明などで実親の養育の能力がないような場合に、養親子関係を強固なものにして安定した環境で子育てができるようにする(子どもの福祉の増進を図る)ために、実親との法的な親子関係を解消して養子縁組をする制度です(家裁の審判が必要。法律婚夫婦のみ認められる)
 これに対し、普通養子縁組は、様々な目的で利用される制度で、実親との親子関係は存続し、成年に達していれば家裁や実親の承諾も不要で、窓口への届け出で成立します(同性カップルで結婚の代替として普通養子縁組を利用している方たちもいらっしゃいます)


 
 
参考記事:
同性婚カップルに養子縁組認める 台湾第1号(中央社フォーカス台湾)
https://japan.focustaiwan.tw/society/202201050010

男性カップル、里子待つ日々 部屋も机も準備(朝日新聞)
https://digital.asahi.com/articles/DA3S15162606.html

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